対面
「あ、あおちゃん。おめでとう。」
「ううん、ソウこそ、おめでとう。」
「いやいやー、まさか本当に二人とも当選するとは、びっくりだよ。」
...本当は話したくない。ソウに彼女がいるなんて信じれへん。きっと翔のわるふざけだ。きっとそうだ...。
「いやー、本当によかった。あおちゃん、これからは副会長として僕をー」
「ねぇ、ソウ。ソウに彼女おるって本当?」
…なに聞いてんだわたしは〜!いるわけないってわかってんじゃん。意識してたからつい…
「うん、いるよ。」
…いる?今、いるって言ったの?えっ、なんで?いやいや、あれは翔のわるふざけで、本当はいないって…
「爽也〜〜!次理科室だよ〜〜。はやくいこ〜よ〜!」
「うん?そっか。ちょっとこっち来て。」
「…」
「あおちゃん、紹介するね。こいつが彼女の、立花柔美。」
「…はぁ。」
「よしみ、こいつは俺の幼なじみで、最近転校してきた、柊青葉。」
「あ〜、副会長の子〜!よろしくね〜!」
「あぁ、よろしく…」
「んじゃ、あおちゃん、次移動教室だから。」
…何考えてたんだろ、私…。翔が嘘つくわけないのに、だいたい、今時、中学生にカップルの一組や二組…
…私の頬を、一筋、涙がながれた…。
「どうした?青葉?なんで泣いてんの?」
顔をあげると、翔の綺麗か茶色の瞳があった。
「…翔っ‼︎」
…気づいたら私は、翔に抱きついていた。