相合傘
「やっぱソウだよね。えっ、じゃあソウも今春中なの?」
「ソウもって...あぁ、クラスの奴が話してた、C組に転校してきた、可愛い奴って、あおちゃんのことか。」
...えっ、可愛い奴って...超照れるんですけど。
「その様子じゃ、翔には会ったみたいだな。変わっただろ、あいつ。」
「そうだね。でも、ソウも変わったよねー。」
「それを言うならあおちゃんも。最初誰かわかんなかったよ。可愛くなったからな、一段と。」
...何ソレ、なんかソウに言われると、とても嬉しい。一段とってことは、前から可愛かったってこと⁉︎
「っと、どうした?顔赤いぞ。風邪ひいたんじゃないのか?これ使えよ。」
渡されたハンカチを顔にあてる。ああ、ソウのにおいだ。懐かしい...
「ってかソウ昔はおっきかったのに、今翔よりちっさいじゃん。」
「はいはい、そりゃ悪うござんした。んで、家どこ?」
「...西原三丁目。」
「遠いな。送ってくよ。ほれ、入れよ。」
「えっ、いや、そんなの悪いよ。」
「こんな状態の女の子1人にして帰るわけないだろ。」
...優しい。なんで?みんなにこんな感じなの?
「あっ、家ここだから。」
「おぅ、そうか。じゃあな。」
「待って!」
ソウが振り向く。
「ありがとう。」
「おぅ!」
...なんだろう。今、ニカッて音が聞こえた。それになんだろう、この気持ち...