再会
「えーっと、今日から2年C組でお世話になる、柊青葉です。わからないこともいろいろあるので、よろしくお願いします。」
拍手がわき起こった。あー、よかった、優しそうな人ばかりで。なんとか、やってけそうかな。
「じゃあ柊さん、一番後ろの、空いてる席へ。」
えーっと、一番後ろ...あぁ、窓際のね、あったかそうだなー。よいしょっと。
「あれ、もしかして、あおば?」
えっ、誰?この隣の席の人...?知らない顔だけど...。
「覚えてない?ほら、幼稚園の時、よく遊んだじゃ
ん。石嶺翔だよ。」
イシミネ?ショウ?しょう......
「えっ、もしかして、翔?ケーキ屋の!」
「ピンポーン、あったりー。思い出してくれた?」
「思い出した!あれ?でも翔ってむっちゃちっちゃかったような...」
「...って何年前の話だよ。」
パチッ。
「いったー。なにすんのよ〜。」あっ、でも翔のデコピンって初めてかも。確か翔はいつもうじうじしていて、気が弱くて、泣いていたような...。翔も変わったんだなー。
このときはまだ、懐かしい旧友との再会ぐらいにしか思っていなかった。まさかこの後、自分の人生を揺るがす、大切な青春が始まろうとしているとは...。