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願ワクバ
翌日…
彼女は池袋駅に来ていた。出勤時間15分前。
「……」
彼女は無言でひたすら歩く。いつも自分が入っていた入口へと。
そして…
「…っ!」
「こんちゃっす!」
「なっ!?」
元気のいい声が店に響いた。
彼の儚い願いが叶った瞬間だった。
「私の願いは、『この店で』誰かのために提供すること、ですよ」
彼女はニヤリと笑って言った。
彼は呆れたように笑って言った。
「仕方ないなぁ。じゃあ、今日から正社員見習いね」
いつか何処かで
不思議なお店を見つけたら…
そこにはきっと――――
可愛い店長さんが居ることでしょう――――…
そう言えば、店長の願いってなんなんですか?
僕の願いかい? そうだね、僕の願いは――――…
魔法使いのお菓子屋さんを経営する事だよ…