体育祭
初めての方 はじめまして 以前私の作品を読んでいただいた方 こんにちは
今回はクラストシリーズの第二段でございます。
異世界に飛ばされた唯一達、帰る方法はあるのか?まぁ、今は学園生活を楽しんでおこう。今回はそんなお話です。
ここはクラストという学園。ただの学校です。
「雨っか・・・。」
「唯一?なに窓の外眺めて黄昏てるの?」
「いや、僕達が飛ばされた時もこんな雨だったなって。」
「あぁ。」
そう、僕らはこの世界に飛ばされてきたのだ。ここは何処なのかわからなかった。ただ、親切な学園長がこの学園に通うことを許してくれた。この学園には寮がありそこで僕らは暮らしている。
「って、単に現実にあるテストから目を背けたいだけでしょ?」と唯に言われてしまった。
「うぅ・・・ご明察。」
そう、今は中間テストの最終日なのです。しかし、テストなんて久しぶりに受けた気がする。
「ほら、席に着け。テスト始めるぞ」
「はーい」
寮に戻ると七海が出かける準備をしていた。
「ん?バイト?」と僕は聞いた。
「そう、これか夕刊の配達なの。」
「がんばって。」
「あははい、いってきまーす。」
七海は元気よく飛び出して言った。
「あいかわらず、七ちゃん元気だね。」と唯がいう。
「七海らしくいいけどね。唯は非番かい?」
「うん、唯一君と一緒だね。」
僕らはこうして生活費を稼いでいます。学園長は働き出してからでいいって言ってくれてるんだけど。なんか申し訳なくて。まぁ、精神と体を壊さない程度のバイトをしてがんばっています。
数日後
「今日はこないだやったテストを返却する」
「えええ~」
クラス中が嫌がっていたテスト返しの日がやってきた。
「暁」
「はい」
「天宮」
「はい、はい」
「朝比奈」
「は~い」
みんなが呼ばれた。
「いくよ、いっせいのせ!」
テストの見せ合い、結果、七海80点 唯一85点 唯100点
「あ~また最下位か」と七海が方を落す。
「やっぱり唯に勝てないや」と僕はいう。
「えへへ」
頭をかいて照れる唯がなんか可愛かった。
「あ、そういえばもうすぐ夏休みね」
こいつはもうテストのことなど、どうでもいいようだ。
「でもその前に・・」と僕が言おうとしたことを先に2人に言われてしまった。
「「体育祭」」
三大イベントの一つ体育祭これはとにかくすごい。なにがすごいかなら当日お教えしよう
そして当日
「さ~今年もやってきました体育祭!今年はどんな闘いが見えられるのでしょうか?!司会は私、生徒会委員長 高梨 高次がお送りいたします。・・・・最初の種目は恒例の幕開け応援合戦だ!!」
この応戦合戦は二つに分かれていて最初に女子のチアガールでの応援。そして男子の応援これは制服をきてお腹に布を巻いている男の応援合戦だ。チアガールは僕らのチーム(赤)が先攻。メンバーが七海、朝倉、由香里、有希、美雪、西野の五人。
「さぁ、出てきました赤組のチアガール!七海をリーダにしたハイテンションチアリーダー。どんな演技を見せてくれるのでしょう?」
この五人はうちのクラスのハイテンションキャラ五人集だ。音楽が流れ出す。手にしたボンボンが揺れ始め声をだして踊りだす。これは三分ほどの演技。男子は色々な意味で喜び女子は
「かっこいいー」
「かわいいー」
などの声を上げてはしゃいでいる。そして最後のフィニッシュ。これは七海から聞いている二人が脇にいて中心に二人がいてそのうえに七海が乗るという演技である。
「いくよ~3、2、1、ハ!」
見事に決まった。まだ最初の演技だというのに生徒中が盛り上がる。そして白組、華やかな演技はみんなの心を熱くし、やる気満々だった。さてここからは迫力と気合に満ちた男子生徒の出番です。メンバーは唯一、勇次、洋二の三人のメンバーだ。
「さぁ、さぁ、きました。男子の応援合戦、迫力と気合に満ちたこの応援合戦は生徒たちの心を熱くすることでしょう。」
太鼓の音が流れる。校庭を赤の旗を持って駆け回る勇次そして校庭の真ん中へ。そして最後の大技 勇次と洋二が腕を組み横に並ぶその肩の上に僕が乗るというもの。洋二と勇次が腕を組み並んだ僕はその前に出て洋二たちに背を向けた。大きく息を吸い
「赤組よ」
「「赤組よ」」
赤組の生徒が復唱する。
「火炎の龍のごとく」
「「火炎の龍のごとく」」
「燃え上がれ!」
その声と同時に僕は地面をけり後ろにバクテンし肩の上に乗った。歓声が沸き起こる。ここまででわかるやつもいると思うけど体育祭は人気がある。あぁー恥ずかしかった。
「盛り上がってきました。お次の種目は男女混合障害物競走!!」
言っとくけど、この障害物競走は常識ではありえない、つうか怪我人がでてもおかしくないような種目。ちなみに僕もでます。メンバーは僕、七海、(赤)勇記、小柴(白)
「テストでは負けたけど、体育じゃ負けないんだから」と張り切る七海。
「望むところ」
「じゃ、負けたら。う~ん、アイスおごってね。もちろん唯の分もね。」
「僕もそれで」
賭け成立。
「位置について用意、ドン」
校庭を一周すれば終わる。まずは何にもないように見える二十メートル
「!!」
横からタイヤがごろごろ転がってきた。僕と七海はひょいひょい避けていく。後ろ二人は慌てふためいている。次の障害は網くぐり。単純に見えるこの網くぐり。僕と七海は網の前で止まった。
「お先にどうぞ」と譲る僕に対して七海は。
「いや、唯一こそ。」と僕を先に行かせようとする七海
「レディーファーストです。」
「おっと、これはどうしたのでしょう?先頭を行っていた赤組が網の前で停止、その間に後ろから二人が来て網をくぐっていく」
どん!何かが落ちる音がした。
「おっと、これは落とし穴です。赤の二人はこれに気付き止まったのでしょうか?」
まあ、明らかに掘った後があったしね。僕らは網をくぐっていく。走っていくと卓球マシーンから弾がとんでくる。漫画じゃあるまいし、当たるわけも無くクリア。これを避ければ後もう少し。タイヤを引いて、机が見えてくる。ここでタイヤを放し机の上にあるカードを引くこれは借り物競走になりそうな競技だが今はそんなことはどうでもいい。
「な、自分と同学年の女子をお姫様だっこしてゴールまでいけ。」
むちゃくちゃやと関西弁で突っ込みを入れる僕。
「な、なんですと~。自分と同学年の男子をおんぶしながらゴールまでいけ。」
なちゅう、借り物・・・じゃなかった障害物走。二人とも観客のほうへ行く
「唯!」
「うん。」
唯はすぐ僕のところに来てきくれた。僕は唯をお姫様抱っこして向かう。
そのころ七海は
「いいから、来なさい!谷口!」
「は、はい!」
七海の力は生徒を支配する。
「さぁ両者とも借りられたようです。両者共にゴールに向かって走ります。おっと並んだ~!!どっちが速い?!」
本当にわずかの差だった。
「結果は一位 月影 七海 二位 夜天 唯一 三位と四位は両者共に制限時間内にゴールできなかったため無し!」
「やったー、ボクのか・ち~、アイスよろしく~」
「はいはい。でもほんとわずかの差だったのに。」
僕は息を切らしながら答えた。
「ごめんね、私重くなかった?」と唯が心配そうに顔を覗き込む。あぁ、この顔ファンが見たらたまらんな。と思いつつ返答する。
「いや、唯のせいじゃないよ。こいつのスポーツパワーには勝てないや~」
「まあ、ドンマイ!」
次の競技
「次の競技は学年種目2年生による球入れです。勿論、我が校の球入れは普通じゃありません。球がなんと水風船なのです。勿論入っても割れてしまっては得点になりません。割れないように慎重にやっていれば相手チームに負けてしまうかもしれません。策で攻めるも数で攻めるもよし。ともかく相手に勝て!」と叫ぶ生徒会長。この競技はちゃんと見てないと大変なことに・・・え?なにが大変かってそれは・・・
「ビャーン」
風船が四つ隣にいた海谷に当たった。こうやって色々な方向に飛んでくるんです。結果は白の勝ち。これで同点です。
さて競技が色々過ぎて午前最後の競技。色別対抗リレー。各学年が四クラスなので四列かける3で行います。ちなみにアンカーが七海。
そして、スタートの音がなる。
「おーと、一年の赤組、気合が入りすぎてスタートで転倒!これは致命傷か?」
その後、全力でも走るも半周近く開いてしまった。二年にわたるが差がさらに開く。
「ん?七海、笑ってる。」
僕は七海の不適な笑みに気がついた。
「これなら、いくら早い君でも追いつけないでしょ?」
そう、一位の奴がいう。
「お先に!」と一位の奴がバトンを受け取り七海言う。
そして、最下位でバトンを受け取ると。
「まかせな。」
高速ダッシュ!風神の少女もびっくりするほどの速度で追っていく。
「で?誰が追い付けないって?」
「そんな馬鹿な!?」
「お先に。」
七海はそう言い返して走り出した。
結果、七海の大逆転で午前は終わった。
「これより昼食の時間とします~」
僕はアイスを買って持ってきたこれは障害物競走での約束だ。お昼はみんなで作ったお弁当。さて、一人一箱作ったけど一体何が入っているやら。
「まいど!」
「はいこれ、アイス」
「ありがとう」
「さてと、お昼」
「「「いただきます」」」
パク
「やっぱりおいし~、唯の作る料理はおいしい」
「私のも食べなさいよ」
七海は無理矢理、僕に料理を食べさせた
「う、美味い」
「デショデショ」
「ところでこれはなんに料理」
「これは、・・・・」
数分後
『聞くんじゃなかった』
何の料理かはご想像にお任せします。
「お~い」
振り向くと学園長がいた。
「学園長。」
「いや。事件もなくて暇でね。こっちに来たんだ。どうやら勝ってるみたいだね。」
「当然」と七海が胸を張っていった。
「学園長も食べていってください。」と唯がお箸を渡した。
「それは助かる。実はお昼まだなんだ。」
唯がお茶を注いで渡した。
「ありがと。」
「そういえば、最近天魔の姉ちゃん見てませんけど大丈夫ですか?」
天魔の姉ちゃんとはこの学園の研究員。噂では魔法使いで錬金術や魔法薬の開発を担当している職員です。でも作る薬はろくでもないらしい。
「呼んだかしら?」と僕の背後に天魔の姉ちゃんが居た。
「い、何時の間に。」
「あぁ、天魔さん。何時こちらに?」と学園長が言った。
「さっきよ。新薬が出来たから試そうと思ってね。」
僕らは背中に寒気を感じた。
「今度はなにをつくたんですか?」と唯が言った。
「今度はこれ、年齢詐称薬」
「いきなり犯罪っぽいネ~ミング」と七海
「でもこれは体をその歳見合う分だけ幻術がかかってその歳に見えるってわけ。この白玉を飲むと年齢が上がって、この黒玉を飲むと年齢が下がる。でも年齢は乱数決定されるから、それにその年齢になってもその形に成長するとは限らないのが改造点なのよね。」
「それは、あんまり役に立たないような・・・」と唯が言う。
「まあぁね。」
そういってポケットにしまった。本物かどうかはわからない。
そんなわけで時は過ぎ午後の体育祭が始まった。
「最初は確か全校生徒によるクス玉割だたな」
この学校のクス玉は四つありクラスごとに分かれておこなう。毎年の事だがこの学校のクス玉は特に壊れにくい。その為、特別ルールとして野球ボールの使用が認められる。落ちてくボールを避けながら玉を壊すんだ。
「用意」
ピストルが鳴った。生徒が一斉に玉をぶつける。勿論、割れない。競技開始から十五分が経過して野球ボールが入れられた。
「みんな、どいて!!」
叫んだのは七海だった。僕らは急いでその場を離れた。理由、七海はデバイスが解除されてなくても魔法が多少つかえる為、肉体強化でボールを思いっきり投げクス玉を割るのではなく破壊するつもりだからだ。
「はーあ」
投げられたボールはこの学校の野球部なんかよりはるかに強い球。クス玉に当たりクス玉を粉砕した。
「見事に壊れたな。」
生徒が唖然。そりゃあそうだよね。目の前で女の子がクス玉を割るんじゃなくて破壊してしまうなんて。普通はありえないからね。そしていくつかの競技が行われた。
「次の競技は・・・・・」
全部かいていたらページが幾つになるかわからないから省略!午後最後の種目へと移行する。最後の種目は校長が生徒から出されたアンケート用紙をつめた箱から引いた競技となる。
「え~最終種目はドッチボールです。」
その一瞬、七海の目が輝いて見えたのは僕だけだだろうか?いや僕だけではない。みんなの顔が引きつってる。
結果はいうまでも無く七海(僕のクラス)クラスだ。総合計三十人が保健室送りとなった。つくづく七海を敵に回さなくてよかったと思っている。優勝は僕達赤組みでクラス優勝ももらった。
「やったね!」
僕達はハイタッチをかわした。
「それじゃあ、かえって祝杯あげるぞ!」と天魔の姉ちゃんが僕達を誘った。あやうく酒飲まされるとこだったけど学園長さんが止めてくれた。本当に楽しい。こんな幸せがいつまでも続けばいいのに。
『まだまだ、片付いてない事件があるけれどこれからもがんばるぞ!』
ついでなので、学園祭の情報も少し。
体育祭が終って数日。HRにて。
「それでは、どのような店を出すかを決める為意見を出し下さい。」
議長の池田が指示を出している。生徒は色々な意見を言った。この学校の行事のなかでも体育祭に遅れをとらぬほどの人気を誇る我が校の文化祭。メジャーなものは他のクラスとかぶる可能性が高いがそれでもやりたいという意見が毎年の事だが今回の出し物の意見が色々と出揃った。清水が黒板に出た意見を書いている。右から順にお化け屋敷、クレープ屋、プラネタリウム、演劇、料理店などさまざまな意見が黒板に書かれていく、中にはマニアックなコスプレ喫茶、メイド喫茶などの意見も出ている。
「それじゃまずは実現可能なものだけを残して、後は消していいよ。」
「了解」
学校側としても立場も考慮し残ったのはお化け屋敷、料理店、演劇(演劇部とかぶる為、微妙である)クレープ屋である。クレープ屋は毎年争奪戦になるのだ。他の生徒もそれはわかっているがどうしてもやりたいという意見が多く去年はそのおかげで大変なことになったらしい。何があったかは聞かないでくれ。さてさて、このなかでどれを選ぶだが。演劇は演劇部とかぶるという点がどうしても否めない。かと言ってクレープに走るのもどうかと思う。
「いっそのこと演劇部と協力してやるという手もあるが」
その意見に発案者が反対した。それでは自分のクラスがアピールできないという。色々だしあった結果、料理店(全員お化け仮葬と)なった。ここでなら、クレープも作れるしお化け仮装でお化け屋敷の雰囲気もかもしだせる。なんともより合わせな意見にまとまった。
帰宅
「料理店をやるのはいいけど、僕が店長になっちゃったけどいいのかな?」
唯が微笑みながら言った。
「大丈夫だと思うよ。唯一君お料理上手だし。それに、料理屋でバイトもしてるし。」
「あの時はおどろいたよなぁ。バイトを探して店に入ったら店主が倒れてて突然代理を任されてそのまま採用されたんだから。」
「すごい、どたばた劇だったね。」
そこに走ってきたのが丸わかりな位、息をあげて七海が入ってきた。
「唯一!さっき・・・ハァハァ、残ってるみんなでメニューのアンケートをとったんだけどこの中で唯一と唯が作れない料理ってある?」
僕は七海の持っていた小さなメモ用紙を受け取り内容を見た。書いてあるメニューは炒飯にオムライス、チキンライスに焼きそばお好み焼きなどだ。
「できなくはないけど、材料あるの?」
これだけの材料を用意するとなると相当の費用が、この学校にそれほどお金があるとは思えないし。やっぱり自己負担なのかな?
「あぁ材料に関しては大丈夫。」
「それなら大丈夫だよ。このぐらいなら僕にも作れるから。」
「OKじゃあみんなにこのことを伝えてくるね。」
そう言って部屋を飛び出した。まるで嵐のように来てはすぐに去っていた。
「学園祭か~楽しみだね。」
「うん。」
いかがでしたか?今回のクラストの物語は?
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極力返答させていただきます。
では、今回はこれにて失礼します。読んでいただいてありがとうございました。