7,そして勇者が誕生した
あーーーーーもーーーーこれだから AI は嫌なんだぁぁぁ!このポンコツポンコツポンコツゥーーーーーーーーー
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俺はアルゴに俺自身だけ守ったらいいのではなく、俺の体質が誰にも迷惑掛けないようにと言うことだ!と指示するとすんなりわかってくれたようだった。
また、アルゴと呼べば通信できるようにしてともお願いしておいた。
「お主はアルちゃんに説明するのがうまいのうー」
「アルちゃん……?いや、
そうですねぇ。こうやって何もわかってないって体で接してあげると
うまく理解してくれますよ?」
「そうかそうか。ま、引き続きテストをよろしく頼むぞ。
では忙しいからの、きるぞ。
さぁアルちゃん、今度は ○○ と xx の二柱の神々の戯れを創造して妾に見せるのじゃ
プツ……」
何だ最後の会話は?VT○ber の放送事故かよ。なんか聞こえちゃいけないもんまで聞こえたぞ?急にちゃん付けって何友達ムーブかましてるんだ。
キクリ様は聡明だと適当におだててみたが、あながち間違いはなかったようだ。俺とアルゴとのやり取りから学習したのか使いこなせているようだ。ただ方向性が間違ってる。いったい何をさせているんだ!!
「一応反マナ対策は大丈夫だと思うが、念の為ここでもう少し様子見てみるか」
とりあえず、特に腹は減ってなかったのだが、飯を食ってみることにした。
アルゴに確認すると、さっき降ってきた魚は食べても大丈夫とのこと。火ぐらいはおこしてくれるってことなので、石囲いの即席かまどをつくり、神界に置きっぱなしになっていた天板を送ってもらい魚を焼いてみた。
「うーん、見た目は悪くないんだが、
調味料がないせいか食欲がわかないな
まあ実験だからいいんだけど、塩味ぐらいはほしいところだなぁ」
そう言って魚の頭と尻尾を両手で持ち豪快にかぶりつく。が、全く美味しくない。熱が通ってないのかなと思って見直すもこんがり焼けている。……いや、これは……
「味どころか熱さも全く感じねぇ!
まさか保護膜、五感もすべて遮断してるのか?
それだけは嫌だー、異世界での唯一の楽しみだろーーーー」
またもやアルゴと会話、俺は人間らしくありたいんだーーーと文句を言ったら、保護膜にマナ反転機能をつけてくれた。マナはその膜に触れると反マナに変換され、内側に浸透してくるらしい。
しかしなんか急に話が通じる様になったな。おまえもしかしてキクリと仲良くなってなんか変わったのか?
「やっと味がする!塩気はないけど、やっぱ焼き立てはうまいなぁー」
それからちょっと昼寝をしたり運動したりして、日常生活は問題なさそうだと納得した。
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「リオンや、聞こえておるなら返事せいー
そろそろ転移してもらわぬと困るのじゃ。
あまり時間かけとると、上司にみつかるよってのぅ」
とキクリから連絡、転移にもタイムリミットがあるらしい。怒られたくないだけかもしれないが。
そうして草原をあとにし、神界に戻った。
本来なら異世界を本番モードにしないといけないのだが、なんせこの体、どんな不具合があるのかわからない。恐ろしいのでテストモードのままは無理か?とキクリに聞いてみる。
「そんなのアルちゃんなら余裕じゃろうて
アルちゃん、上司にバレないよう、上手に偽装してくれんかのう」
《わかった、キクリちゃん。任せておいて!絶対バレないようにしてあげる!》
おいおい、キクリよ。AI に性格付までしてるじゃないか。
「へぇー、随分扱いがうまくなったじゃないか!びっくりした!!」
思わず本音で褒める。
キクリはぱっと顔を輝かせ、目元にうっすら涙を浮かべる。「こんなふうに褒められるの、初めてじゃ……」と、袖でそっと涙をぬぐう。
妾だって、ずっと一生懸命やってたんじゃからな……と、少し鼻をすすりながら呟くキクリ。その姿は、ふてぶてしさが一切なく、容姿に見合った可愛らしい女神様だった。
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――場面は玉座の間にうつる
魔法陣から放たれたまばゆい光が収束し、俺はすでに見たことのある、あの緊張した場面の真ん中に立っていた。
取り囲んでいた者たちも、ようやく目がなれてきて、召喚された勇者の顔を認識する。
「「「ひいっっっ!!!」」」
何故か全員引き下がり、引きつった表情を浮かべた。
「え?みんな爆発のこと忘れてるはずだよね!?初対面だよね???」
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《……うーん、やっぱ思念って虚次元とくっついちゃってるぽいねっ!》
初めての小説になります。
普段は「小説家になろう」で読むばかりで、書くのはまったくの初心者です。
拙い文章かもしれませんが、最後まで読んでいただけたら嬉しいです。
今更ながら新しいものを生み出す苦しみを味わっております。
でも楽しい!




