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俺は異世界で異物です!  作者: masatus
第一章 なんで召喚にこんな時間かかんだよ!
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5、それも爆発するの!?

「とりあえず、そのアルゴとやらを確認させてほしいのですが……」


「そんなことが許されるわけなかろう。これは神しか扱ってはいかんのじゃぞ?」


俺はキクリのご機嫌を損ねないよう、必死に頭を回転させる。『キクリ様はまだ本気を出していないだけ』『キクリ様しか頼れない』『容姿も可愛くて正直当たりだと思ってる』――全力でおだててみた。嘘は言っていない。 キクリ様はしばらく腕を組んで考え込んでいたが、やがて観念したかのように


「……まあ……、そこまで言うのなら、少しぐらいはいいぞ。誰にも言ってはいかんぞ?」


と顔を真っ赤にしてうつむきながら答えた。どうやら褒められるのになれてないらしい。


「えーとアルゴさん、はじめまして。えーリオンともうします。なんとお呼びすればよろしいでしょうか」


《リオン様、はじめまして。アルゴとお呼びください。あともう少しフランクでも構いません》


あっそうなんだ。


「じゃ単刀直入に、さっきの膜だと身動き取れなかったので、対応できる?」


《そうですね、膜を関節ごとに分割することができます》


まあそれならたしかに動けるが……


「デメリットは?」


《体も分割されます》


あかーん、それは人間やめてるやーんと思わず心の中で突っ込んだ。AI なんてこんなもんだ。


「ほーそんなふうに聞けばよいのか。お主なんだかなれておるのう」


まあ、日常の仕事でよく使っていたもので……と答えておいた。


「日常生活に支障ない対策を考えて」


*****


いろいろ対策をアルゴと会話したあと、とりあえず保護膜は柔軟なものとし、マナに触れそうな部分はすべて保護してもらうことにした。当然胃の中もだ。そうでないと食事ができない。


「随分アルゴが賢くなったようにみえるのう。」


「アルゴはこの様に使うものです。キクリ様は聡明なので、多分すぐにこうやって使いこなせるようになると思います」


「ま、まあそうじゃのう。妾ならすぐに習得できようぞ」


もうすっかり機嫌は治ったようだ。


「では、ちょっと転移してみます」


*****


俺は先程訪れた何もない草原に立っていた。歩いたり走ったりしてみたが特に問題ないようだ。

とりあえず、寝そべってみて今日起きたことを整理してみた。


俺はアップルパイを焼いていてたはずだ。その時たまたま異世界召喚に巻き込まれたらしい。その後爆発する体質が発覚し、その対策に追われ、ようやく目処が付きそうな感じか。普通ならもとに戻れるのかとか、もとの世界にやり残していることとか、そういった悩みを考える時間があるはずなんだが、ポンポン転移させられたのと、記憶が残っているせいで全然ゆっくり考える暇がなかった。


「これからどーすっかなー、肉親もいないし、仕事もちょうど引き受けてなかったし


突然いなくなったら、光熱費周りの集金に迷惑かけるぐらいかなぁ。


まあ元の世界に戻れないのは確定なんだろうな。


こっちはネットとかないんだろうなー。……アニメの続きも気になるなぁ」


元の世界に絶対戻りたいわけでもないが、とはいえ正式に転移すると、あの対立と緊張の広間に出現しなければいけない。俺があの場をなんとかできるんだろうか。勇者と言っても運動なんてしたことないし、チート貰えばなんとかなるんだろうか。これから先のことを考えると憂鬱になるのであった。


そうこうしてぼーっと青空を眺めているうちに、急に尿意を催してきた。上半身だけ起こして周囲を見渡すと小川が見える。あそこですますか。すくっと立ち上がりミトンをエプロンの前ポケットにしまった。


「はぁー、開放感がなまんないねー」


ズボラにもエプロンの裾をまくりあげ、顎にはさみながら用を足す。とりあえず生理現象だけはすっきりした。そして、水面に浮かんだ葉っぱの流れるのをぼーっと眺めていた。

水面が太陽に反射していてキラキラしている。やがてその反射光は眩しさを増していった。

正しくは水中から白い光が溢れているようで……


ドドドドドーンと火柱が上がり、水はすべて吹き飛び、川底はえぐられたような跡が残っていた。

どこに隠れていたのか水鳥が一斉に飛び立ち、ぼたぼたと周囲には魚らしきものが降り注ぐ。


「も、もしかして、排泄物まで反マナ!?何も解決してねー」


と思わず雄叫びを上げるのだった。


初めての小説投稿になります。

普段は「小説家になろう」で読むばかりで、書くのはまったくの初心者です。

拙い文章かもしれませんが、最後まで読んでいただけたら嬉しいです。

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