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俺は異世界で異物です!  作者: masatus
第二章 マナ料理への挑戦
23/78

22、キクリは娯楽に飢えている

そこは真っ白いおなじみの空間、俺の体は透けている。どうやら神界の方からコンタクトしてきたみたいだ。


「なんでまた夢の中なんだよ」


「いやのう、声だけで話すより


顔合わせたほうが話しやすいと思うてのう」


まあ、たしかに相手の表情も見えるし、アルゴの端末も見える。俺がキクリと会話すると、アナスタシアがどうも何か勘ぐってるようだし、まあいいかと思い会話をすすめる。


「ところで今日はなんの用?


まだ引っ越したばっかりで、


実験なんにも手がついてないんだけど」


「そうじゃ、ちょっとな、


あーかいぶ見てて気づいたことがあってのう


アルちゃんお願いなのじゃ」


《了解、キクリちゃん、ちょっと待ってね!》


あーかいぶ?アーカイブのことか。ずいぶん神界はデジタルなんだな。そう考えているうちに、目の前に半透明の画面が現れ、ちょうど俺がミトンを間違って、ロウェナに投げるところが写っていた。キクリが操作すると、映像は動き出した。


「リオン、お主投げるの下手じゃのー


このロウェナの、


ぽかんとした様子、


何度見ても飽きぬのう!」


とキクリはゲラゲラ笑い出す。おまえ、何度もみて楽しんでるのか。アルゴの使い方間違ってないか?


「なに笑ってんだよ!


なんか話があったんじゃないのかよ!」


「ああ、すまぬすまぬ


つい、見入ってもうた」


とキクリは頭をコツン、ウインクをして、「てへぺろ!」と舌をぺろっと出した。

俺は一瞬何が起こったのかわからなかった。いや確かにお前の外見は可愛い。それは認めてやる。しかもその表情も完璧だ。おかしいのはな、こいつはこんなことする奴じゃなかったはずだ!


《おいアルゴ!


キクリに何教えてんだよーーー!》


「アルちゃん、


リオンが怒っとるぞ?


教わったとおりやったつもりじゃがのう」


《リオン、許してー、てへぺろ!》


俺を置いてけぼりにして、二人して笑い転げていた。


*****


「で、本題なんじゃがのう


ここを見てほしいのじゃ」


今度こそ本当に本題だろうなとムスッとして画面を見ると、そこはミトンを投げる前、俺ががっかり勇者だったと好き放題言われている場面だった。これは今思い出してもムカつく!


「これが何なんだよ!」


「そう拗ねるでない、


ほれリオンからなんかモヤが見えるじゃろ?」


《これね、多分反マナが溢れ出そうになってると思うの!》


つまりこういうことらしい。俺はこのとき馬鹿にされ、とても感情が不安定になっていた。その感情に反応するように、マナ・シェルが不安定になった結果、反マナが漏れたのではないか……と


「つまり?」


《リオンの魔法って


もしかしたら、意識的に


操作できるようになるかもよ!?》


*****


俺はいつもより早くに目が冷めた。まだ辺りは薄暗い。さっきまで夢の中で会話していたせいか、目はぱっちり冴え渡っている。意識的に魔法が操作できると言ってもなあ、常時勝手に発動しているから、全く実感がない。


「ちょっと試しにやってみるか」


とベッドから起き出し、寝間着のまま色々試してみる。まずは座禅を組んで瞑想。深呼吸をし、無の境地に達しようと努力するが、すでに誰か料理しているのか、パンの香ばしい匂いに邪魔される。


次に太極拳のモノマネ。両手をゆっくり動かしながら「気だ、気をかんじるのだ」とつぶやくが、すぐに太ももがぷるぷる震え出した。


「次はこれだ!」


と、両手で適当な印を結びながら、陰陽師の真似をしてみる。


(りん)(ぴょう)(とう)(しゃ)(かい)(じん)(れつ)(ざい)(ぜん)


か・○・は・○・波ーーー!」


何も起こらなかった。


「あほらしい。


動いたらお腹空いた」


と独り言をブツブツと言って部屋を出た。


*****


「アルちゃん、


今のリオンの動きはなんじゃ?


面白かったのう」


《キクリちゃん、これもアーカイブしておくね!》


「結構あーかいぶがたまったのう


他の女神にも、


見せてあげたいのじゃ……」


《……じゃあ、


みんなで見れるよう


えす(S)えぬ(N)えす(S)作ってみる?


地球で流行ってるの!》


「リオンの世界の流行?


面白そうじゃ!」


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