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宇宙人、訪問は内緒。


流れ星を見たと思ったら、私からのメールの返信が嬉しくて空を飛んだというエトラさん。


確かに私と話していた時、嬉しいと金色に光ってたもんね。‥って、ことはそれだけメールの返信が嬉しかったってこと?相当発光してたし、ニュースでもかなり大騒ぎだったぞ。



なんだかむず痒い気持ちになりつつ、書類を持って教授の部屋のドアを叩いた。


「失礼します。月先生〜、領収書の控えと書類を持ってきました」


部屋の中は書類と本、それと星座表や星の配置が描かれたポスターがべたべたに壁中に貼られていて‥、毎回思うけど「星推し!!!」って感じだ。そんな書類の間からメガネを掛けて、あご髭を伸ばした熊のようなおじさん‥ならぬ教授が顔を出した。



「ああ、星野さんか。いつもありがとね。あとエトラの事もありがとう」

「あのっ!その事なんですけど、エトラさんって本当に宇宙人なんですか?!」

「そうだよ。昨日光ってたでしょ。あと流れ星にもなれるんだねぇ」

「や、やっぱり本当なんですか?!」

「うん、僕一応宇宙人コンタクト担当を国から任されてるから。あ、でも今回は黙ってるけど」

「待ってください!!サラッと流しちゃいけない事を言ってません?」



宇宙人コンタクト担当って何!?

しかもなんで黙ってるの?教授の書類が溜まった机に詰め寄ると、熊のようにのっそりと体を起こして椅子にもたれ掛かった。


「星野さんには言うけどね、エトラはとっても純粋なんだ」

「は、はぁ‥」

「国の面倒なおっさん達はエトラには毒でしかない。星好きの人間は別だよ?でも、必ず利権だのなんだのと面倒ごとが絡んでくる。だから留学生を受け入れてまーすってしてるんだ」

「‥‥いいんですか?」

「僕一人首を切られてもね。むしろラッキーだよ。そうなったらエトラに惑星ツアーをしてもらう!」

「なんかずるいですねぇ」


私がじとっと睨むも、教授は可笑しそうに笑うだけだ。

いいの?国家間の問題になっちゃわない?教授は惑星が並んだポスターを見て、



「エトラの家族は、代々地球を観測していた家系なんだって。でもいつも話を聞いたり、データを見るだけで、どんな人がどんなことを考えて生きているか、ずっと興味があったらしくね。行くなら日本にしなさいって家族に言われたらしい」

「なんで日本‥」

「ずっと昔、日本からお嫁さんを貰ったらしいよ」

「じゃあ、遠いけどハーフ‥?!」

「そうみたい!だからその辺の話をもっと深く聞いて、その辺の資料を集めてるんだ!天女伝説とか、宇宙人じゃないかって思って、」



あ、これは長くなりそうだぞ?


「教授、今日中に領収書の確認をお願いします。あと学会から論文を提出するよう事務にまで連絡がきたので、そっちもよろしくお願いします」

「ええ〜〜〜!なんで事務にまで言うの?本当に面倒‥。せっかく面白い事になってるのに」

「はいはいお仕事、お仕事をして下さいね」


何かと面倒臭い教授が多い中、月先生は可愛いほうだけどね。

と、ドアをノックする音がして、月先生が「どうぞ〜」と言うと本を抱えたエトラさんが部屋へ入ってきて、私を見るなり驚いたのか両方の顔の横にある耳がピョコッと上がった。



「い、イトさん!」

「おはようございます。昨日はええと、どうも‥」

「は、はい‥」



照れ臭そうな顔をすると、耳がパタパタと上下している‥。

これは、照れている‥のか?

教授はそれをじっと見つめ、「なるほど照れると耳がパタパタとする‥」とメモをしている。あの、教授そういうのは本人の前でしない方がいいと思いますよ?


「エトラさん、今日のお昼に会う予定ですけど大丈夫そうですか?」

「は、はい!大丈夫デス!」

「じゃあお昼にこちらへ迎えに来ますね。この大学、結構広いので」

「ありがとうございます!」


パアッと発光したエトラさん。

う、眩しい!目を細めると、教授がすかさず「エトラ、光を抑えて〜。バレちゃうよ」と言うと、ハッとした顔をしたエトラさんが真面目な顔をすると光が収まった。



「え、すごい‥」

「バリア、張りました。嬉しいと、つい、取れちゃう」

「バリア‥」

「感情時々溢れちゃう‥」

「なるほど‥‥」



宇宙人っぽーい!

って、本当に宇宙人だったんだ!

改めてエトラさんを見上げれば、確かに宇宙人って言われればそうかもしれない。青い‥というより濃紺の瞳も星がキラキラと輝いているようにも見える。まじまじと見てしまった私に、エトラさんは耳をまたパタパタさせ、



「‥照れマス」

「あ、すみません!」

「はっはっは!良かったなぁエトラ!仲良くしろよ〜!」

「はい!!」



‥うん、宇宙人コンタクト担当から任命されてしまったら何も言えないな?

ともかく怪しい宗教じゃなさそうだし大丈夫かな‥?と、思ったけれど本物の宇宙人の相手の方がずっと大変だと仕事場に戻ってから気付いた私であった。





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