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宇宙人、接触禁止。


エトラさんが力を使った為に私と会うのを禁止された。


レイハナさんが言うには、宇宙人が力を使って誰かを傷つけるのは許されない行為らしい。「‥たまにそれを無視するロクでもない宇宙人もいるが」と、サラッと言われたけど‥。確かにそういうの聞きますけど本当だったんだ?!



そういえば力を使ったって言ってたけど、どんな力なんだろ。

窓の音がいきなり鳴ったのと関係しているのかな?そんなことを考えていると、レイハナさんは事務室の前でピタッと足を止めた。


「あれはエトラの「怒り」だ」

「え?」


またしても何も聞いてないのに質問に答えてくれた。

レイハナさんってもしかしてテレパシーを使えるのかな?とはいえ、もしかしたら怒ったのかなぁと思ったけど、本当に怒ってたんだ‥。まじまじとレイハナさんを見つめると、



「怖くなかったか?」

「え?」

「窓が大きく鳴ったろ。あれはエトラの感情であり、力だ」

「宇宙人さんって怒るんですね‥」



私の言葉にレイハナさんが目を丸くした。

いや、確かにそう言われたらやっぱり怒ってたんだ!って納得できるけど、あの温厚なエトラさんが怒るのがイメージできなくて‥。



「あのっ、でも、咄嗟に助けようとしてくれただけなので、怖くはないですよ?それにエトラさんも反省しているようでしたし‥本当に怖くなかったです!」



エトラさんは私が怒鳴られているのを見て、助けようと思ってくれたんだろう。だからこれ以上は叱らないで欲しいな‥と、そう話せばレイハナさんは小さく笑ってから、そっと下ろしてくれた。


「‥イトさんの気持ちはよくわかった。ただ、エトラには反省をきちんとして欲しいので、説明会が終わるまでは会わないで欲しい」

「‥わかりました」


そう言われてしまってはこれ以上は何も言えない。

私が静かに頷くと、レイハナさんは眉を下げて困ったように笑った。



「‥イトさんには迷惑を掛ける」

「い、いえいえ!むしろ私がドジをしてしまったせいで‥」

「いや、エトラはあまり落ち着きがないから‥」

「そ、そうですか???」



いつも金色にキラキラと光って可愛らしいイメージしかないけど‥。


「あの、つかぬ事お尋ねしますがレイハナさん金色の光って嬉しいって意味なんですか?」

「ああ」

「金色の、ええとシャボン玉みたいな‥、こう丸くてすぐに弾けちゃうのはどんな意味なんですか?」


たまにエトラさんの体から出てきているけど、嬉しい以外にも意味があるのかな?と、思っていたので聞いてみると、レイハナさんは難しい顔をして、



「‥‥色々だな」



と、しみじみと答えた。

ええと答えになっているような、なってないような?



「悪い、感情ではないんですね?」

「そうだな。ものすごく嬉しい‥とか、様々だな」

「そうですか」



そっか。じゃあものすごく嬉しいって事でいいのかな?

嫌な気持ちまで隠してないかな?と、心配だったので一安心した私をレイハナさんが優しく頭を撫でてくれた。‥ええと、ありがとうございます‥?


「あとでチェックリストに書いてあるものは届けるから安心してくれ」


そう言うと、またカツカツとヒールを鳴らして立ち去っていった。‥頭を撫でられたけど、子供って思われているのだろうか。後ろ姿を見送ってから私は事務室へ戻ると、忙しそうな目々さんが私を見るなり、



「なんで怪我してるのーーーー!??」



と、叫んだけれど落ち着いて下さい〜〜〜!

ざっくりと説明すると、目々さんは「あのクソジジィ!!」と、大変可愛らしい顔なのにものすごいドスの効いた声で呟くと、「目に物見せるから安心してね!」と、言ったけれど‥。安心できないです。



ともかく、やっと会えてお昼を一緒に食べられたかと思ったら、接触禁止。



エトラさんに会えて嬉しかったんだけどなぁ‥。

別れ際のエトラさんの泣きそうな顔を思い出すと胸が痛くなってしまう。

ああ、大丈夫かな‥、泣いてないかな。きっとエトラさんのことだから心配しているかもしれない。



会うまでは気をつけないと!って思ってたのに‥。

まさかまた会えない事態になるなんて思わなかったから、それだけに残念だし、寂しい。


チラッとスケジュール帳を見れば、花火大会の日に丸がしてある。

うん、でも幸いにも花火大会は見に行こうと約束をしてたしね。レイハナさんも説明会が終わるまでと言ってたんだ。



それまでに色々楽しそうな場所とか、食べ物とかチェックすればいいもんね!そう思って、小さく息を吐き出してから、私は自分の仕事に戻る為にパソコンのスイッチを入れた。





怒るとすんごいパワー使いますね〜。

毎回怒ってる人を見るとパワーあるなぁ〜って感心してしまいます。

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