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宇宙人、全部楽しみ。


地球と星にサンドイッチされている‥なんて素敵な表現なんだ。

プラネタリウムに感動した後、それならば!と、サンドイッチで有名なカフェを速攻で探して案内した。



ボリュームのあるお肉が挟まれたサンドイッチと、可愛らしいお花の断面が見えるフルーツサンドイッチを頼めば、エトラさんはそれはもうどの星よりも目を輝かせた。


「素敵‥!!可愛い‥!!!でも食べられる?」

「はい!全部食べられます!」

「ふわぁああ、嬉しい!でも食べたら無くなっちゃう‥」

「そうしたらまた食べましょう」

「そ、そっか、また食べられる‥」


耳がちょっとパタパタしているが、そこも配慮して端っこの席に座らせて貰ったので、多分大丈夫‥なはず。光は‥、明るい窓辺だしきっと大丈夫。しっかり確認してからサンドイッチを勧めると、エトラさんはおずおずと受け取って、まずはお肉の挟まったサンドイッチを大きな口を開けて齧り付くと、パアッと顔が輝いた。


「すごい‥!いっぱい色々な味がする!」

「気に入って頂けて良かったです。うん、美味しい〜」


私もあんぐりと口を開けてもぐもぐと頬張ると、エトラさんは嬉しそうに私を見て、


「イト美味しい?」

「はい!美味しいです」

「ふふっ、同じ!」


同じように美味しさを楽しめることが嬉しいのかな?

なんと優しさの塊であろう。ニコッと微笑めば、エトラさんは私をまじまじと見つめると、また体から金色の小さなシャボン玉がふわりと浮かんだ。これは、共有できて嬉しい‥という感情の表れなのかな?


宇宙人についての本でも今度調べておこうかな‥。

そんなことを思っている向かいの席で、エトラさんはそれはもううっとりとサンドイッチを眺め、



「サンドイッチって、とても素敵‥。色々挟んでも美味しい」

「そうですね。家で作って食べられるし楽しいですよ。あ、それこそ先日姫林檎を頂いたけれど、サンドイッチに入れて、こっちのフルーツサンドイッチのように生クリームで挟んで食べても美味しいですよ」

「あの林檎‥!そっか、作ってみる」



ワクワクした顔でサンドイッチを見て顔を輝かせるけれど、体もちょっと発光してる。‥だ、大丈夫だよね?明るい窓側だし、大丈夫だよね?一応周囲を確認してからまた一口サンドイッチを食べると、エトラさんは私をじっと見て、



「イト、他に何が好き?」

「へ?あ、星ですか?それとも食べ物ですか?」

「それもだけど、他にも好きなものは何かある?」

「え、えーと、お料理も好きですし、あとは何かなぁ‥、本を読むのも好きですね。あ、猫も犬も可愛くて好きです」

「そうなんだ‥、好きなものが沢山だ」

「エトラさんは何が好きなんですか?」

「サンドイッチは、今すっごく好きになりました!髪の毛座も!あと‥、あとは、」



もごもごと赤い顔で照れ臭そうに呟いたけれど、よく聞き取れない。


「えっと、あとは?」

「‥‥いっぱいあり過ぎて、困ってる」

「ふふっ、それなら良かったです。地球で沢山好きなものを見つけて下さいね」

「‥‥うん、ありがとう」


エトラさんはふにゃりと笑うと、また金色の小さなシャボン玉が体からふわりと浮かんで、パチンと弾けた。おお、綺麗だな。



「とりあえず、今度は花火大会ですね」

「そうだ!花火!」

「ただものすごく人が多いので、覚悟して下さいね」

「人が、多いの?」

「すっごく綺麗なので‥。でも楽しいですよ!屋台で美味しい物を買って食べて、あ、かき氷も食べてもらいたい!あとラムネと林檎飴も‥、あ〜〜どれにしよう!」



そんなにいっぺんに食べられないだろうし、厳選するべきかな?

うーんと考え込む私に、エトラさんはそれはもう嬉しそうに目尻を下げ、


「イトに会えて、すごく良かったです」

「っへ?」

「いっぱい楽しいことを考えてくれて、いっぱい想ってくれる。とっても嬉しいです」

「そ、そうですか?」


大変褒めてられて、ちょっと照れ臭い。

だってそうやって素直に喜んでくれるんだもん‥、もっと楽しい気持ちになってくれたら嬉しいなって思っちゃう私って単純なのかな?照れ臭い気持ちになっていると、



「イトと花火、今からすごく楽しみ‥。早く見たい」



と、しみじみと言ってくれて、花火大会を絶対楽しいものにしようと私はそれはもう心に強く!強く!誓った。絶対思い出深いものにするから楽しみにしててね!




おらの村はちっこくて、屋台さなかったのよ。

焼き鳥と焼きそばとかき氷と、ジュースのコーナーのみ!

屋台、憧れですねぇ‥。(まだ行ってない)


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