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宇宙人、ウキウキ。


あっという間に週末である!

エトラさんは宇宙船でなら移動はできるけど、電車は自信がないと言っていたので、本日は駅前で待ち合わせしてからプラネタリウムに行く事にした。



駅前で待っていると、向こうからエトラさんがやってくるのが見えた。

今日は白いスタンドカラーのふんわりとしたシャツと紺色のズボンを履いているだけなのに、周囲にいる人達の注目がすごかった。顔がやっぱり外国の方?って感じの掘りの深さと、薄茶色の髪も相まって目を引くよね。私もつい見入っちゃう。


ピカピカ光るのはあれだけど、素直に喜んで嬉しそうに微笑むから、可愛い‥と思ってしまうけれど、こうして少し離れた場所から見ると、やっぱり格好良いな。しみじみとその格好良さを実感していると、私とぱちっと目が合った瞬間、エトラさんはいつものようにふにゃりと可愛らしく目尻を下げ、



「イト!今日、とても楽しみです!」

「わわっ、エトラさん!光、光!」

「そうでした!お、抑えないと‥」



あっぶな!

金色に発光しそうになって、慌てて抑えてもらった。

これは気を引き締めて楽しんで貰えるようにせねば!‥って、それって楽しいかな?ともかくエトラさんが格好良いせいで女性陣がチラチラと見ているので、急いで移動だ!ひとまず切符の買い方を説明してからハッとした。


「って、そういえばエトラさんお金は‥」

「持ってます!目々さん、換金してくれた!」

「目々さんいつの間に‥」

「キラキラの石、とても高く売れるそうです。でもお金沢山持ってると危ない、少しだけにしなさいって言われた」

「そうですね。その感覚はとても大事です」


換金‥。教授だとその辺のお世話は無理そうだ。目々さんがそばにいてくれて本当に良かった。ともかくカードを買ってチャージさえすれば何処でも大概行けると説明すると、エトラさんは興味深かそうにカードを見つめ、改札を無事通るとちょっと耳がパタパタしてた。み、耳も気を付けて〜〜!



そうしていざ電車に乗れば、周囲の景色を見て目を輝かせ、



「どこも綺麗。ゆっくり動くのも良いですね」

「ゆっくり‥」

「でもせっかく綺麗なのに、皆さんスマホ見てるね?」

「ふふ、まぁ皆にとっては日常ですからね。エトラさんの星‥、ええと住んでいる場所はこういう乗り物はないんですか?」

「うん、行きたい所を思い浮かべたら行ける。星の移動は流石に船がないと無理だけど」

「‥そうだった、宇宙人だった」



それにしてもそんな風に移動できるんだ。通勤で使えたらさぞかし便利だったろうな。


「あ、でもここでは移動しないんですか?」

「ここはちょっと無理。星によって違うから。不便だけど違う星に来たんだと思えるから楽しいです!」

「そうなんですね‥。エトラさんは前向きですね」


不便だけど楽しいって言えるのすごいな。

私の言葉にエトラさんはニコニコと微笑むと、さっき作ったばかりの交通カードを出して、


「工夫するって楽しい!あとカードも嬉しいです!地球に来たなぁって思います」

「それなら良かったです。目一杯地球を楽しんで下さいね」

「はい!イトもいてくれるから嬉しいです」


キラキラと金色の光が出て、慌てて「光、光が!!」と言いつつ周囲を見回した。うん、みんなスマホ見てて良かった!誰も気が付いてない。チラッとエトラさんを見れば、可笑しそうに笑って、



「イトといると楽しくて光が出てしまいます」

「ううっ、嬉しいけれど気を付けて下さいね。あ、プラネタリウムは暗い場所だから光るとすぐバレてしまうので、そこだけは本当〜〜〜に気を付けて下さいね!」

「わかりました!頑張りマス」



と、言っているそばからまた光だすエトラさん。

次回はプラネタリウムではなく、明るい場所にお出かけした方がいいかな?植物園とか、動物園とか?なんて考えてハッとした。


い、いやお友達なんだし、そんなに頻繁に一緒に出かけなくてもいいか?と、考えている私の横で電車の中吊り広告をジッと見つめるエトラさん。


キラキラとした顔で広告を指差し、


「イト!花火‥と、いうのはなんでしょう?」

「ああ、火薬を詰めて空に打ち上げるものです。これは再来週予定だそうです」

「星のようです!綺麗‥、これ見たいです。イト、一緒に見ましょう!」


ワクワクした顔で見つめるエトラさん。

花火かぁ‥、エトラさん嬉しくて光りそうだけど皆花火に夢中になるから大丈夫かな?



「そう、ですね。一緒に見ましょうか」



私がそう頷くと、エトラさんの耳がパッと上がって嬉しそうにパタパタと動き、


「嬉しい!イト、シュ‥あ、えっとありがとう!」

「嬉しいのすごくわかりましたから、み、耳〜〜!!」


キョロキョロと周囲を見回しつつ、咄嗟にエトラさんの耳を両手でバフッと抑えると、エトラさんは一瞬驚いた顔をしたけれど、すぐふにゃりと笑って、



「ふふ、楽しいです」



と、嬉しそうに私の手によって抑えられた耳がピクピクと動いて、本当に動くんだな耳‥と、今更ながら実感した私だった。





エトラさんの耳は、垂れ耳のうさぎが好きで、そのお耳をちょっと

アイデアに拝借しております(^^)

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