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宇宙人、流れ星対策をする。


なるべく光って空を飛ばない‥と、私の話を聞いて反省したらしいエトラさん。そうだねぇ、宇宙人だってバレちゃうと大変だしね。


教授の部屋まで一緒に歩きつつ、横にいる人は空を飛んだり光ったりするのか‥、ついしみじみと「エトラさん、宇宙人なんですね‥」と、言うとエトラさんは目を丸くして、



「イトも宇宙人ですよ?」

「それ、目々さんも言ってました。でも私達も同じ‥なのかなぁ??」



どう考えても純粋で優しいエトラさんと一緒の括りにしちゃいけない気もするし、そもそも私は光らない。エトラさんをチラッと見上げれば、嬉しそうに輝く微笑みを浮かべた。うーん眩しい!やっぱり違う存在だと思う〜!


あっという間に教授の部屋へ着くと、熊のような月教授がのっそりと顔を出した。だけど心なしか元気がない感じがする。エトラさんも首を傾げ、


「教授、元気ないです。どうしました?」

「ああ、いやちょっとうるさい人に絡まれてね‥。まぁエトラが出かけてて丁度良かったよ」


うるさい人‥。

つい目々さんかな?なんて思ってしまった、ごめんなさい。

教授は私とエトラさんを交互に見て、「今日も楽しかった?」と聞くと、エトラさんはパッと顔を輝かせ「はい!」って返事をしてくれた。眩しい‥、あとちょっと照れてしまう。


教授は嬉しそうに笑って、



「僕だとね、星の話しか出来ないからイトさんがいてくれて助かったよ」

「いえ、私は何も‥」

「教授!イトに流れ星に三回お願いごとすると叶うと聞きましたが、本当ですか!?」

「え、エトラさん!?」

「あはは、それか〜。人工衛星とかスペースデブリの可能性もあるから見分けが難しいんだよねぇ」

「そ、そこですか?」



大変教授らしい言葉に思わず突っ込んでしまうけれど、エトラさんはそれはもう顔をキラキラさせて教授を見つめている。宇宙船を作ってしまうくらいなんだからものすごく頭が良いだろうに、こういう話に顔を輝かせる辺り大変可愛らしい。


「えっと、じゃあ私は仕事へ戻りますね」

「ああ、イトさんありがとう」

「イト!あの、ええと、またね?」

「ふふ、はい、また明日」


また明日‥という言葉にエトラさんがパアッと輝いた。

それはもう物理的に。教授が慌てて「光!光!!」って手で顔を覆うようにワタワタと動いていたけれど、すみません!仕事なんで戻ります。



事務室へ戻れば目々さんが既に書類を片手にパソコンを打っていた。


「あれ?目々さん仕事残ってたんですか?」

「ああ、違うの〜。無茶振りする法学部の教授がすぐに申請を通せって言ってきて、そっちをやってて」

「法学部の‥」

「法学部なんだから申請が通るの大変ってわかってるはずだってのに‥、まったく失礼しちゃう」


と、言いつつもパソコンと書類を交互に見ている目々さん。

本当に偉いと思う。



「そういえばプラネタリウムどうなった?」

「途端に目がキラキラしてますね‥」

「だって〜、恋バナ大好きなんだもん!」

「何も隠さないなぁ‥」

「で、どうするの?行くの?」

「‥お友達として、ご案内することになりました」

「え〜〜〜〜、友達なの?」

「突然会ってすぐに恋人になんてならないですよ?」

「そうか〜〜。人間って難しいわねぇ」

「目々さんも人間ですよね?」



この広い銀河の中でいえば確かに宇宙人だけど、それ以前に私達は人間だからね?目々さんは「そういえばそうだった‥」なんていって、またパソコンと睨めっこした。うーん、嵐のような人だ。


私も自分のパソコンの電源を入れて、次の仕事のスケジュールを見ようとスケジュール帳を開いた。プラネタリウムのチケットが挟まっていて‥、流れ星に興味津々だったエトラさんを思い出して、小さく笑ってしまう。


宇宙人なのに流れ星に興味津々って面白いな。


なんて思っていたその夜。

流星群の日でもないのにものすごい数の流れ星が、日本だけでなく世界各国で見られ、それはもう大騒動になった‥。



次の日、お弁当を食べつつその話をエトラさんにしたら、しょんぼりとした顔をして、



「‥ちゃんと正確に流れ星が見えるようにと思って、スペースデブリを処分したんですけど‥、教授にちょっとずつにしないと皆がびっくりすると注意されました」

「え!??あれエトラさんがやったんですか?」

「はい‥。そうしたらちゃんと正確に、イトがお願いできるかなぁって」



宇宙人ってそんな事までできるの?!口をあんぐり開けた。そ、そうか‥。確実にお願いをさせたいという配慮からだったんだね。


「えっと、私の為‥だったんですね。あ、ありがとうございます?」


お礼を言えば、嬉しそうにパアッと顔を輝かせたエトラさん。



「日本上空ではデブリはもう落ちないようにしたので、流れ星にお願いできますよ!人工衛星にだけは気を付けてくださいね」

「な、なるほど〜〜‥」



小さく頷きつつ、星の話は今後慎重にしよう。でないと私も教授もそして地球の皆さんがびっくりしちゃうからね。




私、流れ星だよ!って言ったら星マニアに「スペースデブリかもしれない」

って言われてショックを受けまして‥。でも、良いネタになりましたw

そして日間33位〜〜!めちゃ嬉しい!

いつもいいねを本当にありがとうございます!!

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