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宇宙人とお見合い。


マチアプ上等!な時代に、私は今日お見合いをする。


可愛らしいカフェのガラスに映る自分を見れば、肩まである黒髪が揺れて、その隙間からちょっと不安そうな顔‥。ええ、とっても不安です!!だってまさかお見合いするなんて思ってなかったんだもん!



同じ職場の方から、「いい人いるんだけど会ってみない?」と言われて、私は確かに「結構です」と言ったはずなのに、「先方さんすっごく楽しみにしてるって!明日の一時にいつも行くカフェに来てね」と言われたらどう断ればいいのだ‥。どうしよう、うちのお婆ちゃんと叔母のしいちゃんに心配を掛けたくなくて、ただ出かけてくると言ったけど困った人だったらどうしよう!


グルグルと悪いことばかり頭の中で巡り巡っていると、



「イトちゃーーーん!」

「あ、目々さん!」

「急にごめんねぇ。あ、この方が、お見合いの方よ」



お子さんがいるというのに、可愛らしい顔立ちの目々さんが後ろを振り返れば、薄い茶色の髪が肩上で揺れた長身の男性が照れ臭そうにこちらへやって来るのが見えた。


ゆったりした白いチュニックに同じく白いズボンを履いていて、どこか外国風‥と、いうか顔が優しい感じだけど鼻筋も高ければ、瞳もなんだか青くないか?あれ?もしかしてハーフの方?どこか人懐こそうな柔らかい顔立ちで、とても格好いい。


目が合うとふわりと微笑んでくれたけれど、なんだか輝いて見える‥。

小さく会釈すると、男性の隣に立つ目々さんがニッコニコで、



「エトラ・アルシュカ・シェバリュトさんって言ってね。宇宙からいらして、こちらで色々研究をしてるの」

「なんて???」



思わずもう一回聞き直しちゃったさ。

だって、待って?宇宙?宇宙って言った?目々さん、どうした?

可愛らしい顔をした目々さんをまじまじと見つめると、そんな私を気にする事なく向かいの席にエトラさんと一緒に座って、ニコッと微笑んだ。


「うちの大学の教授が星について研究しているのは知ってるわよね?」

「は、はい、知ってますけど、」

「それでねぇ、ようやく宇宙人とコンタクトを取ることに成功して、この地球で色々学びたいと来てくださったのがエトラさんなのよ」

「え‥‥‥」


俄かには信じ難い。

というか、信じられない。

目々さんは普段、私と一緒に大学の事務員として仕事をしているけれど、いつだって優しく、丁寧だったのに、どこか怪しい宗教に入っていたのか‥?と、ショックと残念な気持ちになっていると、エトラさんは私をチラッと見ると、



「あの、は、初めマシて」



はにかむように微笑んだエトラさんからキラキラと小さな金色の光が身体中から出て、目を丸くした。や、やっぱり光ってる!?


「え、光って‥」

「そうなのよ〜。エトラさん嬉しいと光っちゃうのよね。それで教授が色々な人と接して、少し気持ちを抑える練習をした方が良いって言うんだけど、ほら、そういうの今の時代人を選ばないとうっかり拡散されちゃうじゃない?」

「じゃ、じゃあ、本当に宇宙人‥!?」

「そうよ。あ、でも安心してね!いきなり宇宙に引っ張っていかないし、人体を改造する種族じゃないから!」


‥いや、どっちにしろ怖いかな?

もう一度視線だけ動かしてエトラさんを見ると、


「あの、お名前、教えて貰えますか?」

「ええと、星野イトと言います」

「イト‥。ええと、日本語だと布を縫う時に使うもの、ですネ」


どこかワクワクした顔で私を見つめるエトラさんを見れば、まぁ確かに宇宙人かもしれないけど、悪い人って感じはしない。むしろちょっと騙されそうで心配だ。目々さんはそんな私とエトラさんを交互に見て、



「ウンウン、やっぱりイトさんにエトラさんを紹介して良かった!私の目に間違いはなかった」

「え、でもお付き合いは無理ですよ?」

「ああ、そうよね〜。ひとまずお友達から始めましょ!」

「目々さん聞いて下さい‥」



そもそも人とお付き合いをした事をない私がまさかの宇宙人(?)とお付き合いなんて無理だってば!


「‥お友達、ダメ?」

「え?」


シュンとしたエトラさんが私を見つめ、


「‥仲良く、したい」

「うっ」

「でも、ダメ?」

「ううっ」

「どうしても‥?」

「うううっ」


お婆ちゃんにもしいちゃんにも私は押しに弱いから気をつけろと言われたけれど、こんなあからさまにシュンとする男性に「絶対嫌」って断れない‥。もし本当に宇宙人だったら外交問題どころでない、宇宙問題になるかもしれない‥。私はお気に入りのワンピースをギュッと握って、エトラさんを見上げる。



「‥お、お友達ですよ?」

「友達‥!!」



パァッとエトラさんの体から金色の光が飛び出し、髪の毛がパタパタと犬のように動いて目を丸くした。


「あらあら耳まで動いちゃって〜!良かったわね、エトラさん!」

「み、耳!??」


薄い茶色の髪から確かに垂れ耳の兎のようなものが見えた。

しかも一本じゃなくて、二本ずつある!?

ポカーンとエトラさんを見ると、恥ずかしそうに顔を赤く染め、



「‥耳、動いちゃう。すみません」

「あ、い、いえ、お気になさらず?」



と、なんとか言ったけど、ほ、本当に宇宙人なんだ!??




全36話!

短い夏のお話として書きました〜!

良ければ暑い夏に楽しんで頂ければ嬉しいです(^^)

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