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農家のデブ三男、兄に実家を追い出されて街で冒険者始めたらモテ始めました!?  作者: FURU
3章  白の大樹

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82 一致 団結  ※別視点

※ニーニャ視点から見た防衛陣地視点になります。

(完全なニーニャの一人称視点ではありません。)

─ ニーニャ視点 ─


 魔物の群れから街を守る外壁前の陣地。


ワアアァ…ッ!


 ここでは大量に魔物が流れて来たせいで統率とか連携とかが無い、街を守る戦いと言うよりは個人が生き残るための戦いになっていた。


「ウルフやウリボアには複数人で対処しろ!

 落ち着いて対処すれば何ら脅威にはならんぞ!」


 憲兵隊隊長のバーンが大声で指示を叫んで、ばらばらに魔物と戦う冒険者や憲兵の統率を執ろうとしている。


ザッ!


「ヂューッ!」


「アル、サン、あのウリボアに仕掛けるぞ!」


ダッ!


 剣で歯鼠を斬り捨てた顎ひげの冒険者が、近くでそれぞれ角兎と戦っていたのっぽの男冒険者と顔に傷のある女冒険者に呼び掛ける。


ゴッ!


「キュウッ!」


「応よ!」


ダッ!


ズシャッ!


「任せなぁっ!」


ダダッ!


 棍棒と戦斧でそれぞれ相手していた角兎を倒した二人の冒険者は、先に走り出していた顎ひげの冒険者に続いてウリボアに向かって行く。


「プギイィッ!」


 先行していた顎ひげに突進するウリボア。


「はっ!」


バッ、ザシュッ!


「ピギィイッ!?」


 跳び退きながら脚を斬り付けて避けた顎ひげ。


「とりゃ!」


ゴンッ!


「ブッ…!?」


 痛みで脚を止めたところにのっぽに棍棒で頭を殴られて、完全に動きが止まる。


「そらっ、退きなアル!」


「ちょ…、ま!?」


ゴシャアッ!


 のっぽと入れ替わりで振り下ろされた戦斧が頭を割って、ウリボアは何も出来ずに倒された。


(すごい…!)


 元々同じパーティーだとは思うけど、それを含めて見事な連携だったと思う。

 似たことは私とマリアもやるし、なんなら私とマリアの方がすごい。

 それでも、一人だと角兎を倒すのにも少し時間がかかるのに、三人になった途端に角兎よりも強いウリボアを瞬殺出来たのは驚いた。


(でも本当にすごいのは…)

 

ズンッ!


「ギャンッ!」


「今だ、殺れえぇ~!」


 槍でウルフを地面に縫い留めた冒険者が叫ぶ。


「お…、うおおぉ!」


ザンッ!


 槍の冒険者に応えて、ウルフの首を落としたのは憲兵隊員だった。

 それは防衛陣地のあちこちで始まって、生き残る戦いから魔物を倒す戦いに変わっていく。

 冒険者と憲兵隊の別組織を纏めたのは、憲兵隊隊長のバーン。


「…ほんじゃま、俺は「勇者」パーティーの助けに行きますかね。」


 今や指揮するべき冒険者がバーンの下で纏まったのを見て、ギルマスはオーガに苦戦中の「勇者」パーティーを助けに行ってしまった。


「二足の魔物は前線が抑えてくれている!

 俺達の仕事(四足魔物の掃討)は終わりが見えているぞ!」


「「「「「うおおぉっ!」」」」」


 バーンの鼓舞で一つに纏まった防衛部隊は、更に一体となった動きで魔物を倒していく。

 …もしもバーンが故郷(猫人族の村)の戦士長だったなら、今頃私は…


(ううん、私の“群れ”はご主人とマリアだから。)


 もしも故郷が食糧難にならなくても、私は本当の群れの仲間じゃ無かったから。

 それなら私を困った顔をしながらも受け入れてくれたご主人と、ちょっと…大分間抜けだけど優しいお姉ちゃんみたいなマリアと一緒の今が良い。

 …きっとご主人はもっと女の人を惹き付けるけど、今はまだ子供にしか思われて無くても。

 ご主人はまだ頑なに拒むけど、私はもうご主人しか番にしないと決めたから。


「ガウガウッ!」


 だからこんなことで負けていられ無いから!


「んっ!」


ヒュンッ!


 一番強いマリアに向かって来るウルフに、ご主人に貰った大事な短剣を振る。

 私たちの大事なマリアは、ご主人に頼まれた私が守る。


ズバッ!


「ギャンッ!」


「風よ刃となりて敵を切れ、『(ウィンド)…』」


 いつも通りに私が止めた魔物にトドメを刺すために、魔法を詠唱するマリア。

 でもウルフも馬鹿じゃ無かった。


「ガウッ!」


 私が斬ったウルフの陰から、もう一体のウルフが飛び出して来た。


ギラリ…!


 目一杯開かれたウルフの前肢()に生える鋭い爪が、私を切り裂こうと不気味に光を反射するのが見えた。


「嬢ちゃん危ないっ!」


 私とウルフの間に割り込むバーン。


(ダメッ…!)


 バーンがやられたら、せっかく盛り返した部隊がまたばらばらになってしまう!


バッ、ザザシュッッ!


「ぐぁああぁっ!!」


 上がる悲鳴と飛び散る血。


「『風刃(ウィンドカッター)×2』ッ!」


ザンッザンッ!


 その直後にマリアの魔法が2体のウルフを仕留めた。


「お前何で!?」


 血を流し倒れた憲兵隊員を、混乱したバーンが抱き寄せる。


「何で俺を庇った!?答えろ!」


 ぐったりとして目を閉じた憲兵隊員は、憲兵隊長のバーンの質問に答え無い。


「しっかりしろっ、“ジョン”!」


 私を庇ったバーンを更に庇った憲兵隊員は、門で会う度にご主人に絡んでくる、お調子者の憲兵のジョンだった。


ズズーンッ…


「ゴガァアアァッ…!?」


ズズンッ…


 ほぼ同時に倒される2体のボス魔物。


「「「「「ギャアギャアギャアッ!?」」」」」


 ボスが倒されたことで、まずゴブリンが逃げ出し始めて、それから全ての魔物が森に逃げ帰り始めるまではあっという間だった。

 こうして人為的に引き起こされたスタンピードはそれなりの犠牲を出しながら、それでも街には一切の被害を出さずに収束していった。

アル「嘘だと言ってよ、ジョン…。」

お前ただの一発キャラやろ!


口数少ないキャラの一人称視点書くの難しいです…。

読みにくくてスミマセン。



いつも読んでいただきありがとうございます。


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