表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
農家のデブ三男、兄に実家を追い出されて街で冒険者始めたらモテ始めました!?  作者: FURU
2章  ラスト、パーティーを結成する

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

42/217

40 実績解除:新しい朝だ!

この話は大丈夫!(…な筈。)

コケーッ!


 いつかも聞いたコケトリスの朝鳴き。


「んっ…、スゥスゥ…。」


 傍らには俺の腕を抱き枕にしたマリ姉が未だに夢の中。


(あ~…、どうすっかなぁ…。)


 …昨日の俺は大分おかしくなっていたのだと今なら言える。

 いくらマリ姉(初恋のヒト)に誘惑されたからと言っても、俺が自分から女性(マリ姉)のその…胸を好き勝手にしたというのは、今の俺には自分自身のことでも信じ難い。

 しかしその後の記憶もしっかり…という以上に鮮明に残っている。

 具体的にはマリ姉に主導(リード)されての、俺自前の魔銃の初実射からの連戦。

 始めはぎこちなかった俺とマリ姉だったが、回を追うごとにぎこちなさは無くなり、8年間もの空白を埋めるかのように互いを求め合った。

 しかし体力にも限界は有って、先にマリ姉がダウン。

 これもおかしな点なのだが、マリ姉がダウンした時点で俺の魔銃の発射は片手以上であったと思う。

 だというにも関わらず俺の猛りは治まる気配は無く、俺はダウンしたマリ姉を“使って”更に回を重ねた。

 

(…あの時の俺は体格(みてくれ)だけじゃなく、精力もオーク並みだったな…。)

 

 いくら我慢が限界突破したとはいえ、自分で猛りを処理していた時とは比べ物にならなかった。


「スゥスゥ…んん、ふわぁ…。」


 俺が昨日の俺について考えていると、悪い魔女も目覚めたようだ。


「おはようマリ姉、えっと…身体は大丈夫?」


 どんな扱いをしても問題にならないとしても、無体をしないと言っておきながら無体をしてしまった手前、何となくマリ姉を気遣う言葉をかけた俺。


「あっ、おはようラス君。

 …うん、初めての後は大変って聞いてたけど…意外と平気みたい。」


 横になったまま俺に朝の挨拶を返したマリ姉は、上半身を起こして身体の調子を確かめて、俺に微笑みを向ける。

 トラウマの主な原因となったマリ姉と心身共に繋がったことで、その表情から溢れる俺への好意を素直に受け取れるようになっていた。

 まだトラウマを払拭したとは言えないが、これからは被害妄想に囚われて怯えることは無くなるだろう。


(…トラウマが軽くなるのは良い事の筈なんだがなぁ。)


 ここでも俺を悩ますのが、トラウマという大問題を片した後に出てくる新たな問題だ。

 …と言っても問題になる理由は俺の心情なだけで、端からしてみれば喜ばしいことだ。

 その問題というのが、自分に向けられる好意を素直に受け取れるようになったことで、今の俺の周囲にマリ姉を含めて複数の女性に好意を向けられていることを自覚したことだ。

 一人は言わずもがなニーニャであり、もう一人もあり得なくは無いが意外なリタである。

 特にニーニャに関してはかなり熱烈なアピールを受けており、もう娶ることでしか責任を果たすことは出来ないのだろう。(勿論ニーニャが心変わりしてしまった場合、俺は送りだすしかないのだが…。)(…無いと思うが!)

 だというのにマリ姉というニーニャからしてみればポッと出の女性と、俺が深い関係を持ったということになるわけで…。


(気不味いよなぁ…。)


 トラウマがあったとは言ってもニーニャのアピールを受け流していた俺が、ニーニャを側に起きながらマリ姉と関係を持ったことに“俺が”そう(気不味く)感じてしまうのだ。

 …それも結局、俺の我が儘でしかないような気がしてしまうのだが…。


「…君、…ラス君ったら!」


「うおっ!?…何だマリ姉か。」


 急に耳元で大きな声が聞こえて驚いたが、それがマリ姉だと気付いて気が抜けた。


「「何だ」じゃないでしょ?

 急に静かになったから、具合が悪くなったのか心配したんだよ…!?」


 目を少し吊り上げてマリ姉が、そう言って俺の両頬を摘まんで引っ張る。


いひゃいっへ(痛いって)みゃひへぇ(マリ姉)

 はるひゃっひゃっへ(悪かったって)。」


「……良いよ、今回だけ許してあげる。」


パッ


 マリ姉に頬を引っ張られたまま謝ると、マリ姉は“いつもと同じ”言葉を言ってから俺の頬を放した。


(お~…、(いて)。)


 実際に一緒に居たのは回数にして数回、一年でやっと半日分の時間になるかどうかという時間だったが、その代わりに他の子供が大勢で遊んでいる間中、俺とマリ姉はひたすらにお喋りをしていたのだ。

 話す内容は主に前回の交流会後から約半年間にあったことについてだったが、互いに不遇の身で…特に俺はマリ姉が話す内容に憤ることが多かった。

 後先考えずに年上の男子に挑もうとする俺を、その度にマリ姉がこうして(俺の頬を引っ張って)


『そうやってすぐ暴力を振るおうとするのは、ラス君が怒ってる相手と同じだよ?』


 と諭してきたものだった。


「…ふっ。」


「何で鼻で笑うの…!?」


 幼い頃のことを思い出して自嘲気味に笑うと、マリ姉は俺が怒られたのに笑ったと思ったのか、若干気味が悪そうにしながらも俺に尋ねた。


「いや、懐かしいなって思ってさ。

 あの頃と何も変わっていない…。」


「…変わっていないなんてこと、無いよ。」


 確かに8年も経ち、俺もマリ姉も大人になった。


「んっ…。」


「っ!?」


 そんな雰囲気でもなかったのに、マリ姉からの突然の口付け。


「…ふっ、んぅ…。」


(なんっ、舌が…!?)


 侵入してきたマリ姉に、抵抗も儘ならず口内を蹂躙される俺。


…ッ、…コツ


「あら…何かしらこの水跡?」


(ヤバいっ、誰かが来た!)


「ん-っ!」


「?…はむっ!」


 俺の口内を蹂躙することに夢中のマリ姉に、誰か来たことを伝えようとするも、抵抗する俺を逃がさぬように更に深くへと侵入しようとするマリ姉。


「ラストさ~ん、今朝の調子は…」


「!?ぷはっ…。」


 マリ姉がようやく人が来たことに気付いて唇を離すも遅い。

 病室に入ってきた看護のシスターが見たものは、一糸纏わぬ姿で接吻(キス)をする男女と、色々な汁で汚れて乱れた元は清潔だったシーツだったことだろう。


「…っ、ひ…」


 明らかな事情を理解するに従って、顔を赤くしていくシスター。


(終わった…。)


 俺はこの後に起こるであろう悶着を覚り、ただ単純にそう思った。


「…ひゃああぁーっ!?

 ししし…し、司祭様ぁ~…!」


ドタドタドタ…


 目撃した痴態に悲鳴を上げたシスターは、司祭様を呼びに、俺やマリ姉が何かを話す間も無く踵を返し、慌ただしく俺の病室から出て行ってしまったのであった。



39話が消えても話の繋がりに齟齬が出ないようにするって難しい…。


いつも読んでいただきありがとうございます。


ブックマーク、☆、いいね等、執筆の励みになります。

「面白かった」「続きが気になる」という方は是非、評価の方よろしくお願いします。


感想、レビュー等もお待ちしています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
39話がない!これはとんでもないことだ ノクターンで頼む
楽しく読ませて頂いてます。 一点、気になる点。 #目を少し吊り上げてマリ姉が、そう言って俺の両頬を摘まんで引っ張る。 一応奴隷でも主人を攻撃可能なのか?当人が攻撃だと認識していないムツミゴトであれ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ