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農家のデブ三男、兄に実家を追い出されて街で冒険者始めたらモテ始めました!?  作者: FURU
1章  冒険者ラストの初心者生活

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24 ラスト、死す!

聖夜前に何投稿しとるんだか…。


~お知らせ~

総合評価100pt達成で年始の3日間1日2話投稿します。

是非とも☆5評価で10pt入れて頂けたらと思います。

「うぅ…すみませんでした、ラストさん。

 私ったら、とんだ早とちりを…。」


 頭に大きなコブを作ったリタが、俺に深々と頭を下げ謝罪する。


「いやいや、誤解が解けたなら何よりだ。」


 また一、二週間はギルドで噂されるのだろうが、ここで謝罪以外のことを要求して、今の関係性を壊すような真似はしたくない。

 それに…


「全く、お人好しのラストだったから良かったようなものを…。

 下手したらタンコブ一つで済まないんだぞ?」


 そうリタに言うのは、リタの頭にどデカイたんこぶを作った張本人のギルマスだった。

 

(まったく…よく言う。)


 いかにも「ギルマス自ら部下の非礼を咎めた」と言いたげな光景だが、俺は知っている。

 リタが謝罪のため頭を下げた際、ギルマスが俺に「リタに無体なことを言うつもりじゃねぇだろぅな?」と視線で警告してきたことを。

 一ヶ月ギルマスが自ら率先して世話をした俺が「汚れた格好の少女を連れている」という一点で、即座に疑惑の対象にするあたり、ギルマスの〈ギルドマスター〉という立場に対する真摯さを思い知らされた。(…まぁ、愛娘(リタ)に対する忖度(親バカ)もあるだろうが。)


「ご主人、お腹すいた。」


 この状況となった原因であるニーニャは我関せずで、さっき肉串を2本食べたばかりなのに空腹を訴えてきた。

 相変わらず俺の服の裾を掴んでいるが、視線はギルドの酒場で他の冒険者が注文した料理に釘付けだ。

 しかし“今は”少し空気を読んで欲しかった。


「「………。」」


 解放された元借金奴隷を保護したという説明で納得したギルマスとリタが、ニーニャの「ご主人」という呼び方と「お腹すいた。」という言葉を聞き、再び俺に疑惑の目を向けてくる。


「ニーニャ…さっきオーク肉の串焼き2本食べたのに、もう腹が減ったのか?」


 俺はギルマスとリタに事情を説明するように、いまだに酒場の方を向くニーニャに訊ねた。


「ん、足りない。」


 振り向き端的に答えるニーニャ。


「そうか…もう少し待っててくれないか?

 魔物を討伐した報酬貰ったら、それで飯を食おう、な?」


「ん、わかった。

 …できるだけ早く、ね?」


 俺がニーニャに我慢するように頼むと、ニーニャは素直に頷き、ささやかに急かしてきた。


「というわけで、オーク1体とゴブリン何体かだ。」


 俺は俺とニーニャのやり取りを見てポカンとする(ギルマスと)リタに向き直り、討伐証明部位の入った袋をカウンターに置く。


「…あ、はい。

 えっと…〈オークの尾〉が一つに、〈ゴブリンの右耳〉が1、2…5つですね。

 オーク1体の分が3,000ゴールド、ゴブリン1体が1,000ゴールドなので5つで5,000ゴールド。

 合計の8,000ゴールドから1割の800ゴールドを引いて、7,200ゴールドの報酬になります。」


 呆けていたリタも仕事ができたことで正気となり、テキパキと依頼完了の処理を進めていく。


(7,000ゴールドもあれば足りないってことは無いだろう。)


 ちらりと酒場の方を見ると、丁度分厚いステーキを食べ終えた冒険者が、呼び寄せたウェイターに銀貨を1枚(1,000ゴールド)渡していた。


「あ…ラストさん、今の依頼達成によりEランクに昇格となります。

 おめでとうございます!」


 おお!ようやくの昇級(ランクアップ)だ。

 これで冒険者ギルド登録者から職業:初級冒険者になれたわけだ。


「ま、この一ヶ月ほぼ毎日何らかの依頼を達成してりゃそうなるわな。」


 喜ぶ俺と俺を祝うリタに対し、ギルマスは特に感慨もなさそうだ。

 …まあ、元AランクのギルマスにとってはEランクもFランクも一緒なのだろう。


「ご主人、お祝い?」


 ギルマスはともかく…俺とリタの様子を見て、俺に訊ねるニーニャ。


「ああ、それも良いな。」


「お祝い、食べ物いっぱい!」


 俺が頷くと、とたんに目を輝かせソワソワしだすニーニャ。


「「「おぉっ…!」」」


 頭についている可愛い三角耳もピコピコと忙しなく動き、尻尾はワンピースの裾が若干捲れるくらいピンと立っている。

 

「…って、ニーニャ尻尾!」


 暢気にニーニャを愛でている場合では無かった!

 ニーニャは俺に体の正面を向けている。

 俺はニーニャに振り返り、同時に酒場の様子も見えている。

 つまりニーニャは背を酒場に向けているのだ!


「?」


「ニーニャちゃん、下着が…!」


 慌てる俺に分からないといったように首を傾げるニーニャに、俺と同じく慌てたリタが小声でニーニャに教える。


「むぅ…、下着。」


 幼い外見なだけあり性的な知識は少ないのか、難しい顔をするニーニャ。


「「「あぁ…。」」」


 しかしそれで興奮が落ち着いたのか尻尾が垂れ下がり、結果的にニーニャの聖三角形は護られたらしい。

 というか…わざと食器を落としてニーニャの聖三角形を拝もうとした冒険者、キサマらは有罪(ギルティ)だ(ギルド職員一同の)慈悲は無い。


「下着…。」


 それはそれとして、ニーニャ…下着を連呼するのは止めなさい。

 しかし俺が注意をしようとしたところで、ニーニャがまさかの行動に出た。


「下着…、見たいなら見る?」


ペロン


「っ!?…ぶはぁっ!」


 俺の鼻から紅い噴水が上がり、俺はギルドで気を失ったのだった。





















 因みにニーニャの聖三角形は着用者の幼さに反し、防御の薄い(面積の小さい)攻撃力特化の白の総レース(スケスケ)だった。

これが「無知シチュ」か…!

※1違います。

※2聖夜前であることと聖三角形は無関係です。



いつも読んでいただきありがとうございます。


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