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農家のデブ三男、兄に実家を追い出されて街で冒険者始めたらモテ始めました!?  作者: FURU
4章  迷宮都市と越冬

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179 虫の報せには従うが吉

タイトルの「今日の運勢」感。

Tips は(ネタが)無し。

 オマエ ハ ナニヲ イッテイルンダ ?

 

 それが割り込んで来たギルマスに対し、〈殺戮野犬〉と〈青き血の騎士〉含めヒューバートと戦った一同が思ったことだろう。


「…あ?何だぁ?

 雑魚に伸されたクソザコギルマスが、今更出シャバってんじゃねえぞコラ!」


「「「そうだ、そうだ!」」」


 …まぁ、我慢が利かない奴らは、ああやって即噛み付いて行くのだが。


 ギルマスに噛み付いている〈殺戮野犬〉の奴らには「お前らが言うな!」と口から出かかったが、今それを指摘したところでスカーは横殴りを認めないだろう。

 それどころか、連合・〈殺戮野犬〉・〈青き血の騎士〉の三つ巴での争いに発展しかねない。


「ええい、黙れっ!

 ギルド存続の危機なのが、理解出来んのか!?」


「あん?………、どういうことだ?」


 半ばならず者のスカーといえども足元が揺らぐとなれば躊躇わざるを得ず、一先ずは話を聞く姿勢だ。


「これだから愚民は…。良いか、良く聞け?」


 そう言って頼まれてもいないのにギルマスの代わりに話始めたのは、貴族として教育を受けた〈青き血の騎士〉のリーダーだった。


 彼(未だに名前は知らない)の一々聞き手の神経を逆撫でする説明を、要点だけ纏めると次のようになった。

 

・「〈楔の絆〉壊滅事件」発生

・事態の発表を教会に先じられ、信用の失墜

・冒険者の二分化、ギルドの意義が疑問視される

・ギルド招聘パーティーによる傷害事件

・今回の件


・ギルド責任の不祥事が連続で発生しており、何らかの功績で挽回しなければならない。


 最初の件は仕方の無いことだとしても、それでもざっと挙げただけでも4もの不祥事。

 関連する細かい問題も含めると、確かにギルドが役割を果たせていないと思われて当然だ。


 ヒューバートが原因となった〈悪魔〉を使役したことで、ヒューバート協力の下〈悪魔〉の詳細な記録を録ることでの貢献を画策するも当人が暴走。

 しかしこれに関しても「当人死亡」で「詳細不明」と報告しても、今までが今までなのでスケープゴートを疑われてしまう…ということらしい。


「………ん?

 じゃあ何でお前もコイツ(ヒューバート)を殺ろうとしてんだよ!」


 〈青き血の騎士〉(以後青騎士とする)リーダーの説明の齟齬にツッコミを入れるスカー。

 しかし青騎士リーダーは「我が意を得たり」とキメ顔で答える。


(何でこっち見んだよ!?)


「ボソッ(うへぇ…、気持ち悪い目。)」


ボワッ…!

「………。」(さすさす)


 心底嫌そうな顔をするマリ姉と、逆立った毛を夢中で撫で整えるニーニャ。


 …成る程、ウチ(〈白の大樹〉)の女性陣へのアピールか。

 確かに皆は、そこらの女より飛び抜けた美人ばかりだ。


(クソ騎士がっ…!)


 だが残念、マリ姉とニーニャの反応を見る限り貴様にチャンスは無い。

 ガワがイケメンでも、中身のゲスさが滲み出ているってよ!


「コソッ(アデリナは平気か?)」


「コソッ(はい、…慣れていますから。)」


「…ああ、うん…。」


 ふと、平気そうなアデリナに聞いてみたら、なんとも反応に困る返答が返ってきた。

 俺は、アデリナとの初対面時のことを深く反省した。


 …んで、クソ騎士の回答。


「冒険者が魔物を討伐するのは当然のこと。

 従って、奴めのことを冒険者である我が討伐しようがギルドの失点にはならん。

 逆に、貴族である我が冒険者として功績を上げれば、我に功績を上げさせたギルドの評価は上がるであろう?」


 ………成る程、良く分からん。


「「「「「………。」」」」」


 ほら、ギルマスを始めとした皆も、眉間に皺を寄せている。

 つまり、青騎士リーダーは貴族(笑)ということでOK?


「はぁ…、兎に角。

 そういうことで、ヒューバートからは少しでも情報を絞らねばならぬのだ。

 …魔王復活の予言もあることだ、無関係では無かろう。」


 そう言ったギルマスは、今のやり取りで一気に十何歳も老け込んだように思えた。

 

「チッ、しゃーねーな!

 …だがよぅ、報酬にはイロ付けて貰うぜ?」


「…ああ。

 この件が終わったら、ヒューバートと戦ったパーティーのランクを一律1段階ランクアップ、それと1人につき金貨100枚を支払おう。」


(1人につき金貨100枚とはまた、…破格だな。)

 

 ギルマスが人数を把握していない故かとは思うが、スタンピードでの功労者並みと考えれば妥当か?

 …後で金貨3千枚もの出費に、ギルマスが驚いて引っくり返らないことを祈っておこう。


(あ、八光流一行数えんの忘れてた。)


 …まぁ、増えても金貨数百枚だ。

 金貨3千枚からしたら誤差だ、誤差。


「あー…それで、なんだが…。」


 そう罰が悪そうな様子で、ギルマスが俺たち…正確に言えばアデリナに言う。


「ヒューバートを死なん程度に回復させて欲しい。」


 しれっと頼んでいるが、それはまた難しい依頼だ。


 ヒューバートは今にも息絶えそうで、『回復』程度では効果が無いに等しい。

 かといって回復させ過ぎても、VSヒューバート第2戦だ。


「そこまでする必要あるか?」


 とのビルダーさんの疑問を、本当か振りか…ギルマスには聞こえなかったようだ。

 因みに聞こえた俺としては、ビルダーさんの意見に大いに賛成だ。


「───────…」


 しかしアデリナの詠唱を、勝手に止めるにはいかず。


「─────、『大回復(ハイヒール)』」

パアァ…!


 スキルが発動し、神聖な癒しの光がヒューバートを包み─


「グワァアアアアッ…!!」


 ヒューバートの身体から、苦悶の叫びを上げ〈悪魔〉が滲み出てきたのであった。

ギルマス、こうなること知ってたん?



いつも読んでいただきありがとうございます。


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