101 帰りにも一騒ぎ?
ちょっと無理矢理だけど本章ラスト!
(昼にキャラ紹介上げます)
チャリーン
「またのお越しをお待ちしております。」
3,000ゴールドを払い、受付に見送られて高級宿を後にする。
「…すみませんラストさん。」
俺に背負われたリタが、宿から少し歩いたところで謝ってきた。
「それを言うなら俺の方こそ。」
ナンパ男たちに絡まれて腰を抜かしてしまったリタを休ませるために入った高級宿だったが、今はそれとは別の事情でリタは歩けなくなってしまっている。
リタの謝罪の理由は主にそのことについてなのだろうが、今リタが歩けなくなっている理由には俺が多大に関係している。
…というよりはリタを歩けなくした張本人が俺であり、リタが求めてきたとはいえ鐘4つぶっ通しはやり過ぎだった。
リタが気絶したことで強制終了とはなったが、事前の「経験者の余裕を」などという考えはどこに行ったのかと、自分で自分に呆れてしまう。
「あっ…!?」
ビクッ!
そんな風に独り反省会を開催していると、リタが妙に艶のある声を漏らして身体を跳ねさせる。
「どうした…?」
宿に忘れ物でもしたのかと俺は何気無くリタに理由を訊ねたが、リタの返答を聞いて盛大に後悔する。
「えっ、あの…。」
俺の質問に何故か身体をもじもじと動かし、返答を迷うリタ。
スッ
迷った後リタは俺の耳に口を寄せ、そして周りに聞こえないよう小声で言う。
「その…ラストさんの、垂れてきて…。」
「ブフッ!?」
リタの言葉に吹き出す俺。
確かにリタの求めで何回も出したが、宿を出る前にもう一度身を清めた筈だ。
特にそれに関しては、ホースから出る湯を直接当てて洗い流したと思っていたのだが…。
「わっ、大丈夫ですか!?」
吹き出した俺を心配するリタだが、リタは自滅した俺より自分の状況を気にして欲しい。
というのも現在のリタは俺に背負われているわけで、スカートでその…脚がな?
「すまんリタ、ちょっとあそこに下ろすぞ。」
とにかく色々と危ない状態になってしまっているため、行き先に見えたベンチに一旦リタを下ろして対処方法を考えることにした。
(よいしょ…と。)
背負ったリタを、直接ベンチに座らせるようにゆっくりと腰を落とす。
トサッ…
「ラストさん、ありがとうございます。」
無事にリタがベンチに着いたようで背中にかかる重さが消え、リタが首にまわしていた腕を解くのに合わせて、俺も背負うリタを支えるために抱えていた脚を離す。
…さて、とりあえずこれで緊急避難は完了した。
しかし問題は解決したわけではなく、俺はリタの痴態を衆目に晒すことなく家に送り届ける方法を考える。
(う~ん…、ん?)
座るリタを何気無く見下ろして違和感を得る。
「んん…?」
しかしその違和感の原因が分からずに首を傾げる。
(上着か何かがあれば隠せたんだが…。)
垂れ落ち無いように抑えられたら良いのだが手で抑えるのは明から様過ぎだし、かといって塞ぐというのも何で塞ぐという話になる。
残った手段は隠すことなのだが、多少涼しくなってきたとはいえ俺には上着を着るには時期がまだ早かった。
「あの…、ラストさん…。」
「あ、悪い。」
何かを言いたげなリタに呼ばれ、俺はリタを凝視していたことに気が付く。
モジ…
そしてリタが俺の視線に耐え兼ねて身動ぎをしたことで、俺が感じた違和感の原因にも気付いた。
(スカートの丈が短いのか…!?)
ベンチに座るリタだが、綺麗に揃えられた脚は膝より下が日の下に曝され、リタの素肌の白さが強調されているようだった。
そういえば、背中に当たるリタのたわわの感触に意識が向いていたが、リタの脚を抱えていた手に妙に頻繁に素肌が当たっていたような気がしてきた。
(街ではこういうのが流行っているのか?)
俺が見なかっただけかも知れないが、村の女性たちはスカートを膝が出るほど短くは履いていなかった筈だ。
もちろん俺としては、リタのような美人が脚を露出してくれるのは目の保養に良い。
しかしリタの場合、目の保養で収まり切らなかった連中に絡まれてしまったので、出来ればリタにはあまり脚を出して往来を歩いては欲しくない。
…話は逸れたが、とにかく上着が無くともスカートを捲き込むように脚を抱えて背負えば、万が一垂れ落ちても外からは見えはしないだろう。
内側はまぁ…汚れてしまうかも知れないが、性的な事情を公開するよりはマシだと目を瞑って欲しい。
ということでリタに協力して貰うように言わなければ。
「なあリタ、スカートを下ろしてくれないか?」
「えっ、こここ…此処でですか!?」
(ん?…あっ!?)
顔を真っ赤にさせて慌てるリタに、俺は言葉のチョイスに盛大にミスったことに気付く。
「いやリタ、…違うんだ!
いや違くはない、けどそういう意味じゃ…!」
リタの慌て様から推測するに、今のリタの中での俺は、往来でスカートを脱ぐことを唐突に要求してくる変態になっていることだろう。
せっかくリタとも恋仲になったばかりだというのに、そんな風に誤解されるのは勘弁願う。
俺は体型がオークであることは認めるが、中身はケダモノではないのだ!
…決して!!
…………………。
…………。
…。
リタに俺の考えを一から十まで詳しく説明したことで、リタに変態認定され嫌われるという事態は避けられた。
そして若干気まずい雰囲気ではあったが、無事(?)リタを自宅まで送り届けることができたのであった。
…別の醜態を晒したような気がしなくもないが、まぁ…気にしたら負けである。
リタを自宅に送り届けて帰宅後、マリ姉に予定以上に時間がかかったことを疑問に持たれ、通りかかったニーニャによりリタとの情事がバレたりもしたが、既に三人の間で合意済みであったことに密かに胸を撫で下ろしたことも付け加えておくとしよう。
女子が制服のスカートを折るあれと似たような流行ですねw
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