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Ep.54 オープニングセール その17

●前回のあらすじ:

お店はついにオープンにこぎつけ、女社長の挨拶で営業を開始した。


●主な登場人物:

・武器屋の店主: 気弱な武器屋の店主。一度は店を潰すが、地味な女社長の投資で再オープンさせることに

・地味な女社長: 前作主要キャラの一人ターニャ・レニ・ヴェンツェル«Tanja Leni Wenzel»。田舎育ちで地味な服装だが男爵号を持つ貴族

・武器屋の元女房: 店主とは離婚したが、地味な女社長の取り計らいで再び店主と暮らすことに

・営業マン風の男: 地味な女社長の部下。武器屋と本社を繋ぐパイプ役

・ギルド受付嬢の姐さん: 元妻に隠れて店主と両想い?

●その他の人物:

・刀のお嬢様: 女社長ターニャと同様に前作の主要キャラの一人。公爵令嬢ユア・スワーネリ・アルンスタ・ガコエワ«Jua Svanhild Arnstad Gakoeva»。先王から聖勇者の称号を授かった冒険者。武器は東国刀で二刀流。現在は行方不明になっていることがターニャから言及されている。(前作では「ゆあ・スヴァンヒルド」と表記)

・高貴な女聖職者: ですわ口調で、相当なお嬢様と思われる高貴な聖職者。インヴィリ«Yngvild»と名乗った。


本作でターニャが店主に武器屋再開を持ちかけたのが、前作の魔導車レースの数ヶ月後という時系列になっています。

 武器屋が再オープンされると、ギルドの事務長と受付嬢の姉さんがやってきた。二人は、つい先週、冒険者ギルドに登録したばかりの新人冒険者たち数名を引き連れてくれたのだった。

 その姿を見つけた店主は、事務長のもとに駆け寄った。


「事務長さん!まさか、冒険者さんたちを連れて来て下さったんですか。オープンにしては恥かしい状況ですけど、ありがとうございます!」


 オープン当日の今朝、暴漢に破壊された店内は大工作業に忙しく、軒先に置かれた陳列台に商品を並べての仮設営業になってしまった。店主は午前中に、こんな状況でのオープンをギルド側に伝えていた。


「状況は報告で聞いたよ。それでも店を開くって言うんだから、こっちも協力させてもらわないとって思ってね。さあ、君たち、ここが新しい武器屋だ!まあ……建物のほうは、ちょっと酷いことになってるけどな!」


 冒険者たちが軒先で商品を選び始めると、姐さんは持っていた花束を店主に渡した。事務長が言うには、ギルドからの祝いの花束だそうだ。店主は礼を言うと、事務長を社長に紹介すべく引き連れた。

 一人になった受付嬢の姐さんは、いつもの太ももまでスリットの入った薄手のロングスカートから白い脚をチラつかせながら、軒先に立つ店主の元妻へと近づいて行った。


「こんにちは。私、ギルドで受付をやってます。店長さんには危ないところを守ってもらって……」


 姐さんの自己紹介を聞くと、元妻の目つきが鋭く変わった。


「あんたが例の受付嬢かい。よく顔を出せたね。あんたのせいで、うちの亭主は二度も重症を追ったんだよ。今日だって、例のおかしな冒険者に殴られて大変だったんだ。おまけに店まで……」


 元妻の目線が、姉さんの薄手のスカートが描く腰の線と、スリットにチラつく脚をチェックした。そして、谷間の見え隠れする胸元を経て、長い髪に飾られ、さり気ない化粧でキメた小顔を睨んだ。


「そんなハレンチで男タラシな格好をしてるから、変な男が寄り付くんだよ。ちょっとカワイイからって勘違いしてるんじゃないよ!」


 元妻の攻撃的態度に、姐さんはピキンときて、静かな口調で反撃を開始した。


「あら?ご亭主って言うのは、きちんと結婚されてる場合のことなのよ?ねえ、『元』奥様?」

最後までお読みいただきありがとうございます。

もしよろしければ、↓から★★★★★をいただけるとよろこびます。

次回もご期待ください。

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