Ep.5 武闘家と商談
「こ、こんにちわ、すみませ〜ん」
「へいらっしゃい、ん、あれ?お兄さん、武闘家?」
「あ、ははは、そうなんです。武闘家なんですけど、もし装備できそうなのがあったらほしいなあって」
「へへへ。そうかい。でも恥ずかしがるこたあないよ。武闘家用の武器だってちゃんとあるんだからさ」
「そ、そうなんですか?」
「で?なんで武器を探そうと思ったの?」
「それがですねぇ、今度行くダンジョンに、鎧の亡霊とか刃物を使うモンスターがいっぱい出るんですよ。やっぱり間合いとか切傷とか色々考えちゃうんですよ」
「あ〜。なるほどねえ。じゃあ防御にも使えるやつの方がいいよね」
「え?そんな都合のいい武器あるんですか?」
「へへへっ。あるよ。ちょっと待ってな」
「はい!お願いします!」
店主は一旦奥に入り、ゴソゴソして戻ってきた。
「これ。東の方の武器でトンファーってんだけど。こうやって持てばさ、腕にそって棒があるから、ほら、こうやって防御できるじゃない?」
「ええっ!?おぉぉ」
「で、こうやって棒みたいに持って打ち付けたり、こっちを持てば殴るモーションで攻撃もできたり……」
「すげえ。店長さんすごい!ちょっと僕にもやらせてください!」
「ああいいよ。へへへ、まあ、俺がすげえわけじゃねんだけどさ」
ぶんぶんぶん。武闘家は楽しそうに試用している。
「どうこれ?500Gなんだけど、今なら480Gに負けとくけど?」
「買います、買います!はいこれ、お代です」
「おっ、気前がいいね。まいどあり。じゃあ気をつけてな。戻ってきたら感想でも聞かせてよ」
「はい、ありがとうございます。それじゃまた」
「あいよ、まいどあり」