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Ep.20 冒険者ギルドの受付嬢 その1

●前回までのあらすじ:

店をつぶし女房にまで逃げられた武器屋の店主。

酒場でバイトを始めて一年が過ぎた頃、客の若くて地味な女経営者の投資で武器屋を再開することになった。

そこに偶然元妻が現れ、抱いている赤子が店主の子供だと言う。

地味な女社長は、二倍の給与増額を条件に元妻と子供の面倒を見るよう店主に迫った。

店主はそれを受け入れ、仕入れの準備に取り掛かった。

今度は冒険者ギルドに広告の掲出と挨拶に行く。


●主な登場人物:

・武器屋の店主: 裏通りで武器屋をやっていた店主。経営に失敗し、女房にも逃げられてしまった。地味な女社長の出資で武器屋を再開することになった

・地味な女社長: いつも田舎くさい地味な服装の若い女経営者。どのような会社を経営しているかは明らかでない

・武器屋の元女房: 店主とは離婚したが、地味な女社長の取り計らいで再び店主と暮らすことになった

・営業マン風の男: 地味な女社長の部下。武器屋と本社を繋ぐパイプ役

 結局ハンバーグが一体何のことなのか判らないまま、店主と営業マン風の男は冒険者ギルドへと訪れた。


 「いらっしゃい」


 姐さん風の受付嬢が何かの事務作業の手を止め、横目でこちらを見てすぐ作業を再開しようとしたが、あからさまに冒険者でない者が訪問してきたことに違和感を持ったのか、あれ?という表情で二度見してきた。

 営業マン風の男は事務的な笑顔をして一礼すると、営業用の甘い響きの声と丁寧な口調で挨拶を始めた。


「こんにちわ。お世話になります。先日事務長さんにご挨拶に伺った西区裏通りの武器屋です。店長が決まったのでご挨拶と、掲出させていただく広告が刷り上がったので伺いました」


 受付嬢は話を思い出したのか、無愛想だったカーリーな長い髪にキツネ目のクールビューティに表情がついた。 


「あ!武器屋さんね。その人が店長さん?事務長いるわよ。どうぞ」一瞬、店主は彼女の薄笑みに心を奪われた。


 二人は受付嬢に先導されてバックヤードへと続く廊下に進んだ。彼女の後になびく女の香りに店主の脳が刺激されると、たまらずその肉躯に目線を這わせた。長い髪と膝の上までスリットの入った黒いロングスカートが揺れ、時折白いふとももがチラリと窺う。ヒールの高いサンダルで持ち上がった丸いお尻が、引き締まったウエストを軸に左右へと小気味よくスウィングしてぷるんぷるんとはずむ。店主の目は見開き、左右に揺れるお尻を目線でなぞりながら彼女に追従する。

 お尻が止まった。彼女は壁にあるドアを軽くノックしてドア越しに声をかけた。


「事務長、西区の武器屋さんです」


「どうぞ」中から男の声がした。


 受付嬢は男の声を聞くと、店主たちに目線を合わせて扉に向けて手のひらを差し出した。すると「私はこれで」という表情で戻って行った。店主は彼女の胸にある鞠のような二つの膨らみに目をこらし、すれ違いざまに流れた芳しい香りに目を閉じて堪能した。そして数秒して目を開け、遠ざかるお尻を見つめ続けた。「なんて美しい人なんだ……」店主がそう思いながら呆然としていると、営業マン風の男が言った。


「入りますよ」同時にドアノブが回る音がして「失礼します」と言った。


 営業マン風の男に従って中に入ると、そこまで大きくはない個室の執務室で、すぐ正面には五十代くらいの男がデスクに座っている。清潔感のある短髪が整髪料で逆立ち、面長な顔立ちで目はりりしく眼光が鋭い。だが表情は柔らかく柔和な印象もある。雰囲気から言って、おそらく若い時は冒険者で慣らしていたのだろう。

 ドアの近くで立ち止まると、営業マン風の男は挨拶を始めた。


「こんにちは。お世話になります。先日お話しした広告の件で参りました、あと、新しい店長が決まりましたのでご挨拶をと」


「どうもお世話さま。その人が店長さん?私、冒険者ギルドの事務長をやっています。どうぞよろしく」


 店主は挨拶をしながら、これまでも同じ場所で武器屋やっていて、販売やメンテナンスの実務経験や専門知識があることを大まかに説明した。事務長はこれを興味深そうに聞いていた。


「あれ?西区の裏通りの武器屋さんって、もしかして道具屋の向かいの?ああ、元々あそこの店長さんだったんだ。マニアックな武器を売ってるって、ギルメンから話を聞いたことがあったかもなあ」


 三人は打ち解けてきて、談笑しながら広告チラシのチェックを始めた。チラシは特段の問題もなく、事務長に最終的な掲出の許可を得た。


「そうだ。今、初心冒険者のガイダンスをやってるんですよ。もうすぐ昼休憩が終わりますから、よかったら初心者連中の前で武器の購入やメンテナンスについて喋っていきませんか?お店の名前も出していいですよ?」


「え……!?」店主は「急に人前で喋るのか」と緊張が走った。


 しかし、営業マン風の男は間髪入れずに言葉を返した。


「いいですね!やらせていただきます。店長さん、プロの商品説明をお願いしますよ!」


 彼は揚々とした表情で店主を振り見た。


「そ、そんな!」

最後までお読みいただきありがとうございます。

もしよろしければ、↓から★★★★★をいただけるとよろこびます。

次回もご期待ください。

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