1/28
第一話
私は武器屋の店主。
鍛冶屋や武器工房から仕入れた武器を販売する仕事だ。
工房やアトリエが一緒になっている武器屋もあるが、うちは販売しかやってないんで。
「こんちわー」
客が来た。
「らっしゃい」
「すんません、銅の剣ください」
「1500Gになります」
「あ、やっぱ青銅のほうがいいですかね」
「銅の剣は青銅ですよ。普通の銅なんて柔らかくて武器にならないでしょ。宝剣とかで赤銅色が欲しいとか、加飾的な意味合いでしか使わないんじゃない?」
「あ、そうなんすね。じゃあ銅の剣でいいっす」
「あいよ」
「あざした」
「まいどありー」
うちはだいたい仕入れの3掛けとか4掛けで売ってる。
モンスターが出なくなって平和になると、5掛けとか6掛けじゃないときついね。