踊るかつお節の悲哀
あちちちっ。
あちっ。
あつくて火傷しちまうよ。
はたからみれば、楽しそう。
でも実際は、地獄の場所さ。
熱せられたお好み焼き。
その上なんて、楽しくない。
なにも一切楽しくない。
あちちちちっ。
あちちっ。
誰かこの踊りをとめてくれよ。
楽しくないのに、なんで踊らなくちゃならないんだ。
楽しそうだね、なんて顔で覗き込まないでくれよ。
俺達にとっては苦痛なのさ。
こんなひどい思いをするくらいなら、早くたべて俺達を楽にしておくれよ。
踊るかつお節は、見世物じゃないのさ。
見世物にしているわけじゃないのさ。
ただ苦しくて、辛い思いをしているだけなのさ。
どうかその目にうつした光景通りだと、錯覚しないでおくれよ。
楽しそうな踊りを踊っている連中が楽しい、なんて決めつけないでくれよ。
あちちちちっ。
あちちっ。