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「龍之鳥池の雄叫び」④

 人間が逃げ去った後、龍之鳥池には例の黄金鳥の姿はなかった。水中に巨影もない。

 花火大会も終わり、何事もなかったようにただ静謐が広がる。


 その静けさを破って野生動物たちがわらわらと現れる。動物たちは池の周りに集まって身を寄せ合う。

 それから数日後、その地域一帯を豪雨が襲い、川が氾濫して山でも土砂崩れが起きた。龍之鳥池と神社周辺には被害がなく、そこに集っていた野生動物たちは無事であった。

 


 空に、黄金鳥が飛んでいた。

 


――黄金鳥は水中では龍、地上では黄金の鳥に変化(へんげ)する龍。鳥の姿の時

  は酷い声で啼くが、それは災いの前兆を知らせる声なのさ。

――災いを呼ぶ声とも言うようだね。けれど、それは人間の視点だ。黄金鳥は土地

  とそこの命を守っているだけさ。寂しがり屋で、周りから命が無くなるのが嫌

  だから危険を知らせている。貪欲なのさ。

――人間の世界でいう、緊急アラートみたいなもの。

――ほら、アレは人間が不安に感じる音なんだろう? それと同じさ。やかましく

  騒ぐんだ。

――危ないぞ、危ないぞ、危ないぞ。てね。


ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます。これにて『黄金鳥』の物語は終了です。

恐ろしい声ゆえに人間が恐れて近付かない。災害の原因とさえ思われた黄金鳥。

『黄金鳥』を選んだのは、資料を読んだ作者が「ほぼ鳥やん」と思って印象が強かったためです。地上にいる間は鳥って、それは龍なのだろうか。


四人のその後はドラゴンとは関係がないので本編には登場しません。気になる人に向けて、ここで少しだけ触れておきます。興味のない方は飛ばしてください。


※「その後」の補足

・女子チーム……距離が離れていたので声の影響をあまり受けずに済んだ。マサミは撮影できなかったことを後悔している。キョウコは黄色い叫ぶ鳥の玩具が嫌いになった。

・男子チーム……距離が近かったので声の影響をもろに受けた。黄金鳥の絶叫が頭にこびりついてノイローゼになった。一番近かったヤガミは正気を失くして不眠症になりました。

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