教会
「お願い。私を殺して。お願い。私を殺して。お願い・・・・」
「ルーベル大司教、こちらが例の神像です」
「なるほど。これが噂の神がもたらした奇跡、ロザリア神像か」
「はい。突如として世界に現れたステータス。彼女が現れるまでは鑑定のスキルも存在せず、強さを図る基準も曖昧でした。しかし彼女が持っていたニュークリアススキル、ステータス表記と言う世界に影響を与えるスキルがこの世界に革命を起こしました。我々の使命は彼女を守り、後世にこのスキルを残す事。そしてステータスにより皆を導く事です」
「やはり本当の伝承を聞くと考え深いものがあるな。して、ずっと聞こえているこの声が彼女の声なのか?今も生きているのか?」
「はい。彼女には永遠の命を繋ぐ為、石化の魔法をかけ続けています。何千年にも渡り世界に影響を与え続ける力。ニュークリアススキル。我々教会の影響力の源です。では、神像に触れてください」
「分かった」
神像に触れると淡い光に包まれた。
「これでスキルが手に入ったのだな。」
「はい。これで鑑定とステータス覚醒のスキルが手に入ったはずです」
「そうか。これで私も成人の儀のスキル授与が可能になった訳か。これから忙しくなるな」
「そうですね。ステータス覚醒のスキルで祝福する事で眠っているスキルを呼び起こす事が出来るようになります。これは教会の力そのものです。くれぐれも秘密を明かさないようにお気をつけ下さい。ルーベル大司教」
「分かっている」
私は足早にその場を後にした。あの場に居たら気が狂いそうだったからだ。
「私を殺してか。その願いは叶う事は無いだろう」