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かんつり!  作者: 今澤 麦芽
ルアーを作ろう!
5/15

リールと竿とポイントと

ようやくメーカーとか出ますが、流してください。

 綾香と電車で別れた二人は駅を出て、五分ほどのビルへと入る。ビルの五、六階が目当ての釣具屋である。品揃えは街内一、ただ、惜しむらくは駅近の為に駐車場がないが、それは高校生の二人には関係の無いことだった。


「霞ちゃんは何階から行くの?」

「ん、五階の方からでいいよ~わたしも行かないとだし」

「わかった」

 エレベーターへ乗り込み、五階のボタンを押し何故か喋りづらい密室で、階表示を目で追う。

 僅かな揺れと、小気味良いベルの音が鳴り扉が開く。

 釣り餌など無いので無臭のはずだが、なぜか二人は『あぁ、釣具屋の匂いだ』などと感じる。


「新製品!こっちのケースかな?」

 縁は松葉杖を、器用にさばき目当ての新製品を探す。

「縁ちゃんはダ○ワ派?シ○ノ派?」

「遠心ブレーキ派!なので一択しかない」

 縁が見ているのはベイトリールだった。補足としては、ベイトリールにはスプールブレーキが大まかに二種ある。マグネットと遠心の二種。

 扱い安いと言われるのは主にマグネットだが、しっかりと調整された遠心ブレーキのベイトはキャストフィール、飛距離共にマグネットを凌駕するとも言われるが、それは釣り人の腕が左右する。

 ベイトリールには弱点がある。横風に弱く、少しでも下手なキャスト、サミングをすれば漏れなくバックラッシュが付いてくる。それをさせないのが楽しい、難しいのが面白い。というのが、ベイト使いの性であり、業とも言える。


 それらを効率的に制御しやすくしたのがマグネットブレーキタイプである。もちろん、多少は簡易になるものの、セッティングは遠心よりも面倒で出しづらく、微調整が釣り場で出来ないので縁は候補から外していた。


「店員さん、呼んできたよぉ」

「おおっ、霞ちゃんぐっじょっ!」

 縁は店員さんに、ガラスケースを開けてもらい手に取る。中堅機種とはいえ、価格は諭吉四人は飛ぶリールにも関わらず迷わず回したり、クラッチを切ったりして、フィールを確かめる。

「前よりしっかりしてる感じ……でもハンドルの長さはちょっと長い……片足で踏ん張りながらだと安定した巻き上げは…………うーん、やっぱり今使ってるカル○ン50には勝てないか……どのみちフィネスには向いてないし……」

「どう?」

 どこかへ行っていた霞が戻ってきて声を掛ける。

「うん、とりあえず保留。バス用として買うかも悩むとこ。この足だと、ボート位しか出来ないしね」

「あぁ~バスはキツいよねぇ。ほとんど藪漕ぎとか要るし」

「うん。で、霞ちゃんはどこ行ってたの?」

「来週の新歓エリパ用のロッドとリール買ってた」

「え?持ってるんじゃ……」

「綾香ちゃんのレンタル用だよ」

「あぁ、で、なに買ったの?てか、現物は?」

「今は糸巻きお願い中、このあとスプーンとかも見たいし、邪魔になるしね」

「でも、わざわざ新品買わなくても……綾香ちゃん初心者だよ?」

「それには訳があるの」

「どんな?」

「ポイントの有効期限今月末までだったの!」

「え?何ポイントあったのさ?」

「教えない♪」

 霞のご機嫌な様子を不思議に思いながら、縁は『まぁ、初心者用だし、数千ポイント位で揃えたのだろう』と安易に考えていた。


 そして、六階へと上がり驚愕に眼を剥くこととなる。

 ベイトにおける定義などはまぁ色々あるので、簡単な説明と言うことで流してください。

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