表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
かんつり!  作者: 今澤 麦芽
ルアーを作ろう!
4/15

釣具屋へいこう!

 一話辺りの文章量を増やすか……この程度で納めるか……色々試していきます。

 翌日、綾香は授業が終わると縁と共に教室を出て、校門で霞を待つべく階段を下りる。縁は今日も松葉杖を使い、顔色一つ変えずリュックを背負い階段を上手く降りていく。

 入学当初、声をどう掛けるか悩んだ綾香は結局部室で、その後再開するまで話しかけられなかったのを思い出す。自己紹介で、左足が動かない事を知っただけに、何か出来ないものか?と思案をしたが、当の本人は「普通のこと」として、特別扱いを望まない事が翌日の体育の授業でわかった。


 なにせ、気を使う体育の先生に対し「特別扱いしないでください。普通に走れますし」そう言った彼女は眩しかった。そのあと五十メートル走、百メートル走で見事に綾香を置き去りにして周りの全員から驚かれていた。


 決して、縁が速いからだけでなく、綾香もまた遅かったからなのだが。


 そんなこともあり、クラスメイトは縁に気を使うことを考えなくなった。もちろん、手助けをしない訳ではない。どう考えてもやりにくい事を手伝う程度に納めている。

「縁ちゃんと、先輩は今日釣具屋に行くんだよね?」

「うん、綾香ちゃんはバイトでしょ?」

「そうだけど……」

 下駄箱で靴を履き替え、校舎を出ると、すぐに汗ばむような陽気と、陽射しで目を細め、校門へと歩きだす。

「なら、バイトしてた方が良いよ。もし、本格的にハマると凄いお金掛かるし」

「え?釣りってそんなにお金掛かるの?」

「ピンキリだよ。ピンキリ。まぁ、その落差が凄いけど」

「ちなみに下はどのくらい?」

「一万円あれば全部揃うよ、竿とリールだけなら合わせても三千円から五千円程度だし」

「うっ!それでも高い…………」

「あ、そうか。未経験者の普通の感覚を忘れてた……」

「ちなみに、縁ちゃんの使ってるのは合わせていくらなの?」

「んと、竿が二万位、リールは父親のおさがりでタダだけど、今かうと新品のときより値段あがってるからなぁ」

「え?中古の方が高いの?」

「ううん、そこは普通に中古の方が安いよ。でも、中にはレア物、今のものより質が良くて扱いやすいから値が上がるものもあるってだけ」

「へぇー、そういえばルアーなんかは?」

「新品の値段でいけば、主に使うスプーンは一枚500円位、プラグルアーなら千円から二千円の間」

「じゃあ、そんなにルアーではお金掛からないね」

 ほっと胸を撫で下ろした綾香は、四月にも関わらず刺すような暑い日差しを避けて校門横の桜の木の下に逃げる。

「ふ、綾香は甘い。最終的に一番お金掛かるのはルアー。これは絶対」

「え?なんで?スプーン?だっけ、は数枚あればいいし、プラグルアーも数要らないからそんなに掛からないよね?」

「それは、釣りをしたらわかることよ」

 何故か校舎を向きながら話していたのに、横から霞の声がして驚いた綾香はびくりとなり横を向く。

「霞先輩お疲れ様です、ってなんで横から???」

「あぁ、それはね部室で二人のルアーをウレタンコートしてきたから」

「あ、霞ちゃんありがとう。ちゃんといい感じになってた?」

「うん、縁ちゃんの方は気泡も少なくてよかったよ♪」

「やった!じゃあ行こう」

「良いなぁ二人とも……ん?私の方はいい感じじゃなかった??」

「綾香ちゃんの方は、少し手が掛かったかな?失敗じゃなくて、昨日焦ってウレタン浸けしたから気泡がね……でも、大丈夫。ちゃんとペーパー掛けして、再どぶ浸けしたから」

「ありがとうございます」

「さぁ、縁ちゃんに追い付きましょう」

 って、え?縁ちゃん歩くの速くない!?前を行く、縁の背との距離がどんどんと開いていく。

「あはは、釣り人の(さが)ね。何故か釣具屋に向かうと足取りが軽くなるという」

「そんなものですか?」

「そんなものよ、特に縁ちゃんは昨日言ってた新製品を触りたいんだろうなぁ」

「あぁ、だから今日は一日中そわそわしてたのかな?」

「多分ね」

 そう、二人で笑いながら徐々に遠くなる背中を焦って追いかける。


 駅の手前の信号でようやく追い付き汗を拭う。縁ちゃん、速すぎ。隣を見ると霞先輩も汗を滲ませて、ハンカチで拭いていた。

 降りる駅は一駅違いなだけで、方向が同じなので三人固まって電車に乗る。

「で、霞ちゃんは何を見るの?」

「とりあえずロッドとリール、ルアー各種、ラインかな」

「新しく買うの?」

「ネットショッピングだと、受けとるのが面倒だからね」

「なるほど……?」

「あ、両親は共働きだから、普段は家に誰もいないのよ」

「え?霞先輩専属メイドは!?」

「え?綾香ちゃん、メイドなんて元から居ないけど?」

 バカなっ!メイドが居ないお嬢様なんて……この世に居るわけがない!

「綾香ちゃんはなんでそんなに落ち込んでるの?」

「綾香ちゃんは、霞ちゃんをお嬢様と信じて疑わないから仕方ない」

「ごめん、わけがわからないよ」

 こそこそと、二人で話す内容を私は聞こえていなかった。メイドと過ごす、霞先輩の図が脆くも崩れさり、脳内では四つん這いになり嘆いているよだから。

 まだ全然動かない……試行錯誤しながら書いていきます。


 ブクマ増えると励みになります。どうかお付き合いよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ