表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
かんつり!  作者: 今澤 麦芽
ルアーを作ろう!
3/15

ルアーを作ろう!参

 自己満足の状態でしばらく上げ続ける事になります。あぁ、展開プロット作れば良かった。と、後悔なう。


 しばらく、釣りはしません(爆)

 リュータのノコの回転を気にしながら、リップの切り出しを行う。ノコに力が掛かりすぎないように気をつけ、ノックバックによる不意の弾きを警戒しつつゆっくりと、線をなぞり切っていく。

「霞先輩、丸みはどうやって出すんですか?」

「ん~?金やすりとサンドペーパーかな。だから、線をなぞることより、線の内側に刃が行かないようにしてね」

 なるほど、と頷き線ギリギリよりすこし外を切っていく。先輩の方は私の削ったクランク(仮)を水に浮かべ何かを調べていた。

「何を調べてるんですか?」

「今、正中線のバランスを見てるの。少し右側が浮力高いから、その調整かな」

 どうやら、この木片、バルサ材と呼ばれるものは浮力のばらつきがあり、例え左右対称にしても、少しブレが生まれるらしい。

 そのブレがいい方に傾くことも有るらしいが、概ね悪い方へといく傾向が強いらしく、調整は必須らしい。


「まぁ、今見てもまたリップつけたときに見ないとなんだけどね。正中線にヒートンと重りを入れた時に出してる方が楽なのよ」

「なるほど、わからんです」

「あはは」

 笑いながらも真剣にサンドペーパーで、少し削っては浮かべを繰り返している霞先輩はいたく集中していた。

「霞ちゃん、そろそろウレタンコート入っていい?」

 既にワイヤーとウェイトを仕込み終わったらしい縁が霞の向かいで了承を得る。

「綾香ちゃん、部屋の中臭くなるから窓全部開けてくれる?」

「わかった」

 縁に頼まれた通り、窓を開けていると、外に向かい扇風機を回しだした縁を眺めて綾香は首を傾げる。

「こうすることで換気扇代わりになる。換気扇もあるけどあれだと弱いから」

 縁がそう言いつつ、少し黄ばんだ瓶を開けた瞬間にシンナーの臭いが部室に広がる。

 縁は瓶から量を計り別の口の広い瓶へウレタンを移し、缶から計量カップにシンナーを注ぎ、口の広い瓶へと流し込む。

 割り箸でかき混ぜ、出来た泡を潰し、針金につけた削り出したルアーを漬け込む。

「どうして、漬け込むの?」

「バルサは脆いから、中まで出来るだけウレタンを吸わせた方が強くなる。あと、比重が高くなるから水に馴染みやすくなる」

「ここで理科!?理数系苦手なんだけど」

「たいしたことじゃない。ただ、水に近い浮力にする方が目指してる泳ぎに近付くからしてるだけ」

「?泳ぎ?」

「ルアーを引いて動かしたときのこと。自発的に泳ぐ訳じゃないけど、半オートマチックに泳ぐからね」

「何度も言うけど、なるほどわからん」

 見ていても仕方ないのでリップの加工へと戻る。


 言われたように、あらかた切り出して金やすりで調整しながら曲線を作っていく。なんとか時間を掛け、下書き通りの形にまでなった。

「霞先輩、これでどうですか?」

 出来た小さなプラ板を手に、霞先輩は様々な角度で眺め、頷く。

「うん、形成は十分かな。エッジの処理はしなくていいの?」

「エッジの処理???」

「あぁっ、このままだと横への水切れが悪いから少し安定感無くなるのよね。面のままでしょ?これを、このルアーみたいに斜めに均すことで水切れが良くなって、ルアーの泳ぎの切れが良くなるのよ」

「泳ぎの切れ?」

「カクカクからヌルヌルになる感じ……て、言ってもわからないよね。試しにつけて引いてみましょう」

 霞は、手にもったリップを先ほど調整したルアーに挿し込み軽く爪楊枝を刺して固定していく。


 糸を結び、小さな水槽に入れゆっくり動かしてみる。

「普通に動いてる!」

 私は初の手作りルアーが泳ぐことに驚きと、嬉しさで笑顔になるのを止められない。

「う~ん。やっぱり、リップの水切れが悪いね。動き出しも遅くなってるし……」

「え?これって失敗ですか?」

「ううん、このままでも使えるけど、どうせなら満足いく動きにしたくない?」

 私はこれで満足しているのだが、霞先輩はどうにも不満らしい。経験者の言うことは聞くものだろうし、これより良くなるなら望むところでもある。

「じゃあ、どうしたらいいか教えてください」


 それから、最終下校時刻のチャイムまでに、リップの調整、固定、ウレタン漬けまでして追い出されるように校門を出る。


「あ、明日は部活休みだからね?綾香ちゃんはバイトだよね?」

「はい。ようやく慣れてきましたよ、レジ打ち」

「そっかぁ、ウレタン漬けしたから明日は部活休みかぁ、霞ちゃんは何するの?」

「来週末に向けての準備で釣具屋に行こうかと思ってるよ」

「あ、付いていっていい?こないだ出たベイトリール触りたいし」

「いいよ♪」

「え?二人は遊びに行くの???」

 一人疎外感を感じながら駅までの道をとぼとぼと歩き、前の二人の背中を眺めていたら。

「お土産期待しててね♪」

 霞先輩、マジ天使!な笑顔で言われたら、それは笑顔で頷くしか無いものだ。


 次回更新は本日中に出来れば……と。

 神チー。共に更新します、よろしければそちらもお楽しみ頂けたらありがたいです。


 感想、ブクマ、評価など頂けたら更新頑張ります(本当に?)

 まぁ、これが面白いか?と言われたら悩みしかない。正直、面白くは無いような気がしてきたので……

 しばらく、お付き合い頂けると嬉しく思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ