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かんつり!  作者: 今澤 麦芽
ルアーを作ろう!
14/15

クランク´リベンジ

 大変遅くなりました。


 不定期のままですが、ちょこちょこあげれるよう頑張ります。

 綾香は、水面に虚しく浮かぶクランクを回収し、もう一度キャストする。


 さっきと同じように、ジャーク&リトリーブ、ストップを繰り返したが反応はなく、三度目の回収が終わる。


「ううっ、釣れない……」


「あはは♪ 逃した魚は大きかったねぇ。でも、まだまだ試してないこと多いよね? さっき最初に見せた動かし方覚えてる?」



 そう笑顔で顔を綾香に向けた霞の竿は、曲がりドラグ音を鳴らしながらスムーズに魚を寄せてくる。


「浮かせて、波紋が消え掛かっときから竿を小刻みに振るやつですか?」


「うん♪ シェイクリトリーブ、試してみた?」


 そう言いながら、既に五匹目を無事ランディングした霞はリリースしたあと立ち上がり、足元のすぐ先で浮かべたクランクを震えさせる。


「こんな感じに波紋が出るように力加減してね♪」


「わかりました! やってみますっ!」


 助言を受けた綾香は、キャスト後ラインの弛みをとり、波紋が消えるのを待っていたが、突如下から水面が持ち上がり、竿が曲がる。


「えっ!? えっ!!」


「おお~♪ 着水ほっとけバイトだねぇ。こんなこともあるから気を抜いちゃダメよ♪」

 突如の生命感に困惑する綾香に、霞は笑いながら告げる。


 綾香は、霞の笑顔で少し冷静になり、ロッドを先程のように肘に当て曲げる。先ほどよりは軽いが、走るラインが竿に生命感を伝え、綾香の腕にも、たしかな重さとして伝わる。


 今度こそは、そう思いながら、慎重にリールを巻いていく。放出されていくラインの行く先を確認しながら、ロッドの向きを変えて、先程より軽く、すんなりと、目の前まで寄ってきた魚を、ラバーネットで霞が掬う。


「やったね! おめでとう綾香ちゃん! キレイなレインボーだよっ♪」


 水から浮かさずに、魚を見せる霞先輩はどこか、自分が釣った魚より嬉しそうだなぁ、と考えながらも、釣った魚はどうしよう? と、思考を巡らせる。


「あれ? 記念の写真とらないの? 自作クランクで、しかも初エリアフィッシュだよ?」


「あ。持って帰るのかどうか考えてました」


「うふふ。綾香ちゃんは、記憶より食い気なのかな?」


 おどけて答えた綾香に、穏やかな笑顔で霞は続けた。


「でも、このサイズは小さいから、リリースしましょ♪ もっと大きなのの方が色々出来ますから♪」


「わかりました! では、写真だけ……」


 綾香がスマホを色々傾けながら、写真を連続で撮って首をかしげる。


「霞先輩……なんか、キレイに撮れないんですけど。光沢というか、なんとも言えない色が映らなくて……」


「あぁ! それは諦めましょう♪」


「え? そんなあっさり?」


「レンズ越しに映らないんですよ、その色は。たぶん、紫外線を反射してるからだと思うんですけど、レンズを通すと消えるんですよね。残念なことに」


 首を振りながら手を広げ、霞は綾香に無駄だと、きっぱりとつたえた。


「そうなんだぁ」


「ですから、こうやって釣りに来て、綺麗な魚を釣って、見て楽しむんです。これに近いのがタナゴ釣りなんですよね。そうだ、今度タナゴを釣りに行きましょう! 繁殖期の発色は凄い綺麗で可愛いんですよ?」


 残念そうに肩を落とした綾香にあわてて、取り繕うように言葉を並べ釣りの予定を作っていく。


「タナゴ?」


「ええ、とても小さな魚なんですけど、発色が独特で言葉にできないんです。そうだなぁ、オーロラプリズム加工のシールとかが近いかしら?」


「へぇえっ! 是非お願いしますっ!」


 さっきと違い、満面の笑顔の綾香に胸を撫で下ろした霞は、なんとかなった。と、一安心した。


「それはそうと、今はトラウトを釣りましょう! 簡単に釣れるタイミングは短いですからねっ♪」


 そう言って、霞はラバーネットの中の魚を逃がし、ロッドを手にして、ルアーを投げ込んだ。

 僕の中ではクランクはトップ、シャローライナー、ディープサーチと一つで三度楽しめるコスパ最高のルアーと思ってます。(物は選ぶけど)


 異論は…………認めます。(コスパでいうなら、スプーンもあるので)

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