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かんつり!  作者: 今澤 麦芽
ルアーを作ろう!
12/15

かんつりって簡単な釣りの事じゃないの?

 不定期更新です。


 一日券を学割で買い、絢香と縁に手渡しながら霞は告げる。

「さぁ、第一回エリパは~じめ~るよ~♪」

「「おおっーー!」」

 たった三人、されど三人、娘三人寄れば(かしま)しい。まさに、読んで字のごとく、和気あいあいと各自のタックルで、ドライバーの鈴木にポイントを抑えてもらった場所へと向かう。


 このエリアは、チケット販売前からポイントへの場所取りが可能である。が、一番楽に終日釣れ続ける様な流れ込みや、湧水スポットは既に常連らしき人に抑えられている。


 それを見た縁は、首をかしげ霞に問う。

「ねぇ、霞ちゃん。流れ込み(インレット)にさ、初心者の人って入れることあるのかな?」

「う~ん、無いとは言い切れないけど、少ないんじゃないかな?」

「でもさ、あんな()()()()()()ポイントを抑えて楽しいのかな?」

「そこは、ほら、人によるから~、小さくても数だけを追う人とか、数よりサイズとか」

「あぁ、そっか。わたしって特殊だったんだ」

「特殊って?」

 絢香が、よくわからない会話にようやく、入れそうな言葉を見つけ質問する。

「ん、大きいまたは、重いルアーで、大きな魚を狙う。これは、もちろんかなり釣れにくい」

「え?かんつりって簡単な釣りの事じゃないの?」


「「え?」」

 絢香の中では、管理された簡単な釣り場。それが、かんつりと変な曲解を産んでいた。

「え~と、絢香ちゃん。かんつりってのは、管理釣り場の事よ?」

「うん、だから、釣れやすい様に管理してるって事じゃないの?」

「あぁー、それはない。釣りやすいようにと言えば、まぁ自然(ネイティブ)を釣るよりは簡単だけど、そこまで簡単か?と言われると悩むよ」

「ええっ~!?私釣れるかな?釣りしたことないよ?」

「大丈夫♪絢香ちゃんはわたしが、しっかり教えるから~♪」

「ん、霞ちゃん頼んだ。私はデカイのを狙っていくから、深場の方に少し移動する」

「はいは~い♪ネットは要らない?」

「何とかする。ならなかったら、こっちまで泳がせてくるよ」

「わかったぁ♪じゃ、絢香ちゃんは早速釣りをしよう!」


 そうして、霞は自身のタックルケースのロッドホルダーから一本を取り出し、絢香に渡す。

「とりあえず、これが絢香ちゃんの今日のタックルね」

「ありがとうございます、霞先輩。へぇ、これが釣り竿なんだぁ。ここの、真ん中のデコボコはなんですか?」

「そこは、フェルール。繋ぎ目よ、そのロッドは穂先側、リール側の二つに分かれるの。それが、ツーピースロッド。分かれずにそのまま一本だとワンピースロッドね♪」

「なるほどぉ、で、どうしたらいいですか?」

「まずは、投げ方……の前に、ラインを通しましょう」

「ライン?スタンプ?」

「あぁ、メインライン、ようは釣糸の事よ♪」

 霞は一瞬、この子大丈夫かしら?とは思うものの、なんとか堪え立て直す。


「そうそう、そうやってリールのベールを起こしてからゆっくりガイドに通していって……先の方になるとそのままだと通しにくいから、斜めに倒して、そうそう」


「むむむ、あっ!?」

 絢香の手を滑り落ちたラインが、せっかく通したガイドからも抜けていく。

「あはは♪良くあることよ。ラインの端十五センチ位のとこを折り曲げて通していくと、やりやすいし、抜けた時にガイドに引っ掛かって止まるからやり易いよ」

「うぅ。早く教えてよ……」

 そんな、こんなありつつ、なんとか糸を通し終え、スナップの結束に移る。


「これがスナップ。ルアーに接続する時に使うものね♪」

「小さいっ!」

「ん~これでも大きい方だよ?小さいのはもっとちいさいし」

「私に出来る?」

「とりあえずやってみましょう♪」

 クリンチノット、ダブルクリンチノット、パロマーノットと見せては、カットしていく霞。

「全然わからない……」

「あぁ、ラインの結束しないと覚えられないからなぁ」

「うぅ、せめてナビして霞先輩」

「もちろん♪」


 結局、絢香はパロマーノットだけを覚えることになった。理由は言わずともがな、簡単かつ強度が高い。そう、それだけである。決して、糸の巻き付けの時にスナップを落としたり、スナップの上下を間違えて結束したり、ヨレヨレになって、軽く引っ張るだけで切れたりしたからではない。そう、ないのだ。


 ようやく釣りの準備が出来、スナップに自作のクランクをつけ、絢香は借りた霞のタックルを見る。銀のリールには、ST○LLA、ロッドはリールより体側に、まるでワインボトルのようなモノが付いてるようなそんな形で、手触りは少しざらつく。ロッド自体は黒一色で、可愛さがないなぁ、などと、考えているが、本人は高額のハイエンドタックルとは一切考えてなどいないし、思ってもいない。


 それを知るのは、このエリパが終わり、数日後の事になるが、それはまた別のお話。





 閲覧ありがとうございます。次回はようやく釣りが描写できるかと…………マジで長いな釣りまで……


 不定期更新ではありますが、応援、よろしくお願いいたします。

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