08 これぞ特攻隊
あらすじ:神様達は賭け事大好きなのです。
視点:猟団【紅牡丹】団員 特攻隊隊長 ルゼンスさん
『』:猟団長 ボーデさん
やれやれ・・・。
いつもの団長の気まぐれとは言え、今回は急だったな。
まさか歓迎会代わりに、休養返上でいきなり参戦とは。
参謀君や副団長が手続きに作戦にと大忙しだったものな。
ま、それも含めていつもの事とも言えるかな。
<<ブオオォ~~~ン! ブオォ~~~~ン!!>>
おっと、出撃の合図が鳴ったみたいだな。
それにしても、あの参謀君も面白い事考えたものだね。
普通は隠密性を重視して、戦場で音など鳴らさないし。
鳴らしたとしても、突撃や退却の合図ぐらいだろうが。
あの参謀君は、突撃時だけじゃなく登場時や突撃中まで
ずっと、合図や音楽を鳴らせ続けるのだものな。
まあ、色々な意図があるのだろうが
演出として神々達には大好評なのは少なくとも良い事だな。
<<パパパパ~ン♪ パパパパ~ン♪
パパパ、パ~パ~パ~パ~パ~~~♪
ジャーン! ジャーン! ジャーン!!>>
<<「さあ!!
【紅牡丹】名物の1つ、特攻隊の登場だ~~~!!!」>>
<<「今回の副賞は{【狭霧の村】陣営の戦果数}ですし!
特攻隊の影響大きそうですね! トバス様!」>>
<<「そうそう、僕は今回【紅牡丹】の参戦聞いたから
久々に【証板】を買ったんだよ~。
ぜひ彼らには頑張ってほしいところだね~」>>
おっと、実況も盛り上がってるようだね。
普通は戦場には実況は聞こえないのだが
リリー君とローズ君の【中継の紋章】のおかげと
希少な魔道具のおかげもあって
我々の猟団は、常時音声連絡が可能なのだよね。
それにしても、戦場で戦況や情報が中継してもらえることが
ここまで凄い効果を発揮するとは私も思ってもいなかったな。
3年前までは私達も手を抜いていたとは言え
今では神様が期待してくれるまでの猟団か・・・。
これも参謀君と団長の思惑通りなんだろうね。
<<「さあ! 登録情報によれば。
今回の特攻隊は最大の18名!」>>
<<「どれどれ? ・・・お~~。
今回は、僕の一押しのルゼンス君にテイキャスちゃん。
それにネスフウ君に、ルプスちゃんもいるんだね。
個人的に応援しておくよ、頑張ってね~。」>>
はは・・・、神様の応援とはありがたいな。
私達、特攻隊は参謀君の提案で編成された精鋭隊で
全員トバス様が創った【疾風の紋章】を装備してるからね。
そういえば、合図に音楽に【拡声の紋章】も多用してるし
私達が多用するようになってから、今まで不人気だった
風系の【紋章】の使用率が急上昇してるようだしね。
トバス様が気に入ってくださるのは当然かもね。
・・・まあ、いいじゃないか、今はそんなことは。
さあ、私も行こうじゃないか・・・いつもの戦場へ。
<<ド~~~~~~~~~~~ン!!!>>
行くぞ、帝国軍とそれに猟団の諸君・・・。
特攻隊隊長、ルゼンス・・・・・参るっ!!!!!!
(ドドドドドドドドド!! ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!)
「来た!! 来やがったぞ!!」
「くそっ!? 迎撃だ! 野郎共!!」
「了解で、ぐわああああああああ!(ドグシャッ!!!)」
(ワアアアアアアアアアア、ギャアアアア)
<<「さあ! 合図と共に特攻隊が突っ込む!!
今回の1番手は誰だ!? 隊長のルゼンスなのか!?
それとも、火の玉特攻のクラシンか!!
おおっと! どうやら1番手はトバス様も一押しの女傑!
テイキャスだーーー!!
やはり疾い!! これは疾いーーー!!!」>>
<<ダカダンダカダン♪ ダンッダンッダンッ♪
ダカダカダカダカダカ♪ ド~ンド~ン♪>>
<<「ここで名物の一つ、戦場演奏も始まった~~!!
今日のタイトルは、ええと・・・【戦場に駆ける猪】!
さあ! 次々に帝国兵が跳ね飛ばされていく!!」>>
<<「あ、僕この曲好きなんだよね~。
この間、お願いして【音込めの宝玉】に録音して貰ったよ」>>
<<「おおっ、それは実にうらやましいですね!
そして、帝国陣営に参加の猟団にも被害が出始めてます!!
最前線に居た【黒狗】に【血に染まる斧】の2猟団は
特に被害が大きそうだーーー!!!」>>
(ドドドドドドド、ギャアアアア、ワアアアア)
「クソっ!! クソがああ!!!
なんであいつらがいやがるんだよお!!!?」
「たっ、隊長、戦線がもう、ぎゃああっ!!!」
「ひ、ひいっ、もういやだっ!!!」
「くそっ! 速すぎて当たらねえっ!!」
「おら、これでっ!!! あ”っ!?
弾かれた!? 逸れただと!?」
<<「次々と【紅牡丹】の特攻隊18人が戦線を切り裂く!
・・・おっと! ここで特攻隊一の狂戦士
ブラヤが早くも【狂気の紋章】を発動させた!!
これは被害が増えそうです!!」>>
(ドドドドドドドドド、グァアアアアア、ゴゴゴゴゴゴ)
遅い遅い遅い遅いのだよっ!!!
むっ!? さすがは我が同僚のテイキャス君っ!!!!
1番手は譲ったが、ここから先は私も負けてはおれんな!!
そして、ブラヤ君はお得意の【狂気の紋章】を発動か。
今回は圧倒的劣勢での戦闘なのに少し早くないか?
さすがに、この兵力差は我々だけじゃ限度があるんだが。
ああ、これはダメだね、インター君も暴走気味だな。
・・・・・・ふむ、どうやら、歓迎会と言う事で
他の皆も張り切りすぎてるようだね。
仕方ない、聞こえるか? ルプス君! ネスフウ君!
すまないが、君達はコンビを組んで彼らの後詰を頼む!
君達は【紋章】同士の相性もいいし、いけるだろ?
私は退路確保の為に、帝国軍左翼の裏まで道を作るっ!!!
行くぞっ! 【疾風の紋章】最大出力っ!!!
【超音速の紋章】発動っ!!!!!
(シュゴオオオオオオオオ、ゴゴゴゴゴゴゴ)
<<ドドドン♪ ジャーン♪ ジャーン♪
ズンッズンッズンッ♪>>
<<「【紅牡丹】の突撃の後に、その穴を広げていた
【フレイムエッジ】によって、西側の防衛戦は
防衛側がかなり優勢にはなりましたが
さすがに兵力の差が有り過ぎたのか、膠着気味にっ!
・・・おおっとーーー!!!
【紋章】の輝きと共に戦場に吹き荒れる旋風っ!?
あれは【紅牡丹】隊長ルゼンスの【超音速の紋章】っ!
彼の代名詞とも言えるアレが出るのか!!?」>>
(ザワザワザワ、ワアアア、ガキャーンガキャーン)
「や、やばいぞ!! アレってまさか!!?」
「ダメだ! もう発動してやがる!!」
「てめーら! ぼさぼさしてねえで
数人同士でお互いの体を掴めええええ!!!!!」
「まずい、来るぞっ!!!!」
風を越えろ、音をも越えろ・・・【音越え】っ!!!
(シーーーーン・・・・キィィィィィイイイイイイイ)
「・・・な、なにもおこらぎゃばああああああ!!」
「何が!? うあああああああああああ!!!!」
「退避っ! 退ひいいいいいいいいいい!!??」
(キィイイイイイイイイイイイイイイイイイン!!!)
(ズガガガガガガガガガッ!! ギュゴゴゴゴゴゴ!!!)
(ワアアアアア!? ギャアアア!! ヒイィイイイイイ)
「いやー、さっすが隊長の【音越え】あいかわらずすげえな」
「バカヤロー! 感心してないで俺達も一旦突き抜けるぞ!」
「さあ! 先輩達も急いで下さい!」
<<「出た出た!【音越え】! 音をも置き去りにして一直線!
戦場にぽっかりと出来た大溝っ!
西側戦線の帝国側は完全に左右に分断されましたね!」>>
<<「いや~、ルゼンス君のアレ、本当に格好良いよね~。
彼は見た目も良いし言動もエレガントだから
彼のファンが増えるのも、何か納得いくよね~」>>
<<「聞いた話ですと【疾風の紋章】を宿した事で
初めて彼は【超音速の紋章】が使えるようになったとか。
そう考えると、トバス様あってこその技なんですね!」>>
<<「ははは、さすがにそこまでは思わないけど。
彼の様に、生まれつき強力な【紋章】を持っていても
何かしらの制限で使いづらいって事は多いんだよ。
でも、その一助になったのなら、僕も嬉しいかな」>>
<<「なるほど! ・・・さあ! 現在の戦況は!?>>