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17 猟団の双璧戦力

あらすじ:罠への誘導は基本中の基本。


視点:猟団【紅牡丹】猟団員 クロウさん

『』:猟団長 ボーデさん


 本命ね・・・確かに、連中は途中で引いてたし


 その可能性はあったけど、本当に来るとはね。


 全く・・・、相変わらずケイの読みは抜群だよ。


 昔から、そういう所は本当に頼りになるやつだよな。


 えっ? ああ、あちらさんは攻撃準備に入ってるな。


 アレかい? あの赤く光ってるのは【火の紋章】の光だよ。


 多分、最大威力で【火の玉】とか【炎の矢】を撃つ為に


 【紋章】の力を引き出してるんだろうね。


 ん? 待ってるだけで大丈夫なのかって?



「囮は役に立ちませんでしたが、まあいいでしょう。

 どの道、一緒に燃やし尽くす予定でしたしね。

 ふふ・・・あなた方の【障壁の紋章】では

 チャージした【火の紋章】は防げませんよ。

 戦場ではこちらの負けですが、あなた方を殺すだけでも

 私達【死の灰】の名声を高める餌としては十分っ!」


「くっ!!?(ぶるぶるぶる)」


「ふふふ、震えてらっしゃるんですね?

 安心なさい、痛みを感じる間も無く殺して差し上げます。

 ・・・さあ!! 一撃で燃やし尽くしてやりなさい!」


「「「「「「「「「「はっ! ボス!!」」」」」」」」」」


「くっ! くっ・・・(ぶるぶるぶるぶる)」


「「「「「【火の玉】っ!!」」」」」

「「「「「【炎の矢】っ!!」」」」」


(ゴゴゴゴゴオオッ! ゴヒュヒュヒュヒュヒュ!!)



 ・・・そう、連中の団長っぽいのが言った通り


 俺の【障壁の紋章】は、確かに物理攻撃に対しては有効だけど


 火や氷なんかには、ほとんど効力が無いさ。


 でも・・・な? そんなに慌てなくても大丈夫なんだよ。


 ほら、ケイも全く慌ててないだろ?


 え? ああ、アレは震えてるんじゃなくて・・・。



(ドドドドドドドドドドドドドドドド! グオオオッ!!)


「ははははははは!!! 燃えろ! 燃えろおおお!!」


(ゴオオオオオオォォォォ、ギュルルルル!)


「はははははは・・・は!?」


「ボ、ボスッ!?」


「なっ!?」


(シュポンッ)


「く・・・く・・・くくく・・・(ぶるぶる)」


「な!? 何が起こったああああ!!!!」


「ひゃっひゃっひゃっ、ひゃーーーはっはっはっ!!!」



 ・・・な? 大丈夫だったろ?


 ケイは単に、こみ上げてくる笑いをこらえてただけなのさ。


 あいつら【死の灰】って言ったっけ?


 確か、最近Cランクに昇格した猟団で


 火力はBランクに匹敵するって言われてるらしいな。


 元は無法者の集団で、倒した相手がまだ生きていても


 装備を剥いで、全て燃やし尽くして灰にするって話だ。



「・・・お前ら・・・お兄ちゃんに攻撃を・・・攻撃ヲ!?」


(ゆらり・・・ゆらり・・・)


「(ぞくっ!)ひっ!? な、何です!? あの女っ!!」


「(ガタガタガタ)ぼ、ぼ、ボス! め、命令を!」


「ひゃひゃひゃ! ひゃーーひゃっひゃっひゃ!!!」



 ・・・俺も不思議なんだけど。


 あいつら【死の灰】だけじゃなくて


 火力1本だけで名を売ってる猟団って


 あまり情報収集には力を入れて無いんだよな。


 自分達の力を過信してるから・・・か?


 ああ、すまないな、新人君。


 彼女の名前はマイ。


 あの子も、俺達と同じ孤児院で育った家族ファミリーの1人だけど


 彼女はケイの実妹なんだ。



「(くわっ!!)愛スル、オ兄チャンニイイイ!!!?

 コ、コ、攻撃オオオオオオオオオオオオ!!!!!」


「「「ひいいいいいいい!!!?」」」



 そして、ブラコンだ。


 いや、ブラコンを越えちゃったナニか・・・だな。


 見た目が健気系の美少女なだけに、余計怖いんだよな。


 ・・・え? ああ、よく分かったね新人君。


 さっき、あいつらの火炎攻撃を防いだのは、確かにマイだ。



「ひゃーーひゃっひゃっひゃ! ・・・・・・マイ」


「(くるっ)はい、私の愛するお兄ちゃん!(にっこり)」


「や・れ!」


「(にまーーー)うん! お兄ちゃん!!」


(キュピーーーン、ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ)


「!? ひっ!? な、何だ!? 【紋章】の光っ!?」


「(ガタガタガタ)ぼ、ボス!退却しましょう!」


「(びくっ)何かやばそうですぜ! ボス!!」


「お、お前達っ! その前にもう1度【火の紋章】です!

 あちらが【紋章】を使うより先に、もう1度撃ちなさい!!

 チャージは必要ありませんっ!!!!」



 よーく、見てなよ、新人君。


 アレが・・・、彼女がこの猟団の双璧の1人。


 猟団【紅牡丹】で、個の最大戦力は団長だけど


 広範囲の殲滅力と言う意味では、マイが最大戦力なんだ。



「「「「「【炎の矢】っ!!」」」」」

「「「「「【火の玉】っ!!」」」」」


(ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ、シュウウウ・・)


「(ガタガタ)あ、青い・・・炎っ!?」


「ボ、ボス! 駄目です!!

 俺達の火炎攻撃がかき消されてっ!!」


「蒼い・・・炎・・・まさか、アレが!?」



 マイが額に宿す【紋章】は【蒼炎の紋章】。


 固有ユニークのを除けば、火系で最上位の【紋章】だ。


 最下級の【火の紋章】なんて、何人束になろうが


 相手にすらならないだろうね。


 ケイがあれだけ余裕だった理由はこれさ。


 ・・・誰よりも信頼する妹が側に控えていたから。



「それでは、さようなら(ひゅっ)」


(シュオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ)


「そ、蒼炎の・・・・・・」

「ぎゃああああ・・・・・」

「あああああ”あ”っ・・」

「ひいいいぃ・・・・・・」


(ジュワアアアアアアアッッッッッッッッ)



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




 どうやら【死の灰】の奴らは、灰すら残らなかったようだな。


 彼女に付いた異名は{蒼炎の竜女}。


 上位の同業者からも、一目も二目も置かれる存在さ。


 ん? 蒼炎はともかく{竜}は何故かって?


 ははは、それは、その内分かるよ。


 それよりも、俺達も撤収準備を手伝おうか。


 さあ! 帰ったら宴会が待ってるぜ?


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辺境の冒険者Aさん
こっちはチートや変態成分少な目の日常モノです。



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