16 戦いの終わりと定番
あらすじ:大穴すぎて、観客席は阿鼻叫喚。
視点:猟団【紅牡丹】参謀 ケイさん
『』:猟団長 ボーデさん
<<ピピピーーーーー!! 「{戦場②}終了!!」>>
・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・。
はあぁ~~~~~~~~~~~。
やっと、終わったぜ。
さて、どーだったよ? 新人君。
今回の歓迎会は、ボーデ姉ちゃんが突然言い出したけどな。
・・・ま、うちの猟団の雰囲気は
何となく感じてもらえたんじゃねえか?
<<「おっ! 最終の倍率が出ましたね!?
な、何と、128倍!!
これは、ここ数ヶ月では最大の倍率になりました!」>>
<<「はは、当たった子はおめでとう~ってとこだね~」>>
・・・ったく、神様も気楽に言ってくれるぜ。
新人君、よーく覚えとくんだぞ。
周りから見たら楽勝に見えてんのかもしれねえけど
こっちは、毎回毎回薄氷を踏む様な気持ちなんだぜ?
冗談抜きで、どいつもこいつも、突撃しか頭に無えからな。
あんたは、あんな風にならないでくれよ?
ま、今更愚痴ってもしゃーねーけどよ・・・。
さーて、あの双子もそろそろ演奏終わって帰ってくるだろうし
そろそろ撤収の準備するんだけどな。
新人君、ここで、戦場の定番が1つあんだわ。
(ドドドド、ガシャガシャ、ドドドドドド)
「居たぞ! 総員駆け足ーーー!!!!」
「せめて、敵の中核だけでも倒しておくぞ!!」
「拠点には少数しか居ないが、せめて一矢報いらねば!」
・・・ってな具合にな?
負けた方ってのは、敗戦の責任を軽くする為とか
自分らのプライドの為に、せめて手柄の1つでも~って感じで
終了直後に襲ってくるのが、割と定番なんだわ。
最も、この戦場の終了云々ってのは
あくまでも【ハンターズギルド】での話だからな。
特に【オキナ帝国】とかは、知ったこっちゃないってもんで
こうやって、帰還準備中を狙ってくるんだぜ。
まったく、やれやれだよな。
・・・ん? そんな落ち着いてて大丈夫なのかって?
(ドドドド、ガッシャガッシャガッシャ)
「正面は陥没している! 弓隊!」
「構え!! 撃てーーーー!!!」
(シュバッ、シュバッ、シュバッ)
「はい、残念賞~~~!」
(カキキキキキキキン)
「・・・ケイは、俺を便利扱いしすぎだと思うぞ」
まー、そう言うなって、信頼してんだぜ? 兄弟。
な? ジミーが、おっと! クロウがこっちへ来た時点で
俺は背後からの飛び道具を心配する必要が無くなったわけだ。
クロウの【障壁の紋章】は、対物理ではかなり強固だからな。
帝国製のクロスボウ【パイソンⅡ】程度じゃ、まず抜けねえ。
ボーデ姉ちゃん・・・団長は素手でぶち壊せるけど
アレは例外みたいなもんだな。
(ドヨドヨ、ザワザワ)
「な、なんだとっ!? 障壁かっ!?」
「迂回だ、穴を迂回して、直接追い込めっ!!!」
「重装兵! 密集隊形で突撃しろ!!」
(ガシャガシャガシャガシャガシャ)
「ケイ、あいつら迂回してくるみたいだけど、どうする?」
「参謀、俺達で相手しますかい?」
・・・・・・?
・・・・・・・・・帝国のやつらしか居ねえな。
「何か気になる事でもあったのか? 障壁はどうする?」
ん? ああ、クロウはそのまま障壁はっといてくれ。
あ? 帝国兵!? そんなもん放っとけ。
あいつら、毎度お馴染みの密集隊形で突っ込んで来てんだろ?
しかも、バカみてえに、鉄の塊の重装歩兵でな。
(ドドドドドド、カチッ)
「ぎゃああああああああ!!!」
「!!? があっ!!?」
(バババッ、バリバリバリバリバリバリバリバリ)
ひゃひゃひゃ!! ひゃひゃはーーーーー!!!!
ば~~~~~~~っか!! お前ら学習しろよおおお!
道が迂回道しか無えんだから
そこに罠仕掛けるに決まってんだろ~~~~~が!!
しかも、ワンパターンすぎんだろ!!?
毎回毎回、鉄の塊身につけて密集隊形で突っ込んで
【放雷の罠】で、こんがり焼かれてんじゃねーよ!!?
・・・にしても、相変わらず、すげえ威力の罠だな。
さすがは、ヒキョー先生の所の商品だぜ!
「な! なんだと!? 重装歩兵隊が全滅だと!?」
「て、撤退だ! 撤退ーーー!!!」
(ガシャガシャ、ドドドドドドドド)
ったく、それで撤退すんのか、つまんねーやつらだな。
だったら、最初っから襲ってくんじゃねーーーよ。
あ!? おい、クロウ! 障壁はまだ解くな!!
あいつら、囮だ、本命が来るぜ。
あん? 何だ新人君。
って、ジミーお前もかよ。
囮に決まってんだろ。
前に来たのが傭兵くずれって事は、帝国の奴ら
ここが俺らの猟団の拠点って気付いてなかったんだぜ?
って事は、この場所を教えてけしかけた奴らが居んだろ。
漁夫の利を狙ってやがんだろうな!
ま、俺の予想だと、向こうの右翼から引いた・・・。
・・・・・・ほれ、来やがったぜ? お客さんだ!




