14 戦場に咲き誇る紅牡丹
あらすじ:ナイスバルク! ボーデ団長にはファンが多いようです。
視点:オキナ帝国 南方方面軍 近衛兵さん
『』:猟団長 ボーデさん
痛っ・・・うう・・・何が起きた?
突然、大風が吹いて、本陣の天幕が・・・。
そうだ! 俺はそれに巻き込まれて、一緒に吹き飛んだ!?
はっ!? ほ、本陣はどうなったんだ!!?
「ぎゃああああああああ!!」
(ガッ、ゴワアアアアアア)
「や、やめてくれえええええ!!!」
「ひっ、ひいいいいいい!!!」
(カッ!! キュピーン!!!)
「死ね死ね死ね! 死ね化け物おおおお!!」
「くっ、来るなあああああ!!!」
(ダーン! ダーン! ダーン!、カキキキーーーン)
ひいっ!!? 何だアレは!!
我らが帝国軍が誇る【パイソンⅡ】の鉄矢を、生身で受けて平気だと!?
アレは火薬で鉄の短矢を打ち出す、最新式のクロスボウだぞ!?
鉄の鎧どころか、盾すらも打ち抜く威力があるんだぞ!?
そ、それを生身で弾く・・・!!?
あ、あ、あ、ありえないだろおおお!?
(ギャアアアアアア、ワアアアア)
「くそっ! 何か特殊な【紋章】持ちに決まっている!
怯むなっ! 撃ち続けろっ!!!」
「そ、そうだ!
【障壁】や【盾】みたいな【紋章】の力に違いない!!!」
(スッ、ピキーーーーン、グシャアアアアアア)
『・・・ふふ、何を勘違いしてるんだ?
諸君に足りないものはただ一つ・・・それは!』
「「「(ゴクリ)・・・そ、それは!!?」」」
『・・・それは、筋肉だ!!
諸君には筋肉が! マッスル愛が足りない!!!!』
(シーーーーーーーーーーーーン)
「「「「「「「「「はあああっ!!!!?」」」」」」」」」
き・・・・・・きんにく?
ま、マッスル愛・・・だと?
何だそれは?
だ、だが、本当に【紋章】が関係ないとすれば・・・?
(ザワザワザワ、ダーン! ダーン! ダーン!)
「ふっ、ふざけるなあああ!!!!」
「俺達をバカにしやがって!!!!」
「死ね! 化け物おおお!!!!」
『ふふ、バカになどしていないさ。(ぐっ!)
鍛えた筋肉の前には(カキキキキーーン)ほら、この通り。
マッスル愛が足りない者の攻撃なんて効く筈無いだろう?
ふう・・・やれやれ。
帝国軍の兵士諸君は、物の道理を知らなさ過ぎて困るね』
いや、それは、我々帝国軍とか関係なく
一般的な話では無いだろ!?
・・・え? 違うよな!?
(ひゅばっ!!)
「いやいや、団長。
意味不明でゴザールよ~。
その理屈分かるのって、うちの団員の中でも
メリラの姐さんぐらいでゴザールよ?」
『おや? そうかい?
ふふ・・・手厳しいね、ココロ。
これは、キミにもそろそろ手ほどきの必要が・・・』
「不要でゴザール!!」
・・・そ、そうだよな。
ははは、俺の常識が狂ったかと・・・。
・・・・・・って、誰だああああああああ!!!!!!???
と、突然、出現しやがった!!!!!
(ザワザワザワ、ザワザワザワ)
「な、何だ!? 今度は何だ!!」
「いきなり、出現したぞ! あいつ!!」
「撃て! とにかく撃つんだ!!!」
(ガーン! ガーン! ガーン! ガーン!)
「(ひょい)おっと、危ないでゴザールな。(ひょい)
(ひょひょい)拙者、ただのか弱い平団員でゴザールよ~?」
『(カキーン)ふふ・・・相変わらず、いい動きだね。
(カキキーン)それで、こんな所にどうしたんだい?』
ひっ!! ひいいっ!!
片方は鉄の矢を生身で弾いて
後から現れた方はかすりもしない!!
何なんだこいつらはっ!!!!
「(ひょいひょい)団長、伝令でゴザールよ。
{右翼も左翼も余裕は無いそうなので、遊んでないで
さっさと終わらせて欲しい}との事でゴザール。
(ひょいひょひょい)では、拙者はこれで!
ニンニンッ!!(ひゅばっ!!!)」
『やれやれ。
こんな筋肉の足りない連中相手に情けないわね。
・・・そこで隠れて見ているキミ。
キミもそう思うだろう? なあ?(キラーン)』
ひいいいいいいいいいい!!!!?
見つかった!! 目が合った!!!
『さて、可愛い新人の子の歓迎会をしなければならないのでね。
この退屈な戦場を終わらせるとしようか。(ぐぐぐぐぐっ)
(ばっ!)それでは、諸君・・・サヨナラだ(しゅぱーーーーん!)』
(カッ!! ゴワッッッッッッ!!!!!!!)
だ、だめだ!に、にげっ・・・・・!!!!
・・・・・・・・・。
・・・。




