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12 予想外の戦場

あらすじ:参謀さんはノリノリだったようです。


視点:オキナ帝国 南方方面軍 ボーン・ボン将軍さん

『』:猟団長 ボーデさん


「どういう事だ!

 一体、何が起こっているというのだ!?」


「お、落ち着いてくださいませ、将軍」


(ザワザワザワ、ワーワーワー)


「これが落ち着いてられるか!!

 今回は、前哨戦にすらならない

 一方的な通過点に過ぎない戦のはずだぞ!?

 なぜ、進軍が止まっている!?」


「そ、それは今確認を・・・」


「何を悠長な事を言ってる!!

 俺はこんなつまらん戦で躓くわけにはいかんのだ!

 傭兵共や奴隷兵を前面に出せ!

 あいつらなど幾らでも死んでかまわん!

 無理矢理にでも押し通せ!!」


「は、はっ! 今、伝令をっ!!」


(ザッザッザッ、バサッ)


「落ち着いてくださいませ、ボン将軍。

 天幕の外にまで声が届いておりましたよ」


「(ほっ)リワール参謀!」


「おお! 戻ったか、参謀よ!

 それで、一体何が起きてるのだ!?」


「はい、ボン将軍。

 どうやら、戦端が開く直前になって

 急遽、敵側に参戦した猟団があるようです。

 その猟団の名は【紅牡丹】。

 もちろん、将軍もご存知と思いますが

 ここ1年程で、我らが帝国軍に多大な被害を与えている

 【ハンターズギルド】でも、トップクラスの猟団です」


「む? 【紅牡丹】?」


「ひっ!?」

「なっ!? く、く、紅っ・・・」


(ザワッ! ザワザワザワ)


「ええいっ!! 貴様ら! 静まれぃ!」


(ピタッ、シーーーーーーン)


「で、参謀よ。

 その【紅牡丹】とやらによって

 戦況はどうなっておるのだ!?」


「(知らないのかよ)」

「(嘘だろ)」

「(さすがボンボン将軍)」


「将軍、その【紅牡丹】が隊を分けて

 我が軍の左右両翼に当ってるとの事で

 それが原因で両翼とも進軍が止まっているようです。

 そして、あの耳障りな音楽を鳴らしている拠点に対し

 右翼から大隊長が襲撃を指示致しましたが

 失敗したとの報告を受けております」



 そんな聞いた事も無いような傭兵共のせいで


 こんな所で足止めを食らっているだと!?


 俺は大貴族である{ボン家}の当主として


 派閥の重鎮として軍功や名声を得なければならんのだ!


 無様を晒すわけにはいかんのだ!



「大変申し上げにくいのですが、将軍。

 参謀としましては、被害の少ない内に、一旦引き。

 部隊を再編成した後、再び攻めるべきかと進言致します」


「・・・引く、だと?」


「はい、情報によれば

 あの厄介な猟団は、急遽参加しただけのようでして

 恐らく介入は一時的なものです。

 今ならばまだ予備兵力も残っておりますし

 編成が終わった後に再侵攻すれば、あの猟団も居らず。

 今度こそ勝利は間違いないかと思われます」


「・・・・・・バカが」


「えっ!?」


「このバカがっ!!!

 何故、俺が引かねばならん!?

 この俺がそんな無名の傭兵共に負けるわけが無いだろうが!

 俺は{ボン家}の、侯爵家の当主だぞ!!

 本国で他の派閥のやつらが見ているのだぞ!!!

 おめおめと引き下がれるかっ!!!!!

 参謀のくせにそんな事もわからんのか!?

 この無能の役立たずがっ!!」


「な、なっ!?」


「(役立たずはあんただろ)」

「(マジかよ、ボンボン将軍)」

「(おいおい、どうするんだよこれ)」


「ええい、そこのお前っ!(ずびしっ)」


「は、はっ!!?(びくっ)」


「この敗北主義者の無能を更迭しろっ!!

 ここからつまみ出して、本国へ送り返せっ!」


「え、えっ!?」


「はっ!! 分かりました!!!

(ぼそぼそ)リワール参謀

 とりあえず、大人しくして下さい(ぼそぼそ)」


「あ、ああ・・・」



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




「ふんっ、何が参謀だ。

 道理を知らぬ小娘め・・・・・・むっ?」


(ザワザワ、ザワザワ、ワーーーワーーー)


「何だ? 外が騒がしいな」


(ワアアアアア、ギャアアアア)


「お、おいっ! そこのお前っ!(ずびしっ)

 外の様子を見て来いっ!!」


「はっ!!!」


(バサッ、タッタッタッツタッ、ギャアアアアアア)


「な、何だ? 何が起きて・・・」


(ゴゴゴゴゴゴゴゴ、バキキッゴオオオオオオオオオ)


「う、うわあああっ!?」


「うわっ!? 何だ!」

「天幕がっ! 吹き飛ぶっ?」

「み、皆伏せろっ!!」


(メキャキャ、バササササササササ、ゴワーーー)



 ・・・・・・な、な、何が起きた?


 一体、何が起きたのだ!?


 外で兵共が騒ぎ出したかと思ったら


 突然、突風が起きて。


 ・・・突風? 本当にアレは突風だったのか?


 そして、本陣の天幕が吹き飛んだ・・・のか?



「う・・あ・・!?」

「ひ、ひいっ!?」

「ば、ばけものっ」


(ザッザッザッザッ)



 な!? な、何だ!!!


 兵共が左右へ割れて道が・・・。


 だ、誰かこっちへ歩いてくる。


 な、何者だ!?



(ザッザッザッザッザッザッ、ピタッ)


『やあ、帝国軍の兵士諸君!

 そして将軍殿、ごきげんよう!!』


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辺境の冒険者Aさん
こっちはチートや変態成分少な目の日常モノです。



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