10 戦場に吹き荒れる桃色の嵐
あらすじ:【紅牡丹】のイカレタ突撃が始まりますた。
視点:猟団【狭霧の村青年団】副猟団長 マーモルさん
『』:猟団長 ボーデさん
(ドドドドドドドドドドド、ズゴゴゴゴゴゴ)
「(きゅぴーん)そぉ~~れぇ~~~♪」
「ギャアアアアア!?」
「ひっひぃいいいいい!!!!」
(シュゴオオオオオオオ、ゴシャーン、ドガーーーン)
「くっ!? 来るなああああああ!!!」
「何だあああ、この化け物はああ!!?」
「(きらきらきら)あはははは☆ 待て待て~~♪」
(ズガーーーン、ドドドドドドドドド)
僕達【狭霧の村青年団】の別働隊は、北門を守ってた。
こっちは帝国軍の主力と、後方に本隊。
今回の村の防衛戦。
僅かだけど、村で何組かの猟団を雇えた。
もう、村を守る事は最初から諦めて
西門に戦力を集中して、何とか村の皆を逃がす。
正直、僕達にできる事はそれぐらいだ。
僕も村の為に死ぬ覚悟は出来ていた。
・・・・・・何、アレ?
<<ジャーン♪ ジャーン♪ ジャーーーーン♪
ジャンジャラジャンジャラジャーン♪>>
「(にこにこ)行っくよぉ~♪ それそれそれ~♪」
(ブンブンブンブン、グシャッ!、ゴシャアアアア!)
「ぎゃあああああ!!!!」
「ひぃぃいいいいいいい!!!」
「ひゃっはーーー!!! 入れ食いだぜーー!!」
「オラオラオラ! メリラの姐さんに続けぇ~~~!!」
(ズドドドドドドド、ゴオオオオオ)
圧倒的な数の敵。
もう無理だと思ったら、大きい音が鳴り響いて。
戦場なのに軽快な音楽が聞こえ出した。
そして、横合いの崖から何かがすごい勢いで降りてきた。
でかい牛とピンクの塊を先頭にした、ガラの悪そうな集団だ。
あれって・・・山賊?
(ドドドドドド、ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオオ)
「突撃ぃいいいい!!! とおおぉつげきぃいいいい!!」
「突撃!! 突貫!!! 駆け抜けろぉおおおお!!!!」
「ひゃっはーーー!!! 帝国兵は皆殺しだああああ!!」
(ギィン! ガキーン! ドガアアアアア!! ゴキャアア)
「やべえ!? お頭っ!!
こいつら【紅牡丹】のイカレ野郎共だ!!」
「何ぃ!? って事は、先頭の肉ダルマは!!」
(キィイイイイイイイン!! グシャアアアアアアア!!)
「ピンク色の衝撃波だと!? 間違いねえ!!!」
「ひぃいいいい! {ピンクストーム}だ!!
本隊のメスゴリラだあああ(げしゃっ)あびょっふ」
(グシャアアアア、ビューーーーーーー)
「(きゅるーん)んもーー♪ しつれーだぞ☆ 君達♪
やっちゃえ~、サーロインちゃん! とっつげき~♪」
「くっ、くるなああ!!!(ぐしゃっ)ぎゃばっ!?」
ひ、ひえっ・・・。
ヒラヒラピンクのカーフジャケットを身につけた巨大な牛が
剣も槍も弾いて、人を跳ね飛ばし、轢き殺して、走り続ける。
そして、その牛に乗る巨大な・・・ぴ、ピンクの塊?
あっ・・・ピンクのフリルがたくさんついた服着た人か。
・・・・・・人ぉっ!?
嘘だろ!? 何だアレ、本当に人間の体なのか!?
乗ってる牛と同じか、それ以上の筋肉モリモリの巨体。
・・・あっ!? でも上に小さく頭が有る!!
ええええっ!? 女性!? しかも可愛い系の!?
(ドグシャアア、グシャアアア、ギャアアアアアアア)
「(ぴきゅーん)きゃはははは☆ そーれそれそれ♪」
ひいっ・・・声も可愛らしい分、怖っ! 余計怖いっ!!!
巨牛に乗った巨体の美少女が、楽しそうに高笑いして
全身からピンクのオーラ出して、両手に持った斧振り回して
四方八方にピンクの衝撃波飛ばしまくってる!!!!?
他のガラの悪そうなのなんて目じゃない程、怖っ!!
意味わからないっ!! 怖い怖い怖い怖い!!!
(ワアアアアアアアア、ギャアアアアアア)
「ちっ・・・ボス! あいつら出てきたんじゃ
俺達【死の灰】だとかなりきついぞ!?
しかも、今気付いたけど【黒狼団】の奴等
さっさとこの場から逃げてやがる!!」
「ま、そうなるでしょうねぇ。
あの犬共は嗅覚だけは確かでしょうし。
危機を悟ったら逃げの一手・・・。
いやはや、たいした嗅覚と言うか野生の感と言うか。
それにしても、あれが{ピンクストーム}ですか。
噂にたがわない戦闘能力ですね」
「感心してる場合じゃないぜ、ボス。
今は帝国兵が好き放題やられてるし
他所へ擦り付ければ被害を最小限に抑えられるぜ?」
「・・・仕方ありませんね。
参戦はしましたから、契約違反にはならないでしょう。
さあ【死の灰】も撤退しますよ。
副長、撤退の合図を出して下さい。
では【ギロチンアクス】を囮にしましょうかね」
「OK! ボス! 【炎の紋章】っ!(キィィイイン)」
(ゴオオオオオオオオオオオオ)
えっ!? な、何だ?
赤と黄色、2本の螺旋状の炎が空に伸びてる。
あっ・・・どこかの部隊が移動し始めた。
もしかして、退却してくれるのかっ!?
あの謎の部隊は今も突撃を続けているし
見た感じだと、帝国兵の被害はかなりのもの。
西門の方がどうなってるのかはわからないけど
こっちの北門でもいいんだ。
もう少し被害が大きくなれば
帝国兵も引いてくれるかもしれない!
村が助かるかもしれないんだ!
だ・・・誰かわからないけど
ピンクの人達、もう少しお願いします!!
「(きらりーん)さあっ♪ どんどんいっくよ~♪」




