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帰る前のお話

高校3年の部誌に提供したものです。

童話風の語り部イメージで書きました。

「さあさ、今から帰る前に少しお話をしましょうかねぇ……」

「どんなの!? どんなの!?」

「たのしみ~!」

「それじゃ、始めるわよ」



――あるところに一人の女の子が森の中を歩いていました。

 その森はこの世界に唯一の森でした。

 それ故に恐ろしい怪物たちや動物たちが一杯いたのでした――



「ねぇ、何でその女の子がその恐ろしい怪物とかがいる森に一人で行ったの?」

「そうだよ。私だったら絶対に行かないもの」

「まぁまぁ、その“何故”は後で言うから話しを続けるわよ」



――その少女は男の子を探しに森に入って、彷徨ってしまいました。

 その男の子は町を追い出され、少女と同じように一人で森に入っていきました。

 男の子は少女の友達なのですが、家が近所だった事もあり、二人は幼馴染でした。

 少女は男の子を一生懸命探しましたが、男の子はみつかりません。

 ですが、少女はいつの間にか森から出ていました。

 誰も……いえ、怪物にも動物にも会わずに……。

 少女は「おかしいなぁ」と首を傾げ、先程出てきたばかりの森を振り返ると、そこには森自体なく、また、前を向くと先ほど森から出た時にはなかった町が、目の前にあったのでした。

 そしてそこには、少女が探していた男の子が彼女の目の前に現れていたのでした――。



「はい、おしまい……」

「えぇ~! もう終わりなの?」

「気になるじゃんかぁ~! 続き続きー!」

「残念ながらそれでもうおしまいなの。だから続きはないのよ。さあさ、今日はもう遅いわ。早く家お帰りなさいな」

「ちぇっ! つまんないの! ほら行くぞ!」

「う……うん。おばあちゃん、バイバイまたね!」

「はい。またいらっしゃい……」


「おばあちゃんの話しって私、好き!」

「うん。俺も! でもさぁ、俺達のおばあちゃんじゃないのに優しくしてくれるよね。なんでだろう?」

「さぁ? でも、それは関係ないよ。私たちのおばあちゃんじゃなくても、おばあちゃんはおばあちゃんだもん」

「まあね。じゃ、帰るか」

「うん! そだね!」

                    ~終わり~


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