軍人、洗濯機を作る②
遅い昼食を終えると夕方になっていた。
ほろ酔い気分で歌を歌いながら、仕事場に帰るレギオスとコリンズ。
砂場に入ると煙は既に収まっている。
レギオスはそのうちの一つに手を当てた。
砂はまだ熱いが、触れないほどではない。
「十分冷えているようだ。これなら固まっているだろう。出してみるか?」
「いいじゃろ。掘り出そう。手伝えレギオス」
コリンズから渡されたスコップを手に、型を掘り出していく。
砂はガチガチに固まっており、ボロボロと崩しながら掘り出すと中から金属の塊が出てきた。
「ふむ、いい感じだな」
「そうじゃろそうじゃろ」
全て掘り出し、一列に並べた金属塊を一つ一つ手に取り眺めるレギオス。
定規にて寸法を測ると、荒作りの鋳物にも関わらずその誤差は一ミリ程度だった。
「鋳物でここまでの精度を出すとはな。流石はコリンズだ」
「当然じゃとも。さて、ここからどうする?」
「半分はこのまま使う。もう半分はプラスティックの成型用だ」
「ぷらすちっく? なんじゃそりゃ」
「金属ではない樹脂のようなものなんだが……見た方が早いか。これだ」
そう言って取り出したのは、先日シエラが作った鳥の模型だ。
コリンズはそれを受け取ると、不思議そうに眺める。
「ほほう、こいつは奇妙だ。石のようでいて、粘土のようでもあり、固めた紙のようでもある」
「こいつがプラスティック、柔らかく軽く錆びないのでこれから作る洗濯機に使えるんだ」
「ふむ、設計図で見た布を入れてかき混ぜる部分じゃな。なるほど、確かにこれなら布も痛まないし、錆びもせんのう」
「カビるのが少し難点だがな、こればかりはどうしようもない」
「……カビ、か」
何であれ、水に浸け続ければカビてしまう。
こればかりはレギオスにもどうしようもなかった。
だがコリンズは何やら考え込んでいたかと思うと、ゴソゴソと部屋の隅を漁り始める。
「おう、あったあった。これじゃわい」
引っ張り出してきたのは、スプレーだ。
表面には防カビと書かれている。
「防カビスプレーじゃ。以前色々作っていた時に偶然発明してのう。これを塗布されば、ある程度防げると思うぞ」
「ほう、試してみるか」
「まずは組み付けじゃの。さくっと組み上げてしまうとするかの」
「おう」
レギオス宅にある大量の牛乳からプラスティックを作成、それを鋳物で作った型に流し込む。
水気を切って熱を通せば完成だ。
そうして次々と部品を作っていく。
数日後、ようやく部品が揃った。
こうなればあとは早い。
二人はその日のうちに洗濯機を組み上げてしまったのである。
新作です。
よかったら読んでみてください。
特盛りの魔道具で異世界をぶらり旅する話です。
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