軍人、家電を完成させる②
「それにしても見事な仕事だったぞ、コリンズ」
「そうかい?照れるじゃあねぇか」
「よければこのまま次回作に取り掛かって欲しいんだが、構わないか?」
「構わんとも。どーんと任せんかい!がっはっは!」
コリンズは電熱器が完成させた事で大いに自信をつけたようで、快く引き受ける。
「だがまだ設計図が出来てないんだ。少し待っていてくれるとありがたい」
「そうかい。じゃあしばらくのんびり……」
と、ずずん! と何かが落ちた音が聞こえた。
「な、なんじゃあ!?」
慌てて外へ出ると、レギオス宅のすぐ横に巨大な荷物が届いた。
しぼんだ巨大風船に括り付けられているのは、大きな箱。
レギオスが中を改めると、テイスティパウダーがぎっしりと詰まっていた。
先日、テレーズに頼んでいたものである。
風の魔術にて、ここまで巨大風船に乗せ運んだのである。
「そういえば頼んでいたのう」
「あぁ、ようやく届いたようだな」
「お主のコレ、よく動いてくれるじゃあないか。惚れられとるのう。にひひ」
コリンズが小指を出してからかうように笑い、レギオスは阿呆と返した。
「ま、冗談はこれくらいにして、こいつはありがたく村へ送るとしよう。郵便で届くかの?」
「難しいかもな。直接届けた方が確実だろう」
「じゃあワシが行ってこよう。それまでに次の設計図を仕上げておけよ」
「任せておけ」
コリンズは来た時と同じように、荷馬車を引きながら村へと帰っていく。
それを見送ったレギオスは、さてどうしたものかと、と考え込む。
「次に作るものは決まっているんだがな……」
調理時間が短縮されれば、次に手間がかかるのは洗濯である。
今までレギオスは衣類を一枚一枚、洗浄液に長時間浸け、ゴシゴシと汚れを洗い流さねばならない。
力仕事なのでよくレギオスもやっていたが、本当に大変なのだ。
これを自動でやってくれる機械……すなわち洗濯機を作るのである。
しかし、電熱器と違い今回は金属で作るわけにはいかないのだ。
水を使う洗濯機は内部に金属を使えば錆びるし、重いし、衣類がズタズタになる。
「やはりプラスティックが欲しいな」
軽く、錆びず、柔らかい。
帝国では手軽に手に入ったものだが、今回は成型からからやる必要があるのでテレーズに送ってもらうわけにもいかない。
どうにかして自分で作れないものだろうか。
「……ま、やってみるか」
コリンズが帰ってくるまでの課題が決まったのである。




