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軍人、ドワーフ村を目指す②

 ■■■


 二人が森を抜けた時である、少し遠くに一筋の煙が上がっているのが見えた。


「レギオス、あれ何かな」

「村だろうか。昔この辺りを訪れた時はなかった気がするが……少し休ませてもらおう」


 辺りは魔獣も出るし、安全に休めるに越したことはない。

 シエラも口には出さないが、かなり消耗している。

 歩みを進め近づいていくと、やはり小規模ではあるが村のようだった。

 周りに木の柵を立てているだけで、中の建物も掘っ立て小屋程度の簡素なものが集まっていた。


「魔獣の出る森の近くにある割に不用心だな」

「そうね。あ、見張りさんがいる。……ごめんくださーい」


 振り向いたのは、ずんぐりむっくりとした体型のひげもじゃの小男である。

 ドワーフ族特有の姿形だとレギオスはすぐに気付いた。

 小男は陽気な声で応えた。


「おう、旅人さんかい?」

「いえ、ギャレフの町から来ました。レギオスと申します。こちらは娘のシエラ」


 シエラはどうも、と会釈をした。


「ほうほう、そんな遠くからよく来たのぉ。いったい何の用じゃ?」

「あなた方ドワーフの力をお借りしたく、参りました。レギオスと申します。こちらは娘のシエラ」


レギオスが頭を下げると、シエラが慌ててそれに続いた。


「おいおい。人間というのは堅ッ苦しいのう。名乗られたからには名乗り開けそう。ワシはコリンズ、よろしくな。レギオスにシエラちゅうたか? そうかしこまらんでいい。頭を上げな。いったいどういう用件だ?」

「はい、ある器具を作りたくて。その協力を仰ぎたいのですが」

「……ふむ、仕事の依頼か……」


コリンズと名乗った男は、依頼と聞いて顔を顰めた。

ドワーフ族は基本的には人間に好意的だ。

先刻の様子から見てもそれはわかる。

そして無類の仕事好きで、帝都にいたドワーフたちは新しい機械の開発となれば目を輝かせていた。

ここのドワーフとて本質は似たようなものだろう。

にもかかわらず、一体どうしたのかとレギオスは内心首を傾げた。


「……いや、ワシがどうこう言っても始まらん。あいわかった! 長老のところまで案内しよう」

「有り難いです」

「気にすんな。ほら、遠慮せずこっちゃ来なさい」


 コリンズに続き、二人は村の奥へと入って行くのだった。


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