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年越し前には更新出来たー
それじゃあどーぞーわ
いつものボサボサになる水浴びとは違いふわさらになった温かい水浴びの後、ボクは人間に差し出された『お口の中でじゅんじゅわ〜ってなる美味しい食べ物』に夢中になっていた。
もちろん出された時はちゃんと警戒したよ?
昔いい匂いがするけどよく分からない物を食べたらお腹が痛くなったからね!
もしかしたらこれもそうなんじゃないかな?ってボクはそれから離れるように後ろに……後ろに……ハッ!ボクは何を!?
気づいたらボクはそれにかぶりつこうとしていた、だってすごいいい匂いがして美味しそうなんだもん!でも食べたらお腹痛くなるかも知れないし!あー、でもひと口だけなら……、いやいやダメだって!これは人間が出した物で危ないかも知れないんだから!でもせめてひと口……。
ボクの中で二人のボクが言い争ってると人間がいい匂いがするそれをひと口分だけ切り取ってパクっと食べてしまった!
「「「あー!?」」」
ボクとボクの中の二人のボクの声が重なる。
呆然とするボクの前でそれはもう美味しそうにそれを頬張る人間、そしてそれはもう半分しか残ってなくて慌ててボクもそれにかぶりついた。
それからはもう頭の中に これは人間が出したやつだから とか お腹痛くなるかも なんて考えは浮かばなくて代わりに おいしー! とか これ以上取らないで! って事くらいしか浮かんでこなかった。
はふぅー、ごちそうさまー♪
それから更に三つ程出てきたのも食べてお腹も大満足!
ボクは人間のご飯はおいしいという事を覚えた!
ご飯の余韻に浸ってると人間が変な気配がする4色の石を持ってきた。
赤·青·黄·黒の石はそれぞれ別の気配を漂わせてこれはただの石じゃないぞって言ってるみたいだった。
それをボクの前に並べて人間が少しだけ離れてボクをジッと見てきたけど流石に石は食べないからね!?
ボクも1度石と人間を見比べてからジッと見つめ返す。
しばらくジーッと見つめ合ってると人間が立ち上がりまたボクを抱っこした、そのまま人間は椅子に座ってお膝抱っこの体勢に、今度は何?と見上げると人間がさっきの石をボクの口の中にポイッと入れてきた。
びっくりしたボクは慌てて吐き出そうとしたらその石はボクの口の中でスゥ…と溶けるように消えてしまった。
訳の分からないまま残りの3個も入れられてそれもスゥ…と消えてしまった、ポカーンとしてるボクの顔、というよりはおでこを見てヨシッ!と声を出してガッツポーズして、それからぶつぶつと何かを呟いたと思ったら突然ボクの頭の中で声が響いた。
『あー、あー、テステス。ちゃんと聞こえてるかな?聞こえてたら手を…、ってこの子の場合手じゃなくて前脚になるのかな?まぁとりあえず聞こえてたら前脚上げてみてくれるかな?』
響く声に従い恐る恐ると右前脚を上げてみる。
『ちゃんと聞こえてるみたいね。それじゃあ次は頭の中で話しかける様に念じてみてくれる?』
頭の中で話しかける様に? えーと……
『こう…?』
『そうそう、上手にできたね。それじゃあ早速だけど君には私の弟子になってもらうよ!』