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オンリーワンと斜め掛けと腹パンと

「私としてはブラジャー問題が解決したので、他の要望いいたいんですけど……」


「そりゃ奏ちゃんからしてみれば、そうかも知れないけど……」


「何かご不満でも?」


「奏ちゃんには俺が納得いくブラジャー着けてほしいんだ!

 今だって奏ちゃんが、どんなデザインのブラジャー着けてるか分からないんだよ! それなのに認める気になんかなれないよ」


「リグレット様……それって暗に認めて欲しかったら、ブラジャー見せろって事?」


「そうはいっていない。ただどんなデザインのブラジャーか知りたいってだけだよ」


 何がどう違うんだ……


「そうです、師匠を信用してない訳ではありませんし、コレに同意するのは非常に不本意ですが、タブとコレは母上のブラジャー選定に情熱を注いでいたのです!

 それをいきなり失ってしまったタブたちは、今途方にくれているのです。

 せめて師匠の変化したブラジャーを見せていただければ、タブたちの気も晴れるのですが……」


 まさかタブさんがリグレット様と共闘すると思ってなかったよ。


「ブラジャー、ブラジャーって、何回も聞くけど、二人ともそんなにおっぱい好きか?」


「もちろんさ! 奏ちゃんのおっぱいは神だから!」


「母上、誤解なきよう申し上げますが、タブはおっぱいが好きなのではありません。『母上のおっぱい』だから、好きなのです!

 コレは母上の大きなおっぱいしか認めていませんが、タブは違います!タブは母上のおっぱいなら、大きさなどという些末な問題はどうでもいいのです!

 極論をいってしまうと、母上以外のおっぱいはどんなおっぱいでも、『ムネ肉』ですから!」


 ごめん、タブさん……私どちらかといえば、リグレット様のおっぱいスタンスの方が、まだ分かる気がする。いや、積極的に解りたくないけどさ。


 タブさんの、おっぱいスタンスは闇というか、病みが……うん、根深いです。

 私のおっぱいがタブさんにとって、オンリーワンおっぱいなんて、荷が重いから。


「分かったよ、二人とも……二人が選んだブラジャーも着けるから。ほら、地球では毎日下着替えるのが一般的だからさ。

 それでいいでしょ?」


 エルガルドに降りるのに、あまり多くを望んでも悪いと思って下着は一着だけにしとこうと考えたけど、そっちの方が面倒くさいことになりそうだし、もらえるならもらっとこう。


「ならオッケー!」

「そういうことであれば……」


 何とか納得してくれたようで、ひと安心だ。


「そうなるとブラジャー何枚か貰うと着替えの持ち運びに困るので、サーティス様が使ってる、空間から物体を取り出すスキルをポイント消費なしで欲しいですけど。

 下着もそうですが、タブさんとペンタブ師匠は大丈夫だとしても、マウス先輩も外に出せないので……」


 やっぱり手ぶらで冒険っていいよね。地球でスキーやスケート行くときは、手ぶらで行って現地レンタル派だったし。


 それにアイテムボックス的な能力っていえば、異世界転移or転生もののお約束だしね。

 是非とも手に入れなければ!


「あー、空間魔法のことかぁ。確かにブラジャー何着も持っていると、かさ張るもんねぇ……

 それにマウスはエルガルドの文明レベルじゃ、確実にオーバーテクノロジーだから外に出さない方が賢明だよね。あ、ブラジャーはどうなんだろうなぁ……」


 多分ブラジャーは思い付きさえすれば、作成できると思うよ、でも現状ではないかなぁ。

 だからといって異世界でブラジャー開発に勤しむ気はないからね。


「でも、空間魔法って神特有のスキルなんだよねぇ。奏ちゃんが人間辞めれば手に入るけど、どうする?」


「魂だけになって、人形に憑依してエルガルドに転移しようとしている時点で、半分人間辞めてる気もしますが……

 つまり空間魔法はここ(天界)に就職しないと、手に入らないってことですか?」


 さすがに転移もしてないしバケーションもまだなのに、いきなりエルガルドへ就職は……

 せめて就職考えるのは、バケーションしてからにしたい。


「うん、そういうこと……でも、空間魔法を付与した鞄を装備品として、奏ちゃんに渡すことはできるよ」


 なるほど鞄か。

 よく考えてみれば、神しか使えない魔法をエルガルドで使ったら、悪目立ちする可能性もある。隠れて使うにしても限界はありそうだし、そうやって使うことに疲れてくる気もする。

 だったら空間魔法付与の鞄をもらおうかなぁ。マジックアイテム的な鞄も、異世界ものの定番アイテムだしね。


「じゃあ、鞄ください」


「オッケーオッケー、今用意するからね。」


 リグレット様は空間魔法を使い、茶色で革のような素材の鞄を取り出した。

 そして、その取り出した肩掛け鞄に手をかざす。

 鞄が淡い光を放ち、すぐに光が止んだ。


「これで奏ちゃん専用のマジックバックになってるからね。一応サイズ見たいから試着してくれる?」


 お、リグレット様にしては珍しくマトモな提案だなぁ……見れば鞄の大きさは学生が通学に使うのに、ちょうどよい感じくらいなので、そこまで邪魔ってほどでもない。

 私はリグレット様が差し出した鞄を手に取り、鞄を斜め掛けにした。


 私には鞄の斜め掛けに少しだけ拘りがある。それは乳房と乳房の間に肩ヒモを通さないことだ。


 地上、主に日本では鞄の斜め掛けは、立場に応じて感じ方が違う。

 胸の大きな女性が斜め掛けをすると、男性は『たまらん』と感じる人も多いようだ。

 男女問わず、人によってはみっともないと思う人もいる。


 私の場合、みっともないとは思わないまでも、恥ずかしいという気持ちはある。

 生理やムダ毛という単語は平気で口にできるけど、斜め掛けはちょっと恥ずかしい。

 まあ、乙女心は複雑なんだよ。


 乳房と乳房の間に肩ヒモを通すのには抵抗があるけど、斜め掛けは非常に利便性には優れている。

 胸の谷間に鞄のヒモを通さず、斜め掛けにしたい! そんなささやかな贅沢を叶えるための策として、私は少しだけヒモを短くし、片胸の乳首の斜め上あたりを通過させるということを実践している。


 で、今回の鞄に関しては……うん、ちょうどいい感じだ。軽く体をひねっても、ヒモがずれる気配がないし。

 それにヒモの通過ルートによっては、乳房及び乳首が痛くなることもあるのだが、全くもってそれもない。


「とてもいいですね!気に入りました。リグレット様、珍しくいい仕事していますよ!」


 思わず笑顔になってしまう。


「う、うん……奏ちゃんに喜んでもらえて、嬉しいなぁ……」


 リグレット様の表情がなんか複雑というか、奥歯にものが挟まった感じというか……


「母上、コレ(リグレット)は鞄の斜め掛けによって、競りだした母上の豊かなおっぱいが見たかったのだと思われます」


 あー、そうだったのか……納得、納得。でも鞄ヒモ食い込みは無理ですから!恥ずかしい!


「あと母上、タブからも一つ謝罪が……」


「何かな? もしかしてタブさんも、鞄のヒモによる食い込みおっぱい見たかったの?」


「ちちちちち違います! そのですね、先ほど母上の『ユニークスキル:生命創造[アイテム]』に、オンオフ機能は付けたのですが、オフにするのを忘れていたので、鞄にも意思が芽生えて来ていて……

 母上はあまりアイテムに命を吹き込むに積極的ではなかったのに、本当にすみません。

 あ、もちろんもうスキルをオフにしたので、これ以上は自我持ちアイテムは増えませんから、安心してください」


 やっぱりここでもドモるのね、タブさん。

 確かにこれじゃリグレット様に『エロタブ』呼ばわりされても仕方ないかも。


「母上まで、タブを『エロタブ』呼ばわりですか……」


 タブさんがショックを受けているが、今はそんなことより、鞄の能力諸々が気になるから、問答無用で話を進める。


「ってことは、この鞄も師匠や先輩みたいな感じになるの?

 それともタブさんみたいに人化できるタイプ?」


「えーと、今はどんな風に成長するか分からないですね。

 タブたちと違って、この鞄は元から母上の専用アイテムなので……タブたちみたいに神器でもノーマルアイテムなら、予想もつくのですが。

 とりあえず現時点で、はっきりしている鞄の能力は、『空間魔法』と『いかなる状況下でも、肩ヒモが谷間を通らないようにする能力』です」


 まだショックが尾を引いているみたいだけど、タブさんは聞いたことにはちゃんと答えてくれるので助かる。

 これがサーティス様あたりだと、アフターフォローしないと、使い物にならないからなぁ。


 そのサーティス様はといえば、一時期の男性器の揺れる擬音連呼はしていないものの、虚ろな目で視線をさ迷わせていた。

 復活にはもう少し猶予が必要らしい。


 それにしても、ノーマルアイテムなら成長の予想がつくのか。それはそれですごいな。

 しかし、鞄の肩ヒモが胸の谷間を通らない能力って、私からしたらありがたいよ。


 アイテムに意思を宿すと、こんな便利能力が付くなら、装備品に関しては全てユニークスキルで意思を持たせてもいいかも知れない。もちろん、無造作に増やす気はないけどさ。

 ユニークスキルの生命創造[アイテム]はオフにしてくれたなら、今後はあまり心配しなくても大丈夫だろうし。


「タブさん、謝らなくてもいいからね。確かに意思を宿したアイテムを無造作に増やしたくないけど、鞄に関してはグッジョブだから!」


「母上!」


 眉を八の字にしていたタブさんの表情が、途端に明るくなったと思ったら、私の腰に手を回して抱き付いたかと思うと、体全体を擦り付ける。

 タブさん……喜びの表現方法が動物みたいだ。まあ無害だし、タブさんはいい仕事したから、今回は好きなようにさせておくか。


「エロタブばかりズルい、ズルい!

 鞄創ったの俺だし、俺だっていい仕事してるよ!奏ちゃん、俺もー」


 リグレット様が私に突進してこようとしてきたけど、見事にマウス先輩に腹部に体当たりされて、もんどりうっていた。

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