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擬音と情熱と漁夫の利と

「あの人形に入っている間、ジャストサイズのブラジャー支給してください」


 だってさエルガルドって、文明レベルが地球の中世なんでしょ?

 絶対ブラジャーないに決まってる。

 胸がもう少し小振りなら、サラシ的なものでも何とかなりそうだけど、Gカップは無理ですって。


「いいよ、いいよー。奏ちゃん、いくらでも支給してあげるよー」


 うわっ、リグレット様……笑顔がイヤらしい。


「子どもに見せる顔じゃないです、リグレット様」


 私の後ろに隠れるようにして、様子を伺っていたタブさんも、蔑むような目で、リグレット様を見ている。


「あとブラジャーはリグレット様以外の方が選んでください」


 リグレット様の選ぶブラジャーって、デザイン際どそうなんだもの。

 さすがにほぼ紐とか、乳首部分にハートの穴開いてるブラジャーとか、私着たくないよ。


「奏ちゃん、わかってない……わかってないね!」


 リグレット様は人差し指指を立て、チッチッチッといいながら横に振る。


「下着は最後の砦なんだよ!そんな砦にもならない紙装甲、ブラジャーの風上にもおけないから!」


「は、はぁ……」


 なんだか凄い圧だな、リグレット様。

 ブラジャーにおける防御力ってよく分からないけど、とりあえずセクシー系ブラジャーはリグレット様の嗜好ではないみたいだ。

 とりあえず喜ぼう。


「だから、安心してブラジャーの選定を委ねるがよい!」


「いや、それとこれとは話が別ですから」


 うん、変な念みたいなのが篭ってそうだから遠慮する。


「ブラ……ブラ……ブラ……ブラ……ブラ……ブラ……」


 ヤベェ……横では虚ろな目をしたサーティス様が、男性股関の動きを表現する擬音を連呼してる。

 どうやら刺激が強すぎたらしい。このままだと、また劇場始まっちゃうよ。

 っていうかサーティス様、エロや下ネタ方面に免疫なさすぎ!


「母上! アレに用意させたものを身に付けるくらいなら、タブが変化してブラジャーになりますから!」


「え? タブさん、ブラジャーがどんなものか知ってるの?」


「母上専用のタブなので、タブは自分の知識として、母上が有している知識は持っています!」


 おお! 凄いぞタブさん。だったらそれでいいや。


「それは却下だ! エロタブレット!」


「あなたの指示は受けませんから!」


「エロタブレット……略してエロタブが、奏ちゃんのブラジャーになるってことは、べったり四六時中奏ちゃんのたわわなおっぱいに貼り付いているってことじゃないか!

 貼り付いているのをいいことに、奏ちゃんのおっぱい揉みしだいたり、吸い上げたりするつもりだろう!」


「す、するわけ、ありません!」


 なぜ、そこでどもる、タブさん。

 そしてリグレット様、男性向の薄い本にありがちなエロシチュエーションを垂れ流すな!


「どうだか……仮にエロタブがブラジャーに変化したとしても、奏ちゃんに似合うブラジャーには変化出来そうもないし!」


「失礼な!私は母上に似合う最高のブラジャーに変化してみせます!」


「じゃあ、エロタブは、どんなブラジャーが奏ちゃんに似合うと思ってるんだ? 」


「タブなら、コットン素材でギンガムチェックのブラジャーですね。

 母上の胸の豊かな胸に、一見ミスマッチにもみえますが、そのギャップが母上の豊かな胸を一層引き立たせるのです!」


「悔しいが目の付け所は悪くないな。だがブラジャーは柄や色だけでは、ないんだよ。

 元々ブラジャーというのは、奏ちゃんのバインバインなおっぱいの揺れを軽減するという機能的なアイテムでもある。

 エロタブ、お前にはその観点が抜けている。奏ちゃんのおっぱいに合う、ブラジャーの形はハーフカップなのか、フルカップか、それとも別の選択肢の可能性は?

 そして、お前はブラジャーの選定基準をおっぱいのみにしていたが、奏ちゃんの顔つきのことは考慮したのか?

 おっぱい×顔の系統×ブラジャー=奏ちゃんの魅力というのが公式なのだから、ブラジャーはどちらとも最高の相性の物を選択すべきだと俺は思う!

 お前はそこまで考えたのか?」


「うう……正論過ぎて、反論できない」


 私の目の前では、リグレット様とタブさんが私のブラジャーに関して、訳の分からない議論を繰り広げていた。

 タブさん……丸め込まれてないか? 多分リグレット様は自分の癖を語ってるだけだぞ。

 それにリグレット様、機能性を考えたらフルカップ一択ですからね。他のタイプだと乳房を覆う布の面積が少な過ぎて、おっぱいを支えきれないから。


 そして、サーティス様は相変わらず、股関の動きを表現する擬音を繰り返し、こちらに戻ってこない。

 この収集がつかない状況を、どうしたらいいか考えていると、ペンタブ師匠がこちらにやってきた。

 そして私のTシャツの裾から中に入り込み、光ったと思ったらブラジャーに変化して、私の胸を包み込んだ。


 タブさんに続き、ペンタブ師匠まで変化出来るのか……

 今まで着けてきたブラジャーの中で、極上のフィット感だ。

 え? オーダーメイドだから当然って……確かにそうだね、師匠。


 ちょっとだけデザインが気になったので、Tシャツの襟ぐりを指で摘まんで伸ばし、中を覗いてみる。


 おおぅ、総レースかぁ……師匠、妙に拘ったんだなぁ。レース超細かいよ!


「「なんだって、総レース?!」」


 リグレット様とタブさんの声がハモった。

おっぱい&ブラジャー乱舞

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