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花うたとアールグレイ  作者: 星田 憩
7/13

忘れっぽい

私は忘れっぽい。

頭を使うと止まらなくなるから基本的に難しいことは考えないようにしている。

iPhoneのメモ帳には創作物含めてたくさんの履歴があるし、「だいじなこと」用のアプリもあるし、今日やることをリマインダーにするし、今からすることをメモしたりスケジュール帳に書くのだ。


わすれてしまう。


何かトリガーがないと思い出せない。写真とかお土産とかSNSの履歴とか。それもうるさいと思ってしまうから、私の記憶は定期的にパソコンの中に吸い込まれる。

過敏なのだと思う。少しでいい。

友達があまりに事細かに記憶していると引くこともあるし、私が思い出話をしても夢と混ざっていたりする。信用ならない。


ばかみたいに理屈っぽいときもあるけど、体中に残った記憶の感覚で創作するのもすき。そうやって私は毎回真新しいと思う一歩を踏みしめて足跡にしてきたのだ。それがたぶん私という構造なのだと思う。


なんだか苦しい。学歴の何が美味いのかって思う。けど、そのステイタスが欲しいときもある。愉悦か。人より優れていると思っていいのだろうか。そんなことはないと思ってきた。そう思わなきゃいけないと思ってきた。引っかかっているのはそこかな。


他の人より優れているって思わないと生きていけないのだろうか。心身に不調をきたすのだろうか。そしたら人は、なんてかなしい生き物なんだろう。


「ステイタスのために生きてもいいんだよ」そう言う叔父は精神科医。

その人がどんな気持ちで医者になったか知っていたから妙に重みがあった。


学歴のために勉強してもいいのだろうか。それは「本当にやりたいこと」をやっているひとに失礼じゃないのだろうか。あれ、私の専攻は、いつから本当にやりたいことじゃなくなったんだっけ。


おかしいな。


1人暮らし初めての冬は、もう地元の真冬の寒さだ。これから未体験の温度がはじまる。

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