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花うたとアールグレイ  作者: 星田 憩
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コンプレックス

大学に入った。私の学力がビリじゃなくて、ときどき中の上なことに慣れない。


それでも私はたぶん、今の大学が最終学歴になることを嫌がってる。少なからず別の大学院に行きたい。なんでだろう。1人暮らしが始まってから体調が悪くなることが減った。両親の教えは意見の一つなのだと知った。小さいころから「国家資格は取れ」と言われ続けてきたのに、もう自分で考えなさいという雰囲気。合法的に一人暮らしができると地方に飛び出してきたけれど、それなら芸術系に行かせてくれてもよかったのに。なんて考えてしまう。ちょっと苦笑い。


そもそも、私には数値や目に見えてわかるようなわかりやすい才能もない。喉への空気を探りながら歌って、水たまりに映る花が好きで、気持ちのまま絵を描いて、小説は書けそうなときに掌編とか短編とか。ちょっとだけフルートも好きだ。私は欲張りなのかもしれない。全部うまくなりたいと思うし、しかもそれは誰かの真似でありたくないとも思う。オリジナルは真似から始まることがほとんどなのに。でも、それは生きたいって証拠なんだとも思う。昔からしたらすごい成長だ。えらいぞ、私。


あと、最近ちょっとずつだけど、勉強を頑張ってる。なんだか変な話だけど、学力で注目されないほど自由に勉強できるし、興味が湧く。いろいろ考えるのも楽しい。おもいっきり理工学部だけど、今は倫理リテラシーの講義がいちばん好きかもしれない。1年生はほとんど教養科目で、来年からがっつり専門に入る。専門を学び始めたらそっち側の知識もつくし、また興味もでるんだろう。生き急いでるな。急いで生きたくなったり、生きたくなくなったり。忙しいやつだな。まぁ、昔からそうか。


今行きたいと思ってる院が有名だから、また学歴コンプレックスの沼にぽちゃんしたんだと思う。でも経験からして、頭いい学校でも一定の割合でだめなひとはいるし、その逆もあるんだと思う。学歴も知識も経験もひけらかさないで、しゃんと自力で立てる学生でありたい。学び手でありたい。


高校はメンバーもハイスペックだったから、私はおちゃらけ要員でこぼれた仕事だけ拾っていたような気がする。そのメンバーもいなくなって、ぼーっとしてたら機会をくれる学校でもなくなって。自分になにができるか、なにをしようとできるか。考えられるすごくいい時期なのだと思う。


でもまぁ、人に自慢できる特技の一つもあればと思ってしまうあたりがまだ青ちゃんなのかな。趣味も焦らないでいこう。私にとって趣味は生きていくための副産物、たくさんいろんな色で生きなきゃ生まれない。焦らない。けど止まりたくはない。ひとりだから、じぶんのペースがわかるはず。ゆっくり行こう。花と歌と、ときどき紅茶でも飲みながら。


母からの仕送りに好物の歌舞伎揚げがたくさん入ってて喜びました。


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