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花うたとアールグレイ  作者: 星田 憩
11/13

オンライン

1人暮らしをしながら学校がオンライン授業になると、1日中本当に人と話さなくなる。1人が嫌いなわけではないのだけれど、長く続くとどう楽しんでいいのかわからなくなってくる。実家は首都圏だから、帰れるかもしれないが戻ってきたときの周りの反応が怖い。


自分はつくづく性格の悪いやつだな、と思うことが最近よくある。高校の頃は女子より男子と喧嘩することの方が多くて、大学でもときどきやってしまう。合理的じゃないことを許しながら、距離をとって頷いて相手の話を聴く、あの感覚が私には本当に難しい。普段は温厚な方なのだが(自分で言うか)、スイッチが入るとすぐ追い詰めてしまうし、言葉で責めてしまう。相手を泣かせたいんじゃなくて、わからないだけなのだけど。


きっとモラハラってこういう人が加害者になるのだろうか、と送信取り消しの期限を過ぎてしまったSNSの文面に後悔しながら思った。上手に生きれている人はどうやって、人の間に立っているのだろう。もうどうしようもないな、と思ったら全く興味がなくなってしまう。それもきっと本当はよくないんだろうな。謝罪して、相手からも謝られたけど、やっぱり言い分は理解できなかった。


オンライン授業になって、ちょっと良かったこともある。毎朝の女の子同士の化粧とか、服チェックとか、あまり興味のない噂話に遭わなくて済むようになったことだ。今日化粧濃いねとか、髪どうしたのとか、強すぎる香水の犯人探しにも関わらなくて済む。各オンライン授業のIDとパスワードの付箋だらけの机の前に座ればいい。ちょっと孤独なことと、料理しなければ食べるものがないことを除けば割と理想的な環境なのかもしれない。


そういえば、生粋の理系の友人とオンライン飲み会をしたときに、人と会わないと苦しいのは相手を通じて自己を見ているから、相手がいないと自己が見えなくなるんじゃないか、みたいな話になった。私は人と接するのがそんなに得意ではないのに、他者を通じて自分を見ている部分が多いから、なんというか、アンビバレントなことになっているのかもしれない。その、他者を通じて自分を見るってことも、上からとか斜めから見ていないと良いのだけれど。喧嘩する調子じゃだめだなぁ、と思う次第だ。


最近積読を消化したりしている。本は読めば読むほど、得た知識を活用できる人にこそ価値があるように思えてしまうのだが、私にとって言葉は血流みたいなものなので触れることにも意味があると思っている。私の頭の中はさながらホールのようで、良くも悪くも出会った言葉が反響しやすい。新しい言葉に出会わないと延々と鳴り続けてしまうのだ。


いつまでもこうやって勉強するほかないのだと、なんとなく悟りはじめている。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 最新のお話で大変恐縮ですが、『オンライン』のエッセイが凄く好きでした。けいの気持ちや感性はけいだけのものだから、赤の他人である私が簡単に「わかる」とは言えないのが辛いけれど、何と言うか一番…
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