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希望の先は

砂漠の光りは 

私を導くものだ


(あそこへ行かなくちゃ)


とにかく あそこへ行ってまずは

この体を浄化しなくてはいけない


青い草むらを歩き

前を行く光りを追う。


光りは右へ左へと飛びながら

私を導いてくれる

時々収縮しては 光りを大きくする


光りは体温を持ち

ほんの少しの暖かさを私にくれる


「開け」


そういうと目の前の草むらに

黒い穴が開く。

暗闇は 私を迎え入れるべく小さな扉を開いた

空中に浮かんだその穴に私は足を入れる


「あぁっ」


アメーバの様なその空間は、私の足を体を少しずつ

吸い込んでいく

毛穴が開く 

体中の毛という毛が逆立ち私は思わずのけぞる


「あぁぁっ」


暗闇は私の服を脱がし、ざわざわと私の体を這っていく

嘗め回すようなその行為は私を恍惚とさせる

タクを思い出していた。


「はぁぁぁぁぁっ」


体の中までその空間は入ってきて、私を犯すように浄化する。

体の外から中からされるそれは

私から 要らない感情をすべて吸い取っていくようだった

憎しみや、苦しみ、ねたみ、嫉み

残るのは快感と喜び


そうして全身をその暗闇に置き 体中に液体が回ると目を開ける。

すっかり裸になった自分の肢体をゆっくりを動かしていく

この空間で動くのは少しの抵抗を感じる。

ゆっくり、ゆっくりと周りを見ると

キューブの中だった、

下に、上に、水草のようなものがたなびいている。

浮いているもの壁に根を張るもの 平たい葉をくゆらせて揺れている。

キューブは何個かが積み重なって出来ている。

下に、下に、一体何個の空間が重なっているのか


私の体よりもずっと大きな魚が泳ぐ

暗いので正確な色は解らないが

黒や、グレー、紺、そんな色の魚達

頭に、その魚の頭と同じ大きさの瘤がある事を覗けばフナのようだ

時々こちらをギロと見る。

私は見えない壁に沿って下へと泳ぐ

50センチほどの小さな穴で下のキューブにつながっている

其処を目指して泳ぎ 次のキューブへ行くと

少しだけ緑がかった空間になった

体制を整え 立ち泳ぎのような格好で髪をたゆたわせながら 周りを見る

キューブの反対側に

階段がある

私は階段へと泳ぐ

キューブの端から端まではさほどの距離もなく

ほんの数回辺りを掻くだけで着いた

階段を上がれば 何かが待っている。

行かなければ成らない。

でも、キューブの中の気持ちよさに

もう少しだけ、という気持ちになった。

再び穴まで戻る

穴は柱を抜いたようにまっすぐにキューブの中を通っていて


私はもう一つのキューブへと泳いでいく

恍惚と快感はなぜか私を徐々に不安にさせた

もう一度、あの快感を味わいたくて下へ下へと泳ぐ

どんどんと泳いでいく

次の階へ行くほどに暗く冷たくなっていく

(さっきまでは暖かかったのに)

もっと気持ちよくなりたい

もっと綺麗になりたい

もっと幸せになりたい

もっと、もっと


何個のキューブを泳いだのだろう


気がつくと

フナになっていた


きっと

もうすぐ

幸せになれる


たゆたう


きっと

もうすぐ






こんな世界がなくなって

消えてしまえたら

どんなに楽だろう

そんな事を考えていた

草や木は、幸せなんだろうか

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