知らない世界
歩き出したものの、
「どうしたもんだろう」
だって、私も一緒に壊れる予定だったのに、
というかこの状況なら、壊れるはずジャンよ
私凡人だもん。
「それなのに」
何でだか生き残ってしまったものだから さぁ何って目的が無い。
だから散歩をする事にした。
こんな素晴らしくすがすがしい風景 生き残った私にしか見れないじゃ無いか
それにしても 本当に何もないな
あるはずのものも 無い
始めは気が付かなかったけど 綺麗なのには訳があるみたいだ
壊れたその場所にはさ 何処かしこに生活感や、 生きていた証のようなものが
残るはずだと、思うんだけど
なんだろう
何だか 綺麗過ぎるんだよね
ビルの残骸しかないんだよ。
普通はほら 木造の家だとか あるじゃない。
他にも建物はいくらでも
「そういえば 死体もないな」
そう呟いてしまってから、ぞっとした。
「ココは一体」
「地獄、とか?」
「だって、天国なら花とかあるっていうじゃない!何だか凄く幸せな気分になる様ななんかさぁ!!」
突然不安になって 誰か居ないものかと叫んだが
風の音すら返ってこない
何もかも壊れてさっきまではとても清々しい気持ちだったのに
突然にパニックになってる自分が
何だか滑稽だ
「どうなってるの!!」
何が起こったんだろう、
えっと、昨日は何をやってたんだっけ、って言うか
さっきは何をしてた?
今日は?
私、 何を考えてた?
好きなものは何だっけ?
親って居たっけ?
友達は?
タクは?
子供は?
どうしよう
世界と一緒にどうやら私も 壊れてしまったみたいだった
「罰かなぁ」
「タク・・・私さぁ タクのこと大好きだったよ」
そういうと泣けてきた。
「タクゥ・・・本当に好きでさぁ、タクがね私を見る顔とか好きだよぉ。」
「タク、すべすべの肌も声も」
うう、笑っちゃうくらいに涙が出た。
大好きだったんだよぉ
タクが
今、目の前にあるこの風景にどうかすれば飲み込まれてしまいそうで
一生懸命に自分の感情を口にだしてるみたい
タクが好きだった
タクの居る世界があった
タクと生きている社会があった
よね
だから私 今泣いてるんだよ
「どうしよぅ、タクゥ、皆どうしちゃったんだよぉ」
「ねぇ、神様、死にたいなんていってごめんよぉ 」
「もう、いいやなんて嘘だから、ちゃんとするから」
「ねぇ・・・ うっ ううっ」
そのまま泣いて、泣き崩れて、白い粉々のビルの上に座って
眠ってしまった
疲れていたんだなぁ、起きたら朝かな
そんな事、
思いながら 私は暗闇に吸い込まれていった
出来ればもう、目が覚めることがありませんように




