プレイ3日目 はじめての露店
※セレナと主人公のセリフを一部修正しました。
「さて、早速露店エリアに行ってみるか。リアルで19時くらいだし、そろそろ出店も増えて来てるだろう。」
夕食後ログインして真っ直ぐ露店エリアに向かう。実際に見るのは初めてなのでどういった商品が置いてあるのか楽しみだ。
「すいません。何点かお伺いしてもよろしいですか?」
入り口の近くで店を出している人族の女性に話し掛けて見た。彼女の露店は防具関係がメインのようで今の私では作れないので気になった。それに露店を出すなら実際に商売をしている人に聞いた方が早いだろう。
「はい、いらっしゃいませ。私で答えられる事なら答えますよ?」
「まず、私も露店を出したいと考えているのですが何か必要な物とかはあるのでしょうか?」
「あら、あなたも生産者だったんですね。露店を出店するには商業ギルドに登録して、このマットを貰えば出店可能エリアで露店を出せますよ。」
彼女は自分の商品が置いてあるマットを指して丁寧に教えてくれた。
「なるほど。まずは商業ギルドに行って見ます。それと防具のオーダーメイドはやっていますか?」
「えっと、私は<裁縫>と<革細工>がメインなので作成可能な物なら素材の持ち込みと手数料でお受けしますよ。」
「出来るのんですか、助かります。弓道の胸当てのような物が付いた軽い胴装備とブーツ。革の小手とそれに合うズボン、後はフード付きのマントが欲しいですが。どのくらいの素材が必要になりそうですか?」
街の防具屋では私の好みの防具がなくて困っていたのだ。折角ならば拘った装備を着たい。
「そうですね・・・。オーダーメイドで一式ですと革素材が12枚に手数料2,000Gは掛かると思います。まだオーダーメイドの注文を受けた事がないので大体ですけど、それでも良ければ。」
正式サービス開始からまだ3日目という事もあって生産メインでプレイしている人も手探りといった感じだろうか。それでも受けてくれるというのは助かるな。
「あ、自己紹介していませんでしたね。セレナと申します、宜しくお願いします。それと私の方が年下みたいですし気軽に話してもらって大丈夫ですよ。」
「私はハントと言います。セレナさん宜しくお願いします。私のは半分癖みたいなものですから気にしないで下さい。私も気軽に話してもらって大丈夫ですよ。」
「はい。ハントさん!ハントさんは何をメインにしてるんですか?」
「私は<木工>と<錬金術>、<料理>を取ってます。狩人プレイで色んな所を冒険する予定なので生産メインという訳ではないんですがね。」
「そうなんですね。なんだかカッコいいです!」
取り合えず商業ギルドに行くという事でセレナとは会話をそこそこにフレンド登録をしてその場を離れた。
「すいません。商業ギルドに登録をしたいのですが、受付はここですか?」
「はい。ようこそ商業ギルドへ!登録には1,000Gが必要ですが、すぐに加入されますか?」
高いと思ったらどうやら登録料の中に露店マットの代金が含まれているようだ。
「はい。これで商業ギルドへの登録が完了しました。ギルドランク等のシステムの説明はお聞きになりますか?」
「はい、お願いします。」
商業ギルドの説明は長かったので要点だけ説明すると、まずギルドはAが一番上でFからのスタートとなる。ランクは取引実績によって変動し、Fランクでは露店。Eランクでは屋台が持てるようになるそうだ。ギルドランクを上げる際にはそれなりの金額が掛かり、それが税金の代わりになっているらしい。
兎に角登録は完了したのでマットを持って露店エリアへと引き返す。セレナの隣がまだ空いていればそこに出店して色々と話したいと思う。
「隣に出店させて貰うよ。」
「あ、ハントさん!登録終わったんですね。どうぞどうぞ、私にも見せて下さいね。」
セレナの隣は空いていたので早速出品した。どうやら出店するプレイヤーはそこまで多くないようだ。
「あ~お弁当箱作ったんですね。シンプルだけど木の温もりを感じますね。それに初心者ポーションは売れ筋だし、いい品揃えですね。取り合えずお弁当箱1つ下さい!」
「毎度あり!セレナがお客様第1号だね。」
その後はセレナと情報交換をしたり、客と会話をしながら商売を続けた。初心者用ポーションとポーションは作った分全て売れたのだが、弁当箱は予想に反して1つも売れなかった。セレナが言うには弁当箱は空腹度が実装されるまで様子を見ている人が多い事と箱だけ有っても料理スキルを取ってない人が殆どだから売れなかったのではないかという事だった。
「う~ん、空腹度は実装されないとどんな感じになるか予想つかないですもんね。それにこの街にはお米も売ってませんからね、弁当箱にパンとおかずっていうのも寂しいですもんね。」
「そうだな。実装されたら弁当でも詰めてまた露店でも出すさ。」
「それがいいかもしれませんね!」
「取り合えず明日はウルフでも狩って革を持ってくるから、そしたら装備の作成をお願いするよ。」
「分かりました。多分明日も同じくらいの時間からここに居ると思います。」
商品が売れたので露店を引き上げセレナに挨拶をして鍛冶ギルドへ向かう。理由は簡単で鉄の矢を作りたいからだ。セレナからの情報で金属を扱うならそれに対応したスキルを取っておいた方が品質が上がりやすくなるそうで、セレナも裁縫と革細工がメインと言っていたが木工と鍛冶に彫金、錬金術も取ってあるそうだ。
幸いスキルポイントも残っているし、狩りに出るには中途半端な時間だったのでそれならと鍛冶ギルドに加入してスキルを覚える事に決めた。
鍛冶ギルドに登録して初心者用道具セット<鍛冶>を受け取り、親方を紹介して貰う。キャラクリエイト時に生産スキルを覚えなかった場合はギルドに加入して親方から技術を学ぶ必要がある。ある一定の作業が出来るようになればスキルが発現するという流れだ。
「ハントです。宜しくお願いします。」
「おう、よく来たな。俺はゴンゾ、見たとおりドワーフだ。ビシバシいくから覚悟しろよ。ガハハハハ。」
豪快な親方に教わりながら基本的な道具の扱い方を学び、実際に銅のインゴットを打っていく。システムに頼らずに鍛冶をやるのはかなり大変だと思う、兎に角熱い。それを親方に言ったら甘えるなと怒鳴られてしまった。
なんだかんだあったが何とか銅のインゴットを完成させた。しかし、まだ鍛冶スキルが発現していないので親方にお願いして鏃の作り方を教えて貰う。
<<条件を満たした為、スキル<鍛冶>が発現しました。>>
1つのインゴットからそれなりの数の鏃が作れた。作っている内に無事スキルも発現したようだ。後はこの鏃を木工スキルで『銅の矢』にすれば完璧だ。
「親方ありがとうございました!おかげさまで鍛冶を覚える事が出来ました!」
「おう、また何かあったら気軽に尋ねて来い!」
親方は豪快だが男気溢れるかっこいい人だった。私もああいう大人になりたいと思っていたが、すでに手遅れなんだろう。兎に角疲れたのですぐにログアウトして寝ることにした。明日は朝からウルフ狩りに行こう・・・。
お読み頂きありがとうございます。
ハント
レンジャーLv.5
HP140/140
MP40/40
STR5
VIT5
DEX13+1
AGI13+1
INT5
MND5
LUK7
ステータスポイント:0
スキルポイント:2
冒険者ギルドランクE:0/30
<<スキル>>
<弓術>Lv.4<遠距離攻撃力上昇>Lv.3<鍛冶>Lv.1<木工>Lv.3<錬金術>Lv.2<料理>Lv.1<鷹の目>Lv.3<夜目>Lv.2<隠密>Lv.3<ステータス鑑定>Lv.2<アイテム鑑定>Lv.3<気配察知>Lv.3<採取>Lv.2<ダッシュ>LV.2<跳躍>Lv.1<不意打ち>Lv.1
<<称号>>
なし
<<装備>>
武器・・・初心者の短剣・初心者の弓
頭・・・なし
胴・・・冒険者の服
手・・・なし
脚・・・冒険者のズボン
足・・・冒険者のブーツ
装飾品・・・レンジャーリング
<<所持金>>
3,100G